こんにちは!新宿新宿2丁目のフィラール行政書士事務所の代表が、キリスト教圏の国で多い日本であまりなじみのない婚姻制度について説明します。
この記事で説明する内容は3つあります。
- 婚姻の意思の登録
- 申請先との面談
- 婚姻の公示
外国には日本にない婚姻手続きがある国があります。
日本での結婚続きでは婚姻届けと国際結婚場合ですとそのほかに役所から言われた必要書類を提出すれば、特になにもない場合ですと、役所の方が受け取ってくれた日(届出日)が法律上の婚姻の日となります。深夜などに提出する場合で、警備の方にお渡しして事務手続きは翌日以降となる場合でも、提出日が婚姻の日となります。
国際結婚において、海外で婚姻手続きを行う場合、申請してもすぐに婚姻手続きとならない国があります。この場合の手続きの流れは、国によってことなるところがありますが、大きな流れとしては、
婚姻の意思登録、結婚の通知(結婚を行うという通知)⇒公示期間⇒婚姻許可証発行⇒婚姻⇒結婚証明書入手という流れです。
聞きなれない言葉がいくつかありませんでしょうか。
婚姻の意思登録と結婚の通知とは
まず婚姻の意思登録や結婚の通知(giving notice)です。たとえばイギリスは結婚の通知手続きから始まります。
イギリスの結婚の通知とは、結婚の届や手続きの申込書ではありません。結婚の公的な声明書です。この声明書には
- お二人の名前
- 年齢
- 職業
- 住所
- 国籍
- 婚姻状況
などが記載されています。
(国や地域によって異なる可能性があります)
手続きを行う役所などに行き面談を受けて通知の発行を受けます。
これがない法的な婚姻の成立には進みません。
スペインでは結婚の意思を届出ます。届出後に後面接があります。その後公示期間となります。フランスでの婚姻も同様です。事前の面接を受けた後、役所の掲示板に10日間の公示を行います。
面談
結婚の意思登録や結婚の通知の提出先の担当官と面談を行う国があります。これも偽装結婚の防止の目的と言われています。国や地域によっても異なります。フランスでは面談の無い地域の方が一般的のようです。面談は、婚姻の打ち合わせではありません。いつ出会ったのかとか、どの位付き合って結婚にいたったのかとか、細かいことも聞かれるようです。
公示とは
次に公示です。
公示って何でしょうか
日本の場合、公示とは行政機関が広く市民に周知させる行為です。日本では官報に掲載されたり、省庁舎前の掲示板に張り出されたりします。
多くの国で結婚の通知の内容は、公示されます。公示方法や期間などは国や地域によって異なります。
結婚の公示ってちょっとすごくない
結婚の公示も色々な方法があります。たとえばイタリアでは2回の日曜日をはさむ連続した2週間の掲示、イギリスでは28日間掲示、フィリピンでは10日間の掲示、ブラジルでは1か月間新聞に掲載される州もあります。公示期間のあいだにこの婚姻に異議を唱えるものがいない場合に結婚許可証が発行され婚姻のための挙式に進めます。
宗教婚の場合は、たとえばイングランド国教会で挙式を行う場合は、結婚の通知は不要でbanns(結婚の予告)を作成し挙式の前に教会で読み上げる等といったことを行います。
外国諸国の結婚公示・公示期間の目的
こういう制度をよく知らない日本人は、公示が元カノや元彼がその結婚ちょっと待ったぁ!とか親族が認めないとか、色々と想像してしまいます。どうもそれだけではないようですね。
なんのために結婚の通知や公示などを行うのでしょうか。
これは結婚が法的できるかどうか、重婚ではないか、ビザのための結婚つまり偽装結婚ではないのか、といったことを確認するためのものです。
日本の戸籍制度では、戸籍もしくは除籍の謄本で法的に婚姻できるかを確認できますが、外国では戸籍制度で確認ができない場合や、戸籍制度が無い国もあります。身分を登録する内容が出生簿、婚姻簿、死亡登録簿に分かれている国もあります。こういった国では婚姻の事実については登録されている内容で確認できたとしても、その婚姻が解消されているかどうかまではわからない場合があるようです。公示という制度で補完して重婚を防いでいるのです。
ただこの公示期間があるがために、日本人が現地で国際結婚の手続きを進めるのがとても難しい国もあります。現実には。日本で働きながら、婚姻を成立するために2週間とか1か月とか休暇をとれない方がほとんどではないでしょうか。国によっては国際結婚の場合、公示期間を短縮できる国もあります。
どちらの国から先に婚姻手続きを始めるかについては、その国の公示期間も確認して検討してみてください。
Bannsとは、教会婚で結婚が間近であることを公表する制度です。。 カトリック教会、スウェーデン教会(ルーテル派)、英国国教会などの教派で行われてきた慣習です。フランスでは9世紀ごろにはすでに行われていたと言われています。 これは、結婚が無効となるのをふせぐために、教会法上、民事上の障害を誰もが提起できるようにすることです。予定されている結婚について、前婚が解消や取消がされていない、独身の宣誓、承諾されていないこと、禁止されている親族の範囲内であること等の障害について問題ないかを提起します。 |
以降はここに記載したいくつかの国での国際結婚の婚姻手続きの進め方についての記事です。
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国際結婚ビザ | フィラール行政書士事務所 (firstbase.info)
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化申請 保有資格:申請取次行政書士 |