ベトナム人と国際結婚後の名前・戸籍は?婚姻手続きと配偶者ビザを行政書士が解説

ベトナム人との国際結婚を考え始めると、「結婚したら名字はどうなるんだろう」「日本の戸籍には入れるのかな」といった疑問が出てくるものです。実際、こうした不安を抱えている方は少なくありません。

この記事では、ベトナム人との国際結婚後の名字・戸籍の扱いと、日本で一緒に暮らすための配偶者ビザ申請の流れを、申請取次行政書士がわかりやすく解説します。

ベトナム人との国際結婚・配偶者ビザでお困りの方へ
個別相談対応 / 全国オンライン対応 / 完全予約制

配偶者ビザ申請の個別サポート相談はこちら →


ベトナム人の名前の構造と、国際結婚後の姓はどうなる?

ベトナム人の名前は、一般的に 「姓 → tên đệm(テン・デム=ミドルネーム) → 名」 の順番で構成されています。

たとえば グエン・ティ・フォン・タオ(Nguyễn Thị Hương Thảo)さん の場合は、次のような構造になります。

ミドルネーム
Nguyễn
グエン
Thị
ティ
Hương Thảo
フォン・タオ

また、ベトナムでは姓が二つ続く場合や、tên đệm(ミドルネーム)が複数ある場合、逆に tên đệm を持たない方もいます。名前の構造には幅があります。

国際結婚の場合、姓は日本人同士の結婚と違うの?

日本で結婚した場合、夫婦はどちらか一方の姓を名のると民法で定められています。

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
(民法第750条)

しかし、国際結婚の場合はこの規定がそのまま適用されません。国際結婚では、お互いが生まれた国で持つ氏名権(名前に関する権利)が尊重され、日本人同士の結婚のように姓を一つに統一する仕組みになっていないためです。

そのため、実務上は次のような扱いになります。

  • 日本人配偶者の姓は変わらない
  • ベトナム人配偶者の姓も変わらない
  • 結果として、夫婦別姓となる

これは、国際結婚の届出を日本で行っても、ベトナムで行っても同じ取り扱いです。


ベトナム人の配偶者は戸籍はどうなるの?

ベトナム人との国際結婚に関するご相談では、次のような疑問をよくいただきます。

  • 「日本人と結婚したら、ベトナム人は日本国籍になるのですか?」
  • 「日本人の戸籍に入ることはできますか?」
  • 「ベトナム人自身の戸籍が新しく作られるのですか?」

まず前提として、ベトナム人の方は、日本人と結婚しただけでは日本国籍にはなりません。外国人が日本国籍を取得する方法は、帰化申請を行い、法務大臣から許可を受けた場合のみです。

国際結婚で「外国人の戸籍」は作られません

外国人配偶者は、帰化して日本人とならない限り、日本人と結婚するだけで日本の戸籍はつくられません。

日本の戸籍法では、日本人同士が婚姻すると夫婦のために新しい戸籍(新戸籍)が作られ、その戸籍の「戸籍に記載されている者」の欄に夫婦の情報が載ります。

国際結婚の場合:日本人が筆頭者の新戸籍が作成される

国際結婚でも日本側では新戸籍が作成され、日本人配偶者が戸籍の筆頭者になります。ただし、外国人配偶者は「戸籍に記載されている者」の欄に名前等は設けられません。

日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍を編製する。ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
(戸籍法16条3項)

ただし、外国人配偶者の情報がまったく記載されないわけではありません。日本人の婚姻欄に、次のような外国人配偶者の情報が記載されます。

  • 配偶者の氏名
  • 配偶者の国籍
  • 配偶者の生年月日
  • その他、婚姻に関する身分事項

つまり、外国人配偶者は「戸籍には入らない」が、「婚姻情報として記載はされる」という扱いになります。

「戸籍に入る」とは【名】欄に配偶者が記録されることを指しますが、外国人配偶者はこの欄には載りません。赤字部分(実際は黒文字)のように、日本人側の婚姻欄に情報が記録されるかたちになります。


婚姻の記載事実がある戸籍謄本のサンプルイメージ

※これはサンプルのイメージ図です。実際の戸籍の様式・記載内容とは異なります。


夫婦同じ姓を名のりたい場合は?

帰化しない限り、ベトナム人配偶者の戸籍はできません。日本で暮らす場合、なにかと不便なこともあるため、同じ姓を名のりたいというご希望は少なくありません。

日本人の姓を名のる方法(通名申請)

ベトナム人の本名を変えることなく、日本人の姓を名のる方法があります。通名(通称名)を申請する方法です。

項目 内容
届出先 市役所・区役所など
届出書類 「通称記載申出書」(役所に置いてあります)
必要書類 婚姻証明書およびその訳文、在留カード
※役所によって異なる場合があります

通名を住民票に登録すると、マイナンバーカード・運転免許証については、本名に通名が併記されて発行されます(在留カードには使えません)。

申出書の「記載が必要と認められる事由」の欄には、「婚姻等により、日本国籍を有する相手方の氏」を選択します。

ベトナム人の本名を変えるケース

ベトナムでは夫婦別姓が一般的であり、婚姻後の姓に関するベトナムの法律上の規定もありません。結婚して本名を変えるケースは、ほとんどありません。

ベトナム人の姓を名のる方法(日本人側が変更する場合)

タイミング 手続き
婚姻後6カ月以内 「外国人との婚姻による氏の変更届」を市役所に提出
婚姻後6カ月を過ぎた場合 家庭裁判所の許可を得て届出(審判書謄本・確定証明書が必要)

この場合は本名(戸籍の氏)が変わります。一度届け出ると変更は困難です。


ベトナム人との配偶者ビザ(日本へ呼び寄せ)申請に必要な書類リスト

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)を申請する際の必要書類です。

確認 書類名 備考
在留資格認定証明書交付申請書 入管の書式を使用
写真(縦4cm×横3cm) 3カ月以内撮影
日本人配偶者の戸籍謄本 婚姻事実の記載があるもの
日本人配偶者の住民票 世帯全員・マイナンバー省略
結婚証明書(Giấy chứng nhận kết hôn) ベトナム人民委員会発行・日本語訳文添付
質問書(入管書式) 交際経緯・婚姻経緯を記載
日本人配偶者の課税証明書・納税証明書 市区町村発行
身元保証書 日本人配偶者が身元保証人となる
スナップ写真 2人が写ったもの複数枚
返信用封筒 簡易書留分の切手を貼付

※必要書類は上記の他にお客様の状況によって異なります。弊所では、必要書類についてはお客様とお打合せ後にカスタマイズしてお渡ししています。

ベトナム人との国際結婚・配偶者ビザでお困りの方へ
個別相談対応 / 全国オンライン対応 / 完全予約制

配偶者ビザ申請の個別サポート相談はこちら →


配偶者ビザ取得までの流れ

申請から在留カード取得まで、一般的な流れは以下の通りです。

1 日本とベトナムで婚姻手続き
日本の役所に婚姻届を提出し、ベトナム側の婚姻登録も完了させる(目安:2〜3カ月)
2 書類収集・申請書類の作成
戸籍謄本・課税証明書・質問書などを準備(目安:2カ月 ※順調な場合)
3 在留資格認定証明書の申請(入管)
日本にいる日本人配偶者が入管に申請。審査期間は約1〜3カ月
4 認定証明書をベトナムへ送付・大使館でビザ申請
認定証明書を使って、ベトナムの日本大使館・総領事館でビザを取得
来日・在留カード受領
入国後、住民登録を行い在留カードを受領。日本での生活スタート

※審査期間は申請内容や時期によって異なります。


よくある質問

Q. ベトナム人と結婚したら、相手は日本国籍になりますか?

A. なりません。外国人が日本国籍を取得するには、帰化申請を行い、法務大臣の許可を受ける必要があります。婚姻だけでは国籍は変わりません。

Q. 外国人の妻・夫は日本の戸籍に入れますか?

A. 入ることはできません。日本の戸籍制度では、日本人の戸籍に外国人が記載されることはありません。ただし、日本人配偶者の婚姻欄に氏名・国籍・生年月日が記載されます。

Q. 婚姻届はどちらの国で先に出すべきですか?

A. 一般的には、先に日本で届け出る「日本先行」が多いですが、お二人がベトナム在住などケースによってはベトナム先行の方が早い場合があります。事前に専門家のサポートを受けることをお勧めします。

Q. ベトナムでの婚姻手続きは何が必要ですか?

A. ベトナムの婚姻登録は、相手方の住所地の人民委員会で行います。日本側の独身証明書(婚姻要件具備証明書)を領事認証して現地へ持って行くのが一般的です。必要書類は相手方の地域によって異なる場合があります。

Q. 配偶者ビザと短期滞在ビザは何が違いますか?

A. 短期滞在ビザは観光・親族訪問などを目的とした最長90日の在留資格で、日本での就労はできません。配偶者ビザ(日本人の配偶者等)は、日本人の配偶者として日本に長期滞在し、就労も可能な在留資格です。

Q. 配偶者ビザの審査で不許可になる主な原因は何ですか?

A. 主な原因として、婚姻の信ぴょう性が疑われる(交際の実態を示す資料が不足している場合等)、収入・生計要件が不十分といったことが挙げられます。


関連記事・サポート情報

ビザのサポートを受けたお客様の声
ベトナム人との国際結婚をされた方の声も掲載しています。
ベトナム人配偶者ビザの取得方法と必要書類
審査で見られるポイントと対策を解説しています。
ベトナム人との国際結婚手続き|必要書類と注意点
全国対応の配偶者ビザ行政書士が手続きを徹底解説。
ベトナム在住のベトナム人と国際結婚するには?
認証の流れなど日本人が知っておく手続きを解説。
ベトナム人との国際結婚・配偶者ビザでお困りの方へ
個別相談対応 / 全国オンライン対応 / 完全予約制

配偶者ビザ申請の個別サポート相談はこちら →


行政書士 山川鬪志 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士会連合会 東京都行政書士会
新宿支部所属
登録番号 19082576
専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請
保有資格:申請取次行政書士
認定コンプライアンス・オフィサー

法務省出入国在留管理庁の公開情報等に基づき作成

業務に関するご質問や無料相談のご予約は、お電話・メールにて承っております。

メールでのお問い合わせ・相談のご予約

    ご希望の連絡先 (必須)

    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ウェブからの無料相談のご予約は、希望日時をご入力ください。

    ご相談日時(第一希望) 希望時間:

    ご相談日時(第二希望) 希望時間:

    ご相談日時(第三希望) 希望時間:

    ご希望の相談場所

    ★外国人が日本で暮らすビザ(在留資格)についてのご相談は無料相談 有料相談いずれかをご指定ください。(必須)
    ・無料相談:60分 0円  
    当事務所へのご依頼をご検討中の方には、サポート内容や料金のご説明、許可の可能性や難易度の診断を無料で行っております。

    ・有料相談:
    1時間 10,000円/税別
    「ご自身で申請を進めるため、特定の不明点だけを確認したい」「条件や手順について単発で質問したい」という場合は、有料相談にて承ります。なお、相談後にご依頼いただける場合は、この相談料を報酬の一部に充当いたします。

    ※先約などでご希望に沿えないときは、新たな日時をご提案させていただく場合があります。

    ご相談内容(必須)
    例:国際結婚について、 帰化について、就労ビザについて、お客様について (私は~が心配です)など

    弊所の同意なく、この問い合わせフォームを使用して営業活動や広告等の特定電子メールを送信することを拒否します(特定電子メール法)

    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    ページトップへ戻る