「フランス人と結婚したいけど、手続きが複雑そうで何から始めればいいかわからない」
フランス人との国際結婚は、日本とフランスの両方で手続きが必要です。どちらの国から先に進めるかによって流れが変わり、アポスティーユや翻訳など慣れない作業も多く、途中で迷ってしまう方は少なくありません。
この記事では、日本先行・フランス先行それぞれの婚姻手続きの流れを、ステップごとにわかりやすく解説します。
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どちらの国から手続きを進めるにしても、準備することはたくさんあり、ややこしく感じるかもしれません。しかし、ひとつひとつポイントを押さえ、順を追って進めていけば、きっと理解が深まると思います。
日本から先に結婚手続きを行う場合
手続きの流れは次の通りとなります。
ステップごとに解説していきます。
フランス人の「婚姻要件具備証明書」を入手
婚姻要件具備証明書(CCM:certificat de capacité à mariage)をフランス大使館で入手します。CCMを取得するために必要な書類のひとつが日本人の戸籍謄本ですが、そのままではフランス大使館に提出できません。
手続きは次の流れになります。
① 市区町村役場で戸籍謄本を取得
現在多くの市区町村ではコンビニでの戸籍謄本の交付を行っています。マイナンバーカードをお持ちであれば、対応可能な市区町村ではコンビニ交付が可能です。
② アポスティーユを取得
日本の外務省で戸籍謄本にアポスティーユ認証を取得します。アポスティーユ認証とは、公文書(この場合戸籍謄本)が本物であることを、付箋によりブルーのスタンプで認証を受けることです。外務省への窓口申請・郵送申請どちらも可能です。
月曜日窓口申請の場合、郵送での交付は木曜日午後発送、窓口での交付は金曜日となります。
弊所ではアポスティーユ認証の代行サービスを行っています。
→ アポスティーユ・領事認証申請手続きガイド(新宿区の行政書士が申請代行)
翻訳書類を用意
アポスティーユ認証を受けた後、この書類の翻訳を行います。認定翻訳者によるフランス語への翻訳が必要です。認定翻訳者は日本にあるフランス大使館のサイトで確認ができます。
→ 翻訳者リスト – La France au Japon
③ 日本にあるフランス大使館で婚姻要件具備証明書を取得
フランス人の婚姻要件具備証明書を、日本にあるフランス大使館で取得します。郵送でのみ受付で、必要な書類に不備がある場合は返送されます。
| 婚姻要件具備証明書(CCAM)必要な書類 | |
|---|---|
| 共通 | 婚約者共通情報フォーム |
| フランス人 |
フランスパスポートのコピー(写真のあるページ) 住所を証明する書類: 日本に在留しているフランス人:在留カード フランスに住んでいる方:家賃領収書・公共料金の請求書など 出生証明書のフルコピー(発行日から3カ月以内) |
| 日本人 |
パスポート(写真のあるページ) 戸籍謄本(発行から6カ月以内・アポスティーユ認証を受けたもの) 戸籍謄本のフランス語訳文書(認定翻訳者による翻訳) ※翻訳の元になる戸籍謄本は必ずアポスティーユ認証を受けた後に翻訳を行います。 レターパック赤(日本の返信先を記載) |
申請から発効までの日数の目安:フランス人が日本に居住している場合は約4週間、日本以外に住んでいる場合は最低約6週間。
④ 日本の市町村役場に婚姻届を提出
| 婚姻届提出に必要なもの |
|---|
| 婚姻届 |
| フランス人配偶者の婚姻要件具備証明書 |
| 日本人配偶者の戸籍謄本 |
| 配偶者のパスポート |
婚姻届を提出したら、提出した役場から婚姻届記載事項証明書を入手します。
日本側の婚姻手続きの後に行うこと:フランス側への報告的届出
日本での国際結婚の届出が完了したら、フランス大使館へ行きフランス側に対して国際結婚の手続きを行います。
⑤ 外務省のアポスティーユ取得
「婚姻届受理証明書」にアポスティーユを付けます。申請のやり方は②と同じで、郵送・窓口申請どちらも可能です。取得後、フランス語の翻訳文をつけてフランス大使館に婚姻の届出を行います。
ポイントは3つです。フランス大使館が認定した翻訳機関での翻訳であること、翻訳の原本を婚姻届記載事項証明書に添付すること、翻訳文にはアポスティーユを付ける必要はないことです。
⑥ フランス側への報告的届出
日本で婚姻が成立したことをフランス側へ届け出て、フランス側でも婚姻を成立させます。これを報告的届出といいます。日本で行った婚姻届をフランスの民事登録簿に登録するための申請で、郵送でのみ日本にあるフランス大使館に送付します。
DEMANDE DE TRANSCRIPTION D’ACTE DE MARIAGE:登録申請書
| フランス側の民事登録簿への登録申請必要書類 |
|---|
| 登録申請書 |
| 婚姻届記載事項証明書(日本の外務省でアポスティーユ取得したもの) |
| 婚姻届記載事項証明書の翻訳文(在日本フランス大使館が指定した翻訳者によるもの。全文翻訳。アポスティーユの翻訳は不要) |
| 家族記録簿を受け取るためのレターパック封筒・赤(申請人の住所・氏名を記載) |
届出により、日本の婚姻届がフランスの民事登録簿に転記されます。申請から登記完了まで最低6週間かかります。
登記後、フランス政府の公共サービスサイトからオンラインで結婚証明書の写しを請求することができます。また、家族手帳(Livret de famille)が送付されます。
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フランスから先に結婚手続きを行う場合
フランスの結婚制度
フランスでの結婚式には、Mariage civil(マリアージュ・シヴィル)市民婚とMariage religieux(マリアージュ・ルリジュー)教会式があります。法的な婚姻手続きを有するのはMariage civil(市民婚)です。
フランスでは宗教婚が行われる前に、フランスの民事当局(officier de l’état civil)で民事婚を執り行う必要があります。宗教婚のみでは法的な結婚とは認められません。
| 種類 | フランス語 |
|---|---|
| 市民婚 | Mariage civil(マリアージュ・シヴィル) |
| 教会婚 | Mariage religieux(マリアージュ・ルリジュー) |
フランスでの国際結婚の手続きの流れ
手続きはシンプルですが提出する書類が多いです。「結婚の申請」に添付するためのいくつかの書類を取得するために、日本人の戸籍謄本を取得します。
日本での書類の準備
準備の流れは次の図のようになります。
① 市区町村役場で戸籍謄本を取得
② アポスティーユを取得
ここまでは「日本から先に婚姻手続き」の項で記載した内容と同じです。アポスティーユを取得した戸籍謄本は、婚姻日から遡って発行日より3カ月以内に発行されたものが必要です。
③ 日本大使館で各種書類を取得
アポスティーユを取得した戸籍謄本をもとに、婚姻を行う管轄の在フランス日本大使館・領事館で出生・独身・慣習証明書を発行してもらいます。フランス語で発行されます。
「婚姻の申請」の手続きを行う時、役所によってはアポスティーユが付いた戸籍謄本・出生証明書に、法定翻訳家(TRADUCTEUR ASSERMENTE)の翻訳を必要とする所があります。この場合フランス国裁判所指定の法定翻訳家に依頼します。日本で行った翻訳では受け入れない場合があります。
④ 役所へ行き結婚の申請
大使館で取得した各種申請書や翻訳書類をもってフランスの役所へ行き、結婚の申請を行います。
フランス側での婚姻手続き
① 役所で結婚の申請
市民婚を行うために、役所(Mairie)で「結婚の申請」の届出を行います。挙式の少なくとも10日前には、カップルでいずれか一方の常居所(domicile)または1カ月以上居住している住所(residence)のある役所に届け出ることから手続きが始まります。届出は予約制で、民事婚は役所で挙式を行います。
| 「結婚の申請」で準備する書類 | |
|---|---|
| フランス人が用意 | 出生証明書 居住証明書(Justificatifs de domicile)領収証など |
| 日本人が用意 |
出生証明書(EXTRAIT D’ACTE DE NAISSANCE) 独身証明書(CERTIFICAT DE CAPACITE MATRIMONIALE) 慣習証明書(CERTIFICAT DE COUTUME) ※再婚の方は婚姻および離婚証明書も必要 ※在フランス日本大使館にてフランス語で発行してもらえます。 |
| 共通 | 身分証明(パスポートなど) 健康診断証明書など |
※役所によって必要書類が異なる可能性があります。必ず準備する前に役所で必要書類を確認してください。
出生・婚姻要件具備・慣習証明書申請書(在フランス日本大使館提出)
婚姻の書類を審査
婚姻届の書類は、市民課の職員によって審査されます。夫婦が個別または一緒に面接を行います。およそ30分程度で、それぞれの仕事や出会いのいきさつ、両親に会ったことがあるかなどの質問が行われます。通訳を付けることも可能です。
② 公示
役場は届出を受付けた後、婚姻について役場の掲示板に10日間公示しなければなりません。10日間の掲示期間後に届け出の役場で挙式ができます。
③ 役所で市民婚
婚姻の日に当事者と証人が市長の面前で宣誓を行います。挙式後に家族手帳(livret de famille)が交付されます。
日本側での婚姻手続き
日本大使館あるいは日本に帰国して市町村役場で婚姻届などを提出します。
| 日本側での婚姻手続きで用意するもの |
|---|
| 婚姻届 2通 |
| 日本人配偶者の戸籍謄本 2通 |
| 婚姻証明書(COPIE INTEGRALE D’ACTE DE MARIAGE) 2通 ※役所の印・サインがオリジナルのもの。Livret de Familleは不可 |
| 同和訳文(当館所定の書式に記入) 2通 |
| 外国人配偶者の国籍を証明する書類 2通 (有効な旅券、フランス人の場合は身分証明書 Carte nationale d’identité でも可) |
| 同和訳文(当館所定の書式に記入) 2通 |
| 日本人のフランス滞在許可証(申請中の場合は日本国旅券)写 1通 |
これで日本側の婚姻手続きも完了します。
婚姻手続き完了後は配偶者ビザの申請へ
日本・フランス双方で婚姻が成立したら、次のステップは配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の申請です。フランス人配偶者が日本で暮らすためには、婚姻とは別に入管への申請が必要です。
配偶者ビザの申請には、戸籍謄本・質問書・理由書など多くの書類が必要で、審査期間は1〜3カ月程度かかります。婚姻手続きと並行して早めに準備を始めることをお勧めします。
よくある質問
Q. 日本先行とフランス先行、どちらがよいですか?
A. 一般的にはフランス人が日本に在住している場合は日本先行が多く、フランスに在住している場合はフランス先行が現実的です。どちらが適切かはお二人の状況によって異なりますので、事前に専門家へご相談されることをお勧めします。
Q. CCM(婚姻要件具備証明書)の取得にどのくらい時間がかかりますか?
A. フランス人が日本に居住している場合は申請から約4週間、日本以外に住んでいる場合は最低約6週間が目安です。書類に不備がある場合は返送されるため、余裕をもって準備することが重要です。
Q. アポスティーユはどこで取得しますか?
A. 日本の外務省で取得します。窓口申請・郵送申請どちらも可能です。当事務所ではアポスティーユ申請の代行サービスも行っています。
Q. 報告的届出とは何ですか?
A. 日本で先に婚姻を成立させた後、その事実をフランス側の民事登録簿に登録するための手続きです。日本にあるフランス大使館へ郵送で申請します。登記完了まで最低6週間かかります。
Q. 婚姻手続きが完了したら、すぐに日本で一緒に暮らせますか?
A. 婚姻手続きが完了しただけでは日本での在留資格は得られません。フランス人配偶者が日本で暮らすためには、別途配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の申請が必要です。
Q. 婚姻手続きから配偶者ビザ取得まで、全体でどのくらいかかりますか?
A. 日本先行の場合、CCM取得(4〜6週間)→婚姻届提出→フランス側報告的届出(6週間)→配偶者ビザ申請・審査(1〜3カ月)という流れで、順調に進んでも半年程度かかることが多いです。早めの準備をお勧めします。
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