(2024年6月更新)
婚約者である外国人が短期滞在ビザで日本に来て、結婚手続きを行って、帰国することなしに配偶者ビザを取得することはできますか。
こういった、ご相談をよく受けます。短期滞在ビザの手続きが、とても手間がかかったので、もう面倒なことは苦痛だ。そのお気持ち大変よくわかります。住んでいるところがら日本大使館に行くまでにバスに乗って半日以上かかるという話もよくお伺いします。
短期滞在ビザで来日後に配偶者ビザへの変更のやり方
新宿・新宿2丁目のフィラール行政書士事務所の代表の行政書士がこの記事を書いています。
日本に来て国際結婚手続きを完了してビザで決められた在留期間が過ぎるまでに、外国人は帰国します。日本で夫婦として生活を行う場合は、配偶者ビザを取得します。在留資格認定証明書の申請を行います。日本に呼び寄せるための手続きです。
これは入管に日本人が手続きをおこない、許可がでるとその証明書をもって外国人は管轄の日本大使館に行きビザを取得して入国します。何度も手続きを行うので、時間的にも精神的にもロスが多いです。
せっかく日本に来たから、帰ることなしに配偶者ビザの手続きが行えることができると大変便利ですね。
短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更
短期滞在ビザで入国した場合、配偶者ビザの変更は可能でしょうか。
結論から先に言います。短期滞在ビザで入国した外国人は「原則」は、短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更はできません。
|
これは次のように入管法に定められています。
~略 在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、やむを得ない事情に基づくものでなければ許可しないものとする。
入管法20条3項
なぜでしょうか?短期滞在の上陸の許可は他の在留資格の許可にくらべ簡易に許可が受けられることから、短期滞在からの変更をみとめると、安易に日本に長期滞在する手段となってしまい制度そのものが形骸化されることになるからです。また厳格に行われる事前審査の入出国管理の制度が覆されることを懸念しています。しかし、「やむを得ない」事情があるばあいは許可されることがあるとなっています。
|
やむを得ない事情ってなんでしょうか
やむを得ない事情とは、人道上配慮されることがその外国人にある場合が該当します。
たとえば配偶者ビザへの変更について
- 来日中に結婚した場合
- すでに外国で結婚した外国人の配偶者が短期滞在ビザで入国した場合
- 妊娠している、出産した場合
などがあげられます。とはいえ配偶者ビザに変更できるかどうか、今ひとつ不安な方、該当するかどうか心配な方が数多くいらっしゃるかと思います。
国際結婚したからといってすべてがやむを得ない事情にあたるものではない
やむを得ない事情に該当する来日中に国際結婚した場合でも、ビザの変更が出来ないことがあります。
- 短期滞在ビザで入国して、たまたま日本人と知り合って結婚しちゃったというケース
本当にたまたま知り合ったのでしょうか。この結婚は果たして本当の結婚でしょうか?
- 国際結婚相談所から紹介を受けて、日本で初めて対面で出会っで結婚したケース
夫婦として意思疎通がとれ、長く婚姻生活がこれから続けることができるのでしょうか
これらは、入管から偽装結婚ではないかと疑義を持たれる可能性があります。
可能性が高い場合
以前からリアルでお付き合いがあり、いろいろな場所にデートに行き、周りも婚約を知っているようなカップルが日本で結婚手続きを進めるために短期滞在ビザをつかって入国した場合などは、許可される可能性が高くなります。
やむを得ない事情を、ともすればみなさん自分の都合の良いように解釈してしまいがちかもしれません。心配なときは配偶者ビザのサポートを専門に行っている行政書士に相談することをお勧めします。
やむを得ない事情に該当しない場合はどうなる
申請の前に事前に入管で相談を行いますが、やむを得ない事情に該当しないと入管に判断されると、審査どころか、受け付けてもらえません。受け付けてもらえない場合は、日本に期限を超えて在留することはできません。いったん出国するしかありません。
変更申請の場合は短期滞在ビザの在留期間に注意
短期滞在ビザは15日、30日、90日の期間があります。配偶者ビザへの変更を予定している方は、90日の短期滞在ビザを取得を行います。
短期滞在ビザの在留期間90日
配偶者ビザへの変更については申請後すぐには許可がおりません。短期ビザの在留期間が過ぎても日本に滞在できるためには在留期間の特例措置の対象であることが必要です。30日以下の在留期間では特例措置が認められていないため、90日の在留期間の短期滞在ビザであることが重要なのです。
したがい15日や30日の在留期間の短期滞在ビザでは、申請に入管の窓口へ行っても受け付けてもらえません。
短期滞在ビザの取得については、一般的に15日より30日、90日と期間が長くなればなるほど難易度が高くなります。短期滞在ビザの90日の申請ついては、しっかりと準備することが必要です。もし進め方に不安な方は専門の方に相談するとよいでしょう。
※査証免除国の短期滞在の在留期間が90日でない国があります。インドネシア及びタイは「15日」、ブルネイは「14日」、アラブ首長国連邦は「30日」、その他の国・地域については「90日」の国となります。(2023年12月現在)
こういった90日以外の国では免除国であっても、配偶者ビザへの変更を考えているのであれば90日の短期滞在ビザを取るようします。
以上、短期滞在ビザから直接配偶者ビザの変更を行う方法の解説でした。
短期滞在ビザから配偶者ビザの変更申請の注意点
誤解しないでください。入管に申請を受け付けてもらっても、書類が受理されただけです。このあと許可に対しての審査があります。ビザの変更(在留資格変更申請)を受付てもられないと、期日が来る前に帰国しなければなりません。
そもそも疑義のある場合ややむを得ない事情に該当しないと思われるときは書類を受理していただけません。短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更についても、しっかりと準備が必要です。事前に入管の窓口で相談を行わなければなりません。
日本に来て結婚を考えている方は、手続きを進めていくと、あっという間に90日は過ぎてしまいます。来日前の準備がとても大切です。
当事務所では、
- 短期滞在ビザの申請サポート
- 短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更申請サポート
なども行っています。
次のページでは当事務所の
短期滞在ビザのサポートのご案内を次の記事で
配偶者ビザのサポートのご案内を次の記事で
もしよろしければご検討してみてください。
お打合せの予約は末尾のお問い合わせフォームからが便利です。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |
https://www.moj.go.jp/isa/index.html