イタリア人との国際結婚|日本とイタリアそれぞれの婚姻手続きのポイント

(2025年12月更新)

イタリア人女性の画像

イタリア人の方との国際結婚を考えたとき、まず悩むのが婚姻手続きをどちらの国から、どのような順序で進めるべきかという点ではないでしょうか。

日本とイタリアでは、婚姻に関する法律や必要書類、手続きの進め方が異なります。

そのため、情報を集めていくうちに、

「何から始めればいいのか分からない」
「順番を間違えないか不安」

と感じられた方も多いかと思います。

本記事では、イタリア人との国際結婚における婚姻手続きについて、
日本から手続きを行う場合と、イタリアから行う場合に分けて、
それぞれで異なるポイントを整理しながら、準備の際に気をつけるべき点を中心に分かりやすく解説します。

イタリア人との国際結婚で事前に確認しておきたい日本とイタリアの違い

イタリア人との国際結婚では、日本人同士の結婚とは異なり、日本とイタリア、双方の国の法律を満たさないといけません。

日本とイタリアでは、結婚に関する法律の定めが同じではありません。
そのため、日本では問題なく進められる場合でも、
イタリアの法律上は結婚できないというケースもあります。

いくつかの違いがありますが、特に異なるところは、

・結婚できる年齢に関すること

・再婚までに一定の期間を空ける必要があるかどうか

といった点です。

たとえば、過去に結婚歴がある場合、日本ではすでに制限がなくなっていますが
イタリアの法律では一定期間、再婚が認められていません。

こういった制度の違いから、単に独身であることの証明だけでなく、
「現在、本国の法律上、結婚できる状態にある」ことを証明する書類の提出が求められます。これが「婚姻要件具備証明書}という書類です。
この書類を誰のものを、どの段階で用意するのかを整理しておかないと、「書類を取り直すことになり、予定が大きくずれた」といった事態につながり、
結果として準備に余計な時間がかかってしまうことも少なくありません。

日本人の婚姻要件具備証明書サンプル(イタリア人との国際結婚)

イメージ画像:日本人の婚姻要件具備証明書

 

待婚期間

イタリアではlutto vedovileと言われる300日の再婚禁止期間あります。

前婚が終わった後の再婚の待期期間です。

日本は以前は100日の再婚禁止期間がありましたが2024年4月1日より撤廃されました。

待期期間については、それぞれの国の法律を比較してより厳しい条件が採用されます。

この場合ですとイタリアの300日が適用されます。

前婚歴がある日本人女性とイタリア人男性が結婚するときは日本人女性にも300日の待婚期間が適用されます。

第89条 再婚の一時的禁止

女性は、前婚の解消、取消しまたは民事上の効力停止後300日を経過するまでは、婚姻することができない。

(art. 89 c.c.:イタリア民法89条)

 

結婚可能年齢

イタリアでは18歳から婚姻が可能です。

16歳から18歳未満は裁判所の許可が必要です。

日本は18歳からです。

結婚可能年齢は、それぞれの国の要件を適用します。

第84条 年齢

未成年者は婚姻を締結することができない。

裁判所は、利害関係人の請求があれば~中略~ 大法廷で発する判決により、重大な事由がある場合には、16歳に達した者の婚姻を認めることができる。(art. 84 c.c.:イタリア民法84条)

 

日本から手続きを行う場合の婚姻手続きの流れ

日本から婚姻手続きを進める場合は、日本の市区町村役場に婚姻届を提出するための必要な書類を準備します。

この方法では、日本での手続きが先に完了するため、
「まずは日本で結婚を成立させたい」
「日本側の書類を先に整えたい」
と考える方に選ばれることが多い流れです。

しかし、日本で婚姻届を提出する際には、婚姻届出書だけではなく、イタリア人の方が法律上結婚できる状態にあることを示す書類もあわせて提出する必要があります。

イタリア人の婚姻要件具備証明書

日本から婚姻手続きを進める場合は、
イタリア人配偶者の「婚姻要件具備証明書(Nulla Osta)」を取得したうえで、日本の市区町村役場に婚姻届を提出する流れになります。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. 在日イタリア大使館で「婚姻要件具備証明書(Nulla Osta)」を取得

  2. 必要書類をそろえて、日本の市区町村役場へ婚姻届を提出

  3. 日本で婚姻成立後、イタリア側への婚姻報告手続きを行う

婚姻届出を行うためには「Nulla Osta」の取得が必要です。

そのため、日本から手続きを行う場合は、まずイタリア大使館での「Nulla Osta」の取得手続きから準備を始めることが重要です。

イタリア人配偶者の婚姻要件具備証明書を取得

イタリア大使館にお二人で訪問して申請します。

必要な書類

  • 婚姻要件具備証明書: Nulla Osta申請書

日本にあるイタリア大使館のホームページからダウンロードできます。

  • 出生証明書
  • お二人のパスポートのコピー

事前にイタリア大使館に電話もしくはメールでNulla Osta申請について確認しておくことをお勧めします。

日本側の婚姻手続き

日本の市町村役場に婚姻届けとともに準備した書類を提出します。

  • 婚姻届
  • イタリア人の方の婚姻要件具備証明書
  • イタリア人の方の身分証明書(パスポート)
  • イタリア人の出生証明書
  • 出生証明書の日本語訳文

これで日本側の届けは完了です。

後日役所へ行き、婚姻届受理証明書および婚姻の記載がある新しい戸籍謄本を入手します。

 イタリア側での婚姻手続き

イタリア大使館へ行き日本での婚姻が成立したことの報告を行います。

必要な書類

  • 婚姻の記載がある戸籍謄本 :アポスティーユ認証付き
  • 婚姻届受理証明書 :アポスティーユ認証つき
  • 身分証明書(パスポート)

これでイタリア側の婚姻手続き自体は完了します。

【コラム】アポスティーユ取得は代行することもできます

イタリア側への婚姻報告では、日本で取得した公的書類にアポスティーユ認証を付ける必要があります。

この手続きは外務省で行います。

平日に出向くか郵送でおこなう必要があります。

行くこと自体が負担に感じたり、書類の準備や提出方法が分かりづらいと感じる方も少なくありません。

フィラール行政書士事務所では、イタリアでの婚姻報告に必要なアポスティーユ取得手続きを代しています。

「仕事の都合で外務省に行けない」
「書類に不備がないか不安」
といった場合は、当事務所のサポートをお勧めしています。⇒アポスティーユ・大使館領事認証代行サポート報酬額一覧

 

イタリアから手続きを行う場合

日本人の結婚に関する証明書をイタリアで準備する

イタリアから先に婚姻手続きを行う場合、日本人側は、「日本の法律上、結婚できる状態にあること」を証明する書類を、あらかじめ準備しておく必要があります。具体的には、次の2点が必要となります。

日本人の婚姻要件具備証明書

これが、日本人が現在、日本の法律上、結婚に支障がない状態であることを証明する書類です。イタリアの役所で婚姻手続きを行う際に提出を求められます。

この証明書は、イタリアにある日本大使館、日本総領事館(ミラノ)で申請・取得します。
証明書はイタリア語で発行されるため、別途翻訳を用意する必要はありません。

申請は日本人本人が行う必要があり、事前予約制となっているため、あらかじめ大使館・領事館の案内を確認しておきましょう。

必要な書類

  • 日本人のパスポート
  • お相手のイタリア人の国籍、氏名 、生年月日が明記された公的機関発行の書類(パスポート、身分証明書(CARTA D’IDENTITÀ)など)のコピー
  • 日本人の「戸籍謄本」 3ヶ月以内に発行されたもの

日本人の戸籍謄本

婚姻要件具備証明書の申請にあたっては、日本の市区町村で発行された戸籍謄本の提出が求められます。

戸籍謄本は日本国内の役所で取得したものを、イタリアへ持参するか、日本から取り寄せる形になります。
発行から3か月以内のものが必要となるため、取得のタイミングには注意が必要です。

日本人の出生証明書ほか

婚姻届を提出する役場によっては、日本人の「出生証明書(CERTIFICATO DI NASCITA)」が要求されることがあります。

なるべく早い段階で手続きをされる役所に必要書類を確認してください。

この段階で、日本人側の書類を正しくそろえておくことで、イタリアの役所での婚姻手続きをスムーズに進めることができます。

日本人の婚姻要件具備証明書の取得

日本大使館(ローマ)もしくは日本総領事館(ミラノ)で日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。イタリア語で証明書が発行されます。

婚姻届を提出する役場によっては、日本人の「出生証明書(CERTIFICATO DI NASCITA)」が要求されることがあります。

なるべく早い段階で手続きをされる役所に必要書類を確認してください。

 「婚姻要件具備証明書」、「出生証明書」などの申請は必ず日本人の申請者本人が行きます。

大使館はオンラインでの予約制となっています。

必要な書類

  • 日本人のパスポート
  • お相手のイタリア人の国籍、氏名 、生年月日が明記された公的機関発行の書類

パスポート、身分証明書(CARTA D’IDENTITÀ)などでコピーを用意します。

  • 日本人の「戸籍謄本」

3ヶ月以内に発行されたもの

証明書の認証(LEGALIZZAZIONE)

大使館または総領事館で発行された証明書は、イタリアの県庁(PREFETTURA)での認証が必要となります。

県庁での認証申請に必要な書類
  • 日本大使館や領事館で発行された証明書
  • 印紙
  • 身分証明書等

日本大使館・総領事館で発行した証明書の認証(Legalizzazione)について

在イタリア日本大使館または日本総領事館で発行された婚姻要件具備証明書などの公的文書は、イタリア国内で婚姻手続きを行う前に、イタリアの県庁(Prefettura)での認証(Legalizzazione)が必要となります。

認証を受けられる県庁は、証明書を発行した日本の在外公館によって異なります。

  • ローマの在イタリア日本大使館で発行された証明書
     → トスカーナ州以南の各県庁(Prefettura)で認証手続きが可能です。

  • ミラノの在ミラノ日本総領事館で発行された証明書
     → エミリア=ロマーニャ州以北の県庁にて認証を受けることができます。

ただし、県庁ごとに取扱いが異なる場合もあります。

実際に認証を予定している県庁で手続きが可能かどうかは、証明書の申請時に、日本大使館または総領事館で必ず確認しておくことが重要です。

イタリアの役所で行う婚姻手続きの流れ

ここではイタリア側での婚姻手続き、婚姻の申請から結婚証明書を取得するまでのながれを解説します。

イタリアでの婚姻手続きは、市町村役所(Comune)で行われます。
都市や役所によって若干の運用の違いはありますが、大まかな流れは次のとおりです。

①役所(Comune)への婚姻申請⇒② 結婚の公示(Pubblicazioni)⇒③ 挙式(婚姻成立)の日程決定⇒④ 役所での挙式(婚姻の成立)⇒⑤ 結婚証明書の取得

① 役所への婚姻申請(公示の申請)

日本人の婚姻要件具備証明書など、必要書類をそろえてイタリアの市町村役場(Comune)に婚姻の申請を行います。
この申請は「結婚の公示(Pubblicazioni)」の申請と呼ばれます。

必要な書類

  • 申請書
  • 日本人の婚姻要件具備証明書
  • 身分証明書

 

② 結婚の公示(Pubblicazioni)


申請内容に問題がなければ、結婚予定者の情報が一定期間、公示されます。
現在は掲示板ではなく、役所のWebサイト上で公示されるのが一般的です。

公示期間は市町村によって異なりますが、おおむね2週間前後とされています。

役所で挙式の日時を決めます。

③ 挙式(婚姻成立)の日程決定

公示期間中に異議がなければ、
役所と相談のうえ、挙式(婚姻成立)の日時を決定します。

④ 役所での挙式(婚姻の成立)

指定された日時に、市町村役場にて挙式が行われ、イタリア法上の婚姻が成立します。

⑤ 結婚証明書の取得

婚姻成立後、後日、結婚証明書(Certificato di Matrimonioを同じ市町村役場で取得します。

この結婚証明書は、日本側への婚姻届を行う際、日本で暮らす配偶者ビザの申請に必要となる重要な書類です。

日本側の婚姻手続き

次は日本側の婚姻手続きです。下の書類を用意して在イタリア日本大使館・領事館へ提出します。

日本に住んでいる方は、日本の市区町村役場に提出することも可能です。

必要書類

いままでの市町村と異なる場所に本籍地をつくる場合は、以下の文書名の末尾に※のあるものは記載の数にプラス1通が必要です。

  • 婚姻届
  • 結婚証明書(Certificato di Matrimonio)
  • イタリア人の方の国籍証明書
  • 国籍証明書の和訳文
  • 日本人の戸籍謄本

これで日本側の婚姻手続きも完了です。

イタリア人との婚姻手続き・配偶者ビザ申請をサポートしています

イタリア人との国際結婚では、日本とイタリアの役所の両方で進めるため、想像以上に時間と手間がかかります。

役所での申請や書類準備に慣れていない場合、一つひとつ手続きを進めているつもりでも、
「次に何を確認すればいいのか分からなくなった」
「一つ進んだと思ったら、別の書類が必要だと分かった」

といった状況になってしまうことも少なくありません。

さらに、日本で夫婦として暮らしていくためには、イタリア人の方は日本に滞在するためのビザ手続きが必要になります。

すでに在留資格をお持ちの方であっても、結婚に伴って変更や更新の申請が必要となるケースもあります。

実際に、「自分たちで進められると思っていたが、進むほどに気になることが増えて、自信がなくなってしまった。」
といった時点で、ご相談をいただくことも少なくありません。

日本での生活を安心してスタートするためには、手続き以外にも、生活基盤の確立のための準備することが数多くあります。

限られた時間を有効に使うという点でも、国際結婚の手続きやビザの申請手続きについては、専門家のサポートを取り入れて効率的に進める方もいらっしゃいます。

現在どの段階にいるのかを整理し、これから必要になる手続きや書類をあらかじめ把握しておくことが、結果的に大きな負担軽減につながります。これは専門家と一緒に進めることで、より安心して手続きを進めることができます。

フィラール行政書士事務所では、イタリア人との婚姻手続きから、その後の配偶者ビザ申請までを見据え、お二人の状況に応じた進め方をご案内しています。

すこしでも不安を感じたり、準備に負担を感じたとき、
「この進め方で問題ないか確認したい」
「先のビザ申請を考えると、どこまで準備しておくべきか知りたい」
と感じた段階でのご相談もお受けしています。

当事務所へのご依頼を検討されている方に向けて、
サポート内容や進め方を詳しくご案内しています。

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フィラール行政書士事務所 代表 行政書士 山川鬪志の顔写真 [この記事の執筆者]

行政書士 山川鬪志

フィラール行政書士事務所 代表

日本行政書士会連合会 東京都行政書士会

新宿支部所属

登録番号 19082576

専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請

保有資格:申請取次行政書士

認定コンプライアンス・オフィサー

 

https://www.moj.go.jp/

https://www.moj.go.jp/isa/index.html

 

 

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