(2024年12月更新)
フランス人の方とご婚約おめでとうございます!
フィラール行政書士事務所では、東京・新宿御苑の近くで日本での生活を始めるための結婚ビザや帰化・永住の申請手続きをサポートしています。
今回は、フランス人との婚姻手続きについて詳しく説明いたします。
どちらの国から手続きを進めるにしても、準備することはたくさんあり、ややこしく感じるかもしれません。
しかし、ひとつひとつポイントを押さえ、順を追って進めていけば、きっと理解が深まると思います。
日本から先に結婚手続きを行う場合
手続きの流れは次の通りとなります。
ステップごとに解説していきます。
フランス人の「婚姻要件具備証明書」を入手
婚姻要件具備証明書(CCM: certificat de capacité à mariage)をフランス大使館で入手します。
CCMを取得するために必要な書類のひとつが日本人の戸籍謄本です。
戸籍謄本をそのままではフランス大使館に提出できません。
手続きは次の流れになります。
① 市区町村役場で戸籍謄本を取得
現在多くの市区町村ではコンビニでの戸籍謄本の交付を行っています。
対応可能な市区町村の戸籍謄本は、マイナンバーカードをお持ちのですと、コンビニ交付が可能です。
② アポスティーユを取得
日本の外務省で戸籍謄本にアポスティーユ認証を取得します。
アポスティーユ認証とは、公文書(この場合戸籍謄本)が本物ですと、付箋によりブルーのスタンプでの認証を受けることです。
外務省に行くことも、郵送での申請も可能です。
月曜日窓口申請の場合(郵送での交付)木曜日午後発送(窓口での交付)金曜日交付となります。
弊所ではアポスティーユ認証の代行サービスを行っています。
アポスティーユ・領事認証申請手続きガイド(新宿区の行政書士が申請代行) | フィラール行政書士事務所
- 翻訳書類を用意
アポスティーユ認証を受けた後、この書類の翻訳を行います。
認定翻訳者によるフランス語への翻訳が必要です。
認定翻訳者は日本にあるフランス大使館のサイトで確認ができます。
③ 日本にあるフランス大使館で婚姻要件具備証明書を取得
フランス人の婚姻要件具備証明書を、日本にあるフランス大使館で取得します。
郵送でのみ受付です。必要な書類に不備がある場合は返送されます。
婚姻要件具備証明書(結婚資格証明書:CCAM)必要な書類
1.1 婚約者共通情報フォーム
フランスパスポートのコピー 写真のあるページ
パスポート 写真のあるページ レターパック赤 に日本の返信先を記載のもの |
申請から発効までの日数は、
- フランス人が日本に居住している場合は、約4週間
- フランス人が日本以外の国に住んでいる場合は、最低約6週間日本側での婚姻手続き
④ 日本の市町村役場に婚姻届を提出します。
- 婚姻届
- フランス人配偶者の婚姻要件具備証明書
- 日本人配偶者の戸籍謄本
- 配偶者のパスポート
婚姻届を提出したら、提出した役場から婚姻届記載事項証明書を入手します。
日本側の婚姻手続きの後に行うこと:フランス側への報告的届出
日本での国際結婚の届出が完了したら、フランス大使館へ行きフランス側に対して国際結婚の手続きを行います。
「婚姻届受理証明書」について準備が必要です。
⑤ 外務省のアポスティーユ取得
今度は「婚姻届受理証明書」のアポスティーユを付けます。
アポスティーユの申請のやり方は②と同じです。郵送でも、窓口申請でも構いません。
返送されたら、フランス語の翻訳文をつけてフランス大使館に婚姻の届出を行います。
翻訳文の準備のやり方は②に記載した方法と同じです。
ポイントは4つ
- フランス大使館が認定した翻訳機関での翻訳
- 翻訳の原本を婚姻届記載事項証明書に添付
- 翻訳文には、アポスティーユを付ける必要ない
⑥ フランス側への報告的届出
「婚姻届受理証明書」の準備が完了したらいよいよフランス側での結婚の届出です。
日本で行った婚姻届をフランスの民事登録簿に登録するための申請です。この申請がフランス側での婚姻の法的な届出となります。
先に日本で婚姻が成立したことをフランス側へ届出でフランス側でも婚姻を成立させる報告的届出と言われるものです。
必要書類を揃えた上で、郵送でのみ申請書類を以下の戸籍課に送付してください。
必要書類
フランス側の民事登録簿への登録申請
|
これでフランス側の国際結婚の手続きが完了です。申請から登記が完了するまで最低6週間かかります。
・結婚証明書の取得
公共サービスのウェブサイトからオンラインで結婚証明書の全部事項の写しまたは抜粋版を請求することができます。
登記後、家族手帳(Livret de famille)が送付されます。
フランスから先に結婚手続きを行う場合
フランスの結婚制度
フランスでの結婚式には、
Mariage civil(マリアージュ・シヴィル)市民婚とMariage religieux(マリアージュ・ルリジュー)教会式があります。Mariage civil(マリアージュ・シヴィル)が法的な婚姻手続を有する結婚式です。
フランスでは宗教婚が行われる前に、フランスの民事当局(officier de l’état civil)で民事婚を執り行われる必要があります。
フランスでは、宗教婚のみでは法的な結婚とは認められません。
儀式を執り行う牧師、司祭、またはラビは、民事婚が行われたことを証明する「民事婚証明書:certificat de célébration civile」の提出を、ご夫婦になる方に求めます。
市民婚 | Mariage civil(マリアージュ・シヴィル) |
教会婚 | Mariage religieux(マリアージュ・ルリジュー) |
フランスでの国際結婚の手続きのながれ
手続きはシンプルですが提出する書類が多いです。「結婚の申請」に添付するためのいくつかの書類を取得するために、日本人の戸籍謄本を取得します。
日本での書類の準備
日本人に関する書類について、戸籍謄本を準備します。
準備の流れは次の図のようになります。
① 市区町村役場で戸籍謄本を取得
② アポスティーユを取得
ここまでは
日本から先に婚姻手続きの項で記載した内容と同じです。
アポスティーユを取得した戸籍謄本については
婚姻日から遡って発行日より3ヵ月以内に発行されたものが必要です。
③ 日本大使館で各種書類を取得
アポスティーユを取得した戸籍謄本をもとに、婚姻を行う管轄の在フランス日本大使館・領事館で出生・独身・慣習証明書を発行してもらいます。フランス語で発行されます。
また「婚姻の申請」の手続きを行う時、役所によってはアポスティーユが付いた戸籍謄本、出生証明書に、法定翻訳家 (TRADUCTEUR ASSERMENTE)の翻訳を必要とする所があります。
この場合フランス国裁判所指定の法定翻訳家(TRADUCTEUR ASSERMENTE)に依頼します。
これが法定翻訳と言われるものです。フランスSERVICE-PUBLICのホームページから、法定翻訳家の情報を検索することができます。日本で行った翻訳では、受け入れない場合があります。
④役所へ行き結婚の申請
大使館で取得した各種申請書や翻訳書類、他申請書類をもってフランスの役所へ行き結婚の申請を行います。
フランス側での婚姻手続き
① 役所で結婚の申請
市民婚を行うために、役所(Mairie)で「結婚の申請」の届出を行います。
挙式の少なくとも10日前には、カップルで、いずれか一方の常居所(domicile)または一カ月以上居住している住所(residence)のある役所に、婚姻届けを届け出ることから婚姻の手続きは始まります。
そしてフランス式の婚姻の手続きはここからが始まりです。
日本のように婚姻届の提出で終わりではないのです。届出は予約制です。
民事婚は役所で挙式を行います。少なくともお二人のうちどちらかが関係がある自治体で挙式が執り行われます。
- 居住地:お二人のどちらかの公式かつ通常の住居。
- 住居または居所:お二人のどちらかが実際に居住し、安定して住んでいる場所
- 親(父または母)の居住地または住居:お二人のどちらかの親の住所
- お二人のどちらかの親の別荘地にある自治体
予定地の役所へ行き、民事婚での「結婚の申請」を行います。
フランス人との国際結婚:「結婚の申請」で準備する書類フランス人が用意
日本人が用意
再婚の方
これらは、在フランス日本大使館にてフランス語で発行してもらえます。 おふたりが共通で用意するもの
注:役所によって必要書類が異なる可能性があります。 必ず準備する前に役所に行き、可能であれば必要書類のリストをもらうようにして確認すると良いでしょう。 申請の時に、証人についての次のような情報を提出します。
|
婚姻の書類を審査
婚姻届の書類は、市民課の職員によって審査されます。面接が行われます。
夫婦が個別に面接、あるいは一緒に面接をおこないます。
およそ30分程度というケースもあるようです。
それぞれのお仕事や、二人の出会ったいきさつとか、両親に会ったことがあるのか等の質問です。通訳を付けることが可能ですこの面接は義務であり、病気などの事情がない場合や不要だと職員が判断した場合を除いて行われます。
② 公示
役場は届出を受付けた後、婚姻について役場の掲示板に10日間公示しなければなりません。
この公示を見ることにより、当事者である配偶者、配偶者の父母は、理由があれば異議を申し立てができます。
10日間の掲示期間後に届け出の役場で挙式ができます。「結婚の申請」時には挙式日を申請しますが、公示期間いこうの挙式日で申し込むことになります。
③役所で市民婚
婚姻の日に当事者と証人が市長の面前で宣誓を行います。
挙式後に家族手帳(livret de famille) が交付されます。
日本側での婚姻手続き
日本大使館あるいは日本に帰国して市町村役場で婚姻届などを提出します。
日本側での婚姻手続きで用意する書類など
用意するもの
|
これで日本側の婚姻手続きも完了します。
フランス人との国際結婚手続きや配偶者ビザの取得をサポート
フランス人との国際結婚手続きや配偶者ビザの取得について、お読みいただき、ありがとうございました。
婚姻手続きは、時間と労力がかかるものですね。役所への申請が詳しくない方が行うと、二度手間になってしまうこともあるかもしれません。
さらに、外国の役所での手続きも時間がかかることがあり、ストレスになることもあります。
日本で一緒に生活を始めるためには、さらに手続きが待っています。
お相手のフランスの方が日本で暮らすためのビザの手続きが必要です。すでにビザをお持ちの方も、変更が必要な場合があります。
このようなビザの申請は、婚姻手続きよりも多くの手間と時間がかかります。
その間、精神的にも肉体的にもかなりの負担となるかもしれません。
・ ねえ、この書類の翻訳、まだ終わってないの?もう提出期限が近いよ。
・今度は何の証明書が必要なの……?
日本で夫婦としての生活をスムーズにスタートさせるために、せっかくの大切なお二人の大切な時間は有意義なことへ。
手続きを思い切って専門家に任してみるというのはいかがでしょうか?
フィラール行政書士事務所での国際結婚申請サポート業務のご案内
・国際結婚成立サポート | それぞれの国で婚姻を成立させるための手続きや必要書類に関してのアシストサービスを行っています。
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・配偶者ビザ申請サポート | 日本でフランス人と夫婦で暮らすためのビザの申請サポートサービス業務です。
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・アポスティーユ代行サポート | 戸籍謄本にアポスティーユを取得する
外務省へ申請代行のサービス業務です。 |
アポスティーユ・領事認証申請手続きガイド(新宿区の行政書士が申請代行) | フィラール行政書士事務所 |
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |