(2024年6月更新)
東京・新宿2丁目にある外国人の結婚ビザに関するフィラール行政書士事務所からこんにちは。
マレーシア人との国際結婚は、お二人の信仰によって手続きや準備する書類が異なります。特にイスラム教徒の方との場合は、モスクでの結婚手続きや婚姻要件具備証明書の取得に多くの書類が必要となり、手続きの流れを理解するのが難しく、準備も大変なことがあります。今回は、日本側からの婚姻手続きを始める場合をご説明いたします。
マレーシア人との国際結婚
マレーシアの方とのご婚約、おめでとうございます!国際結婚の婚姻手続きを検討されていることでしょう。さまざまな情報を収集されていることと思いますが、手続きや順番について調べると、かなりの手間がかかることを感じるかもしれません。
どちらの国から手続きを進めるにしても、準備が必要で混乱することもあるでしょう。しかし、専門家が丁寧にポイントを説明し、順を追っていくことで、理解が深まるでしょう。それでは、日本側から先行して行う場合の婚姻手続きについてご説明いたします。
婚姻要件具備証明書とは
婚姻手続きの重要な書類です。
国際結婚の手続きを進める時に、まず準備を考えなくてはならない書類が「婚姻要件具備証明書」です。「何それ?」と疑問に思う方もいると思います。確かになかなか聞いたことがない書類だと思います。お互いが日本人の場合は、婚姻届けを書いて役所に提出で手続きは完了ですが、国際結婚となると、かなり話が違ってきます。
日本人の方は戸籍謄本をみれば、結婚の要件が役所の方にも容易に判断がつきますが、いきなり外国の方が婚姻届をもって役所に行っても役所の人は、「この人、一体どういう方。結婚出来る方?」をなるわけです。国際結婚手続きにおいて、これを法的に証明するのが「婚姻要件具備証明書」なのです。
証明証には「独身であって、かつ婚姻能力を有し相手方と結婚するにつき、日本国法上何等の法律的障害のないことを証明する」といった記載があります。
日本から先に結婚手続きを行う場合
まずマレーシア人の婚姻証明書を取得の準備行います。
マレーシア人の婚姻要件具備証明書を取得
イスラム教徒になる
イスラム教徒との結婚は、結婚の前に手続きを行いイスラム教徒となることが必要です。
日本にあるモスクでイスラム教徒となります。
イスラム教徒になるには、シャハーダ Shahādaという信仰告白を行います。モスクにおいて宗教指導者の面前で2名の証人のもとに
「わたしは『アッラーフ(神)の他に神はない』と宣言する。また、『ムハンマドがアッラーフの使徒である』ことも宣言する」をアラビア語で唱えることでイスラム教徒となります。
必要書類
あるモスクの例です。モスクによって異なります。モスクに予約の際に用意するものを確認してください。
・身分証明書(パスポート、免許証など)
・印鑑
・証明写真(3×4cm) 2枚ずつ
入信証明書が取得できます。
1週間くらいかかる所がありますので、こちらもモスクに発行までの日数を確認してください。
婚姻要件具備証明書の取得
日本にあるマレーシア大使館で婚姻要件具備証明書を取得します。お二人で訪問しなければなりません。
用意する書類
日本人が用意する書類
・身分証明書 パスポートなど ※
・戸籍謄本もしくは戸籍抄本
・住民票
・イスラム入信証明書※
・父親による結婚承諾書(女性の場合のみ)
マレーシア人が用意する書類
・パスポート ※
・マレーシアのIDカード ※
・出生証明書 ※
・マレーシアのイスラム宗教局:JAIS(State Religious Authority)が発行した海外での結婚許可証☆以下参照
・父親による結婚承諾書 (女性の場合のみ)
・結婚歴がある方は、離婚証明書あるいは死亡証明書※
またマレーシアではPre-Marriage Coursesの受講は結婚許可申請の条件となっていますが、外国人は対象となっていません。
※は原本を持参して提示します。
JAIS発行の海外での婚姻許可証☆マレーシア人の地元のイスラム宗教局で取得します。 地方のイスラム宗教局によって必要な書類が異なりますので居住地のイスラム宗教局に確認が必要です。 用意する書類お二それぞれ・パスポート ・写真 ・HIV検査結果診断書 日本人・入信証明書 マレーシア人・IDカード ・出生証明書 ・父親の結婚承諾書(女性の場合) |
日本側の婚姻手続き
日本の市町村役場に婚姻届を提出します。
用意する書類
- 婚姻届
- マレーシア人の 婚姻要件具備証明書
- その日本語訳文
- マレーシア人の方の国籍を証明する書類:出生証明書
- その出生証明書の日本語訳文
市町村役場によってマレーシア人について必要な書類が異なる場合がありますので、事前に市町村役場に確認してください。
マレーシア側の婚姻手続き
婚姻誓約式 Nikah
日本で婚姻届けを提出後にイスラム教での婚姻誓約式(ニカー)を行います。
当日持参する書類
東京ジャーミーの場合
・婚姻届受理証明書 :これがないと受け付けてもらえません。
・新婦と新郎の証明写真 各1枚(パスポートサイズ)
・新婦と新郎のパスポート
・イスラム教徒の男性二名の証人
立ち合いとなる証人の方と一緒に行きます。
ニカーを執り行った後、宗教的な結婚証明書を発行して、手続きが完了します。
報告的届出
マレーシア大使館で報告的届出を行い、婚姻証明書を取得します。
この後、マレーシアに訪問した時、イスラム宗教局(JAIS the State Religious Authority)を訪問して日本でイスラム教に従った結婚の報告を行います。
まとめ:マレーシアのイスラム教の婚姻手続
国際結婚の道は、多くの手続きと時間を要するものですが、その先には二人の新しい生活が待っています。
手続きの過程で、役所への申請や必要書類の準備には、想像以上の時間と労力が必要となることがあります。特に、異なる文化背景を持つマレーシアのイスラム教徒との婚姻手続きは、さらに複雑さを増します。これにより、ストレスや不安が生じることも少なくありません。
日本で共に暮らすためのビザ取得は、一層の注意と忍耐を要する作業です。既にビザをお持ちの方も、状況に応じてビザの変更が必要になることがあります。お二人の時間を大切に使いたい場合、専門家に任せてみるのも一つの良い選択肢だと思います。
配偶者ビザの手続き | フィラール行政書士事務所 (firstbase.info)
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 ファーストベース行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |
https://www.moj.go.jp/isa/index.html