マリッジライセンスとは?ロサンゼルス郡でアメリカ人と国際結婚する手続き

本文作成:ビザ専門の行政書士 山川 鬪志(申請取次行政書士・登録番号19082576)

ロサンゼルス郡でアメリカ人のパートナーと結婚することになった。まず何から始めればよいのか、そして日本に一緒に暮らすためには何をすればよいのか。この記事では、その両方を順番に整理します。

アメリカ側は、郡の窓口で結婚許可証(マリッジライセンス)を取り、挙式をして、婚姻登録証明書を受け取るという流れです。そのあと日本側へ婚姻届を出して、戸籍に反映されたところから配偶者ビザの手続きが始まります。

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ロサンゼルス郡で結婚するときの全体像

アメリカ方式で先に婚姻を成立させ、そのあと日本側に報告する流れになります。全体は次の4段階です。

婚姻手続きの全体像
1
結婚許可証取得
RRCCで取得
2
挙式する
許可証は90日有効
3
証明書の取得
RRCCで受取
4
日本側へ届出
総領事館/役場へ

③までがアメリカ側、④が日本側です。配偶者ビザの申請ができるのは、④が終わって戸籍に婚姻が記載されてからになります。

①結婚許可証(マリッジライセンス)を取得する

ロサンゼルス郡では、登録記録官・郡書記官事務所(Registrar-Recorder/County Clerk、略してRRCC)が結婚許可証を発行します。本庁舎はノーウォーク市にあり、郡内に支所があります。

結婚許可証を取得するまでの流れ
1
オンラインで申請書を作成する
RRCCのサイトで入力し、確認番号を受け取ります。
2
ふたりで窓口へ出向き、許可証を受け取る
おふたりそろっての出頭が必要です。オンラインだけでは完結しません。
3
90日以内に挙式する
資格のある司式者のもとで行います。聖職者、現職または退職した裁判官、結婚コミッショナー、市の事務員などです。
4
許可証をRRCCへ返却し、婚姻登録証明書を請求する
返却しただけでは証明書は届きません。返却時に必ず請求してください。

ライセンスは2種類あります。選び方に注意してください

カリフォルニア州には、公的(Public)と秘密結婚(Confidential)の2種類の結婚許可証があります。秘密結婚はカリフォルニア州が独自に設けている制度で、他州にはありません。国際結婚では、この選択が後々の証明書の取り寄せに関わってきます。

  公的(Public) 秘密結婚(Confidential)
婚姻としての効力 有効 同じく有効(違いはありません)
記録の扱い 公的記録となり、誰でもコピーを請求できます 非公開記録となります
証明書を取得できる人 一定の資格がある方 原則として夫婦本人のみ(第三者は裁判所命令が必要)
同居の要件 ありません 申請時に同居していること(宣誓書への署名で足り、証明書類は不要)
証人 必要です 不要です

秘密結婚許可証(Confidential)について

「秘密結婚」という訳語から特殊な婚姻を想像されるかもしれませんが、これはカリフォルニア州が独自に設けている制度で、婚姻記録を一般公開しないというだけのものです。婚姻そのものは公的許可証(Public)と同じ効力があり、日本の婚姻届でも配偶者ビザでも、有効な婚姻として扱われます。

ちがいは、記録が非公開になる点です。婚姻登録証明書のコピーを取得できるのは原則として夫婦本人に限られ、第三者が取得するには裁判所命令が必要です。しかも取得できるのは購入した郡の書記官事務所のみで、州の事務所からは取れません。

日本側の届出では証明書の原本を提出し、後から追加で取り寄せる場面もあります。そのとき本人でないと請求できないため、日本とアメリカに離れて暮らす期間があるご夫婦では手間になることがあります。同居の証明書類は不要で、申請時の署名で足ります。特別な理由がなければ、公的(Public)で問題ありません。

手数料について

結婚許可証、挙式、証人の手数料は、郡の判断で改定されることがあります。

公的と秘密結婚で手数料に大きな差はありません。最新の金額は、来庁前にロサンゼルス郡の郡書記官事務所のご案内でご確認ください。

提出先 ロサンゼルス郡登録記録官・郡書記官事務所(RRCC)
結婚許可証を取得するために用意するもの
写真付きの公的な身分証明書
パスポート、運転免許証、州発行のIDカードなど。有効期限内のものに限ります。
身分証明書の英訳
日本語表記のみの書類を使う場合に求められることがあります。
離婚歴・死別歴がある場合の証明書
直近の婚姻が終了している場合に、離婚判決の認証謄本などを求められることがあります。必要となる期間の考え方は郡によって異なりますので、事前にご確認ください。
手数料
支払方法は変更されることがありますので、来庁前に郡のご案内をご確認ください。
RRCC 結婚許可証の交付を受けるための書類です
日本人の方が用意するもの 
アメリカ人の方が用意するもの 
おふたりに共通するもの

②挙式のあと、婚姻登録証明書を受け取る

挙式が済んだら、司式者が結婚許可証に必要事項を記入し、RRCCへ返却します。ここで大切なのは、返却しただけでは婚姻登録証明書(Marriage Certificate)は自動的に送られてこないということです。返却の際に、証明書の送付をあわせて請求してください。

なお、この婚姻登録証明書は日本側の届出で原本を1部提出しますので、1通だけだと手元に残りません。配偶者ビザや将来の永住・帰化の手続きでも使いますので、渡米中に複数通を取っておくと後が楽です。

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③日本側へ婚姻届(報告的届出)を提出する

アメリカで婚姻が成立したら、日本の戸籍に反映させるための届出が必要です。これを報告的届出といいます。すでに婚姻は成立していますので、この届出によって結婚するわけではなく、成立した事実を日本に報告する手続きです。

提出先は次のいずれかです。

  • 在ロサンゼルス日本国総領事館(管轄は南カリフォルニアおよびアリゾナ州です)
  • 本籍地の市区町村役場

戸籍に反映されるまでの期間

在ロサンゼルス日本国総領事館は、書類を受理してから戸籍に記載されるまでおよそ1か月半から2か月かかるとしており、お急ぎの方には本籍地の市区町村役場へ直接郵送することを勧めています。

配偶者ビザの申請には婚姻が記載された戸籍謄本が必要ですので、日本での同居を早く始めたい場合は、本籍地役場へ直接送る方法をご検討ください。当面アメリカで暮らす予定であれば、書類の様式や和訳の記入例がそろっている総領事館経由でも差し支えありません。

なお、本籍地役場は届出人に対して戸籍への記載が完了した旨を通知する義務がありません。総領事館も記載状況を確認することができないとしています。頃合いを見て、ご自身で本籍地役場の戸籍係へ直接お問い合わせください。

提出先 在ロサンゼルス日本国総領事館 または 本籍地の市区町村役場
日本側へ婚姻届を出すために用意するもの
婚姻届書(2部)
外務省のホームページからダウンロードできます。総領事館から郵送で取り寄せることもできます。
日本旅券のコピー(顔写真ページ)
米国の滞在資格を確認できる書類のコピー
グリーンカード、ビザなど。
国籍を証明する書類(原本1部・コピー1部)
婚姻当時に有効な旅券のコピーを当地の公証人が原本認証したもの、または米国出生の場合は出生証明書の原本です。
国籍を証明する書類の和訳文
総領事館が旅券用・出生証明書用それぞれの様式と記入例を用意しています。
カウンティが発行した婚姻登録証明書(原本1部・コピー1部)
原本を提出します。手元に残しておきたい場合は、複数通を取得しておいてください。
婚姻登録証明書の和訳文
こちらも総領事館の様式と記入例があります。
インフォメーションシート
総領事館 / 本籍地役場 アメリカで成立した婚姻を日本の戸籍に記載するための書類です

なお、令和6年4月1日から、在外公館で婚姻届などの届出を行う場合、戸籍謄本の提出は原則として不要になりました。ただし届書に正しい本籍情報が記載されていないと受理までに時間がかかりますので、事前に本籍地を正確に確認しておいてください。

総領事館へ出す場合、届出書の提出は現在郵送でのみ受け付けており、窓口へ持参することはできません。郵送物の紛失事案が発生しているため、総領事館はトラッキングナンバー付きで送ることを勧めています。婚姻登録証明書の原本を送ることになりますので、この点は守ってください。

姓を配偶者の氏に変更する場合は6か月以内です

外国人配偶者の氏に戸籍上の姓を変更したい場合は、「外国人との婚姻による氏の変更届」を婚姻後6か月以内に提出する必要があります。この期限を過ぎてから変更を希望する場合は、日本の家庭裁判所の許可が必要になります。

後から変更しようとすると手間が増えますので、姓をどうするかは婚姻届と同じタイミングで決めておくとよいと思います。

婚姻要件具備証明書は必要ですか

「アメリカ人と結婚するには婚姻要件具備証明書が要る」「2025年9月に在日米国大使館の公証が廃止された」といった話を目にされて、不安に思われた方もいらっしゃると思います。

結論から申し上げますと、この記事のようにアメリカで先に婚姻を成立させる場合、婚姻要件具備証明書は必要ありません。日本側は報告的届出になりますので、代わりに婚姻登録証明書を提出します。

婚姻要件具備証明書が問題になるのは、日本で先に婚姻届を出す場合です。日本先行をお考えの方は、アメリカ人の婚姻要件具備証明書|大使館の公証廃止後の代わりの書類と役所対応をご覧ください。

婚姻が成立したあと、配偶者ビザの申請へ

戸籍に婚姻が記載されたら、アメリカ人配偶者が日本で暮らすための在留資格「日本人の配偶者等」、いわゆる配偶者ビザの申請に進みます。

海外にお住まいの配偶者を日本に呼び寄せる場合は、まず日本側で在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行い、交付された証明書をアメリカへ送って、現地の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)の申請をする、という流れになります。

審査では、婚姻の信ぴょう性と、日本での生活の安定性が見られます。国際結婚のご夫婦は、交際の経緯や同居の状況がご夫婦ごとに大きく異なりますので、何をどう説明するかで結果が変わることがあります。

必要書類や審査期間、不許可になりやすい点については、配偶者ビザ申請ガイド|必要書類・流れ・審査期間・不許可を避けるポイントで詳しくご説明しています。

よくあるご質問

Q1. アメリカ市民でなくても、ロサンゼルス郡で結婚できますか

できます。ロサンゼルス郡では、市民権や居住地の要件はありません。カリフォルニア州に住んでいなくても、日本から渡米して結婚許可証を取得することが可能です。

Q2. 結婚許可証を取ったその日に式を挙げられますか

郡の窓口での挙式については、許可証を購入した当日には行っていないと案内されています。挙式の予約は別途必要になりますので、渡米の日程を組む際はご注意ください。なお、資格のある司式者にお願いする場合は、許可証の有効期限である90日以内であれば日程は自由です。

Q3. 結婚に血液検査は必要ですか

必要ありません。以前はカリフォルニア州でも婚姻前の血液検査が求められていましたが、この要件はすでに廃止されています。現在は血液検査や健康診断書なしで結婚許可証を取得できます。

Q4. 婚姻届は総領事館と役場のどちらに出すべきですか

日本で早く一緒に暮らし始めたい場合は、本籍地の市区町村役場へ直接郵送されることをお勧めします。総領事館経由では、戸籍に記載されるまで1か月半から2か月ほどかかり、その間は配偶者ビザの申請を始められないためです。急いでいない場合や、書類の確認を受けたい場合は総領事館という選び方になります。

Q5. 婚姻登録証明書は何通取ればよいですか

日本側の届出で原本を1部提出しますので、最低でも2通は必要とお考えください。配偶者ビザ、将来の永住許可申請や帰化許可申請でも婚姻を証明する場面がありますので、渡米中に余裕をもって取得しておかれると安心です。

Q6. 婚姻届は日本語で書きますか

婚姻届書は日本語で記入します。添付する婚姻登録証明書や国籍を証明する書類には和訳文が必要です。在ロサンゼルス日本国総領事館が和訳の様式と記入例を用意していますので、それに沿って作成できます。欄ごとの書き方は国際結婚の婚姻届の書き方と記入例で詳しく解説しています。

Q7. オレンジ郡で結婚する場合も同じですか

日本側の手続きは同じです。在ロサンゼルス日本国総領事館の管轄は南カリフォルニアおよびアリゾナ州ですので、オレンジ郡にお住まいの方も同じ総領事館へ提出することになります。アメリカ側の窓口と手数料は郡ごとに異なりますので、アメリカ人との国際結婚|カリフォルニア州オレンジ郡で婚姻手続をご覧ください。

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行政書士 山川鬪志 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部
登録番号 19082576
専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請
保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー

当事務所は、新宿区・高田馬場の行政書士事務所です。配偶者ビザ、特定技能など就労(働く)ビザ、永住・帰化申請を専門に、全国オンライン対応でサポートしています。

法務省出入国在留管理庁外務省の公開情報等に基づき作成

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