ウクライナ人との国際結婚|手続きと必要書類、アポスティーユも解説

この記事の執筆者:行政書士 山川鬪志(フィラール行政書士事務所 代表・登録番号19082576・申請取次行政書士)

Beautiful young Ukrainian woman dressed in a blue embroidered dress with a large beautiful floral wreath on her head holds a dried flower in her hands and looks at the cameras.

ウクライナ人との国際結婚を決めたものの、「どこから手を付ければいいのか」と感じる方は少なくありません。日本とウクライナの両国で婚姻を成立させる必要があるうえ、書類の翻訳・アポスティーユ認証など、日本人どうしの婚姻とは異なる準備が必要になります。

この記事では、①日本から先に婚姻手続きを進める場合(日本先行)②ウクライナ側から先に結婚手続きを進める場合(ウクライナ先行)の2パターンを、フロー図と必要書類一覧でわかりやすく解説します。

日本で暮らすために必要な配偶者ビザの申請について、質問書に記載する出会いのきっかけ(SNS・マッチングアプリ・結婚相談所)についての注意点はこちらの記事で詳しく解説しています。

将来を見据えて、配偶者ビザ申請を進めたい方へ
国際結婚に関する在留手続きは、現在の許可取得だけでなく、その後の更新・永住申請まで視野に入れた準備が重要になります。
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ウクライナ人の結婚可能年齢と婚姻要件

男女ともに18歳です。以前は女性の結婚可能年齢は17歳でしたが、2012年3月15日法律第4525-VI号により改正されました。また16歳に達した方は、請求をおこない裁判所の判決によって婚姻する権利が認められます。

(出典:Article 22. Age of consent:FAMILY CODE OF UKRAINE of January 10, 2002 No. 2947-III (as amended on 26-01-2022))

ウクライナには再婚禁止期間はありません。離婚判決文(Marriage Dissolution Certificate)を受け取り次第、再婚が可能です。

日本先行で婚姻手続きを進める場合

ウクライナ人のパートナーが日本にいる場合、または来日できる場合に適した方式です。在日ウクライナ大使館での手続きから始まります。

1
在日ウクライナ大使館で婚姻要件具備証明書を取得
ウクライナ人本人が在日ウクライナ大使館領事部に予約のうえ申請します。事前に領事手数料の振込が必要です。振込明細書の原本を申請時に持参します。

必要書類

ウクライナ人 パスポート(原本・コピー)
ウクライナ人 ウクライナ内国用パスポート(身分証明書)のコピー
ウクライナ人 在留カードのコピー
ウクライナ人 婚姻歴がある方:離婚証明書・死亡証明書・裁判所判決書など
申請書・手数料・振込先は在日ウクライナ大使館公式サイトで事前に確認してください。

2
市区町村役所で婚姻届を提出
二人で区市町村役所の窓口に婚姻届を提出します。

必要書類

二人 婚姻届出書(記入済)
日本人 本人確認書類
ウクライナ人 パスポート・在留カード
ウクライナ人 出生証明書
ウクライナ人 婚姻要件具備証明書(STEP1で取得)+日本語訳

3
婚姻届受理証明書・戸籍謄本を取得
日本人婚姻届が受理されたら、婚姻届受理証明書を取得します。戸籍謄本への記載は通常1週間程度かかります。

4
在日ウクライナ大使館で婚姻の報告的届出
二人で在日ウクライナ大使館に出頭し、日本で成立した婚姻の報告的届出を行います。これでウクライナ側での婚姻登録も完了します。

必要書類

日本人 婚姻届受理証明書
日本人 戸籍謄本(ウクライナ人との婚姻が記載されたもの)
二人 パスポート
提出書類の詳細は事前に在日ウクライナ大使館公式サイトでご確認ください。

5
日本・ウクライナ両国での婚姻手続き完了
取得したウクライナの結婚証明書は配偶者ビザ申請の際に必要になります。大切に保管してください。


日本人のフィアンセとSNSで国際結婚についてチャットしているウクライナ女性の画像イメージ

手続きで使うウクライナ語

結婚証明書:Свідоцтво про шлюб в Україні

市民登記所(DRACS/RACS):РАЦС(відділ реєстрації актів цивільного стану)

婚姻登録:Реєстрація шлюбів

婚姻要件具備証明書:Засвідчення заяви(в посольстві України в Японії)

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2022年2月にロシアがウクライナへの侵略開始以来、ウクライナ国内で武力衝突が現在も続いています。日本国外務省からの危険情報ではレベル4の退避勧告と渡航をやめるように言われています。渡航は困難ですので、ウクライナ方式での婚姻(ウクライナを訪問して結婚手続きを進める)ことは事実上不可能です。

この記事は、再び平穏な状態にウクライナが戻り、早く平和が訪れることを祈念して、戦争状態前の手続きを記録しています。戦時下でのウクライナ訪問を推奨しているものではありません。

ウクライナ先行で婚姻手続きを進める場合

ウクライナ在住のパートナーと手続きを進める場合に選択されるケースで多い進め方です。日本人の書類には翻訳文やアポスティーユ取得が必要になります。

アポスティーユとは

アポスティーユとは、日本の公文書を外国の公的機関に提出する際に必要な外務省による公証です。ウクライナはハーグ条約(1961年)の加盟国であるため、ウクライナの機関に日本の書類を提出する場合はアポスティーユで足ります(領事認証は不要)。

アポスティーユ取得先外務省本省(東京)または大阪分室の窓口・郵送で申請できます。

1
日本人の書類にアポスティーユを取得・翻訳認証
日本人外務省でアポスティーユを取得します。その後、ウクライナ語への翻訳と公証が必要です。

対象書類

日本人 婚姻要件具備証明書 アポスティーユ必要
日本人 戸籍謄本 アポスティーユ必要
日本人 パスポート(コピー)
翻訳について
ウクライナの役所などに日本で発行された書類(婚姻要件具備証明書など)を提出する場合は、日本の外務省のアポスティーユに加えて、在日ウクライナ大使館での翻訳認証が必要となります。アポスティーユを含む書類全体のウクライナ語への翻訳が必要です。

2
ウクライナ市民登記所(DRACS)に婚姻申請
二人で市民登記所(DRACS:国家民事身分登録機関)に婚姻申請書を提出します。結婚の登録時には新郎新婦の出席が必須です(FAMILY CODE OF UKRAINE 第34条)。

ウクライナ人の必要書類

ウクライナ人 ウクライナのパスポート
ウクライナ人 身分証明書
ウクライナ人 納税者記録カード登録番号(TIN)
ウクライナ人 婚姻歴がある方:離婚証書・裁判所決定書・死亡証明書など
申請後の婚姻登記まで通常1ヶ月の待機期間があります。外国人との婚姻で正当な理由がある場合は短縮申請が可能です(6〜10営業日程度)。
なお、2016年7月からウクライナでは「1日結婚(Marriage for a day)」サービスが導入されています。現在もこの制度は継続しており、2026年にはDiiaを利用したオンライン婚姻も急速に普及しています。ただしこれらのサービスはいまのところ国際結婚は対象外です。

3
結婚証明書の取得
ウクライナ人婚姻登記が完了すると結婚証明書(Свідоцтво про шлюб)が発行されます。これでウクライナ側での婚姻は完了です。日本での手続きに使用するため、ウクライナ外務省での認証と日本語訳の作成が必要です。
結婚証明書の和訳は翻訳機関等で作成します。

4
日本の市区町村役所で婚姻届を提出
日本人婚姻成立日より3ヶ月以内に届け出が必要です。

必要書類

二人 婚姻届
日本人 戸籍謄本
二人 パスポート
ウクライナ人 結婚証明書+日本語訳

5
日本・ウクライナ両国での婚姻手続き完了
取得したウクライナの結婚証明書は配偶者ビザ申請の際に必要になります。大切に保管してください。

配偶者ビザ申請へのステップ

両国での婚姻手続きが完了したら、次のステップは配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の申請です。申請書類の準備や審査のポイントについてはこちらをご参照ください。

よくある質問

日本先行とウクライナ先行、どちらを選べばいいですか?

ウクライナ人のパートナーが日本在住、または来日できる場合は日本先行方式が手続き上シンプルです。ウクライナに在住している場合はウクライナ先行か、相手を短期滞在ビザで日本に招聘したうえで日本先行で進める方法を検討します。状況によって最適な方法が異なりますので、事前にご相談ください。

アポスティーユはどこで取得できますか?

外務省本省(東京)または外務省大阪分室で取得できます。郵送申請も可能です。対象書類は婚姻要件具備証明書・戸籍謄本などです。アポスティーユ取得後、在日ウクライナ大使館での翻訳認証が必要になります。

ウクライナでの婚姻登記にはどのくらいの期間がかかりますか?

通常、申請から婚姻登記まで約1ヶ月の待機期間があります。外国人との婚姻で正当な理由がある場合は短縮申請が可能で、6〜10営業日程度に短縮されるケースがあります。

婚姻手続きが完了したら、すぐに配偶者ビザを申請できますか?

はい、両国での婚姻手続きが完了すれば配偶者ビザの申請が可能です。ただし、出会いのきっかけや交際経緯によっては審査で追加の立証資料が求められる場合があります。準備を進める前に専門家にご相談されることをお勧めします。

関連記事

この記事に記載の必要書類・手続きは、制度変更・窓口・地区によって異なる場合があります。日本側・ウクライナ側いずれの手続きも、準備を始める前に各役所・大使館・領事館の最新情報を必ずご確認ください。

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行政書士山川鬪志の写真 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士連合会 東京都行政書士会 新宿支部
登録番号:19082576
専門業務:ビザ・帰化申請
申請取次行政書士・認定コンプライアンスオフィサー

法務省出入国在留管理庁外務省の公開情報等に基づき作成

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