(2024年8月更新)
国際結婚の日本側の婚姻手続きについて、日本人どうしの婚姻手続きと異なり提出先ひとつとっても、悩んでしまうことがあるのではないでしょうか。
婚姻届はどこへ提出するか
市区町村役場です。といってしまえばこれで終わってしまいます。では買い物ついでに、隣町の市役所とか会社の昼休みに勤務先の最寄りの区役所に届け出ることはできないのでしょうか。
婚姻届 届出地はどこなのですか
各自治体の婚姻届に関する提出先の表記について見てみましょう。(調査2020年)
相模原市 | 婚姻する人の本籍地または所在地(一時滞在地を含む)を所管する区のいずれか1カ所 |
市川市 | 住所地、所在地の市区町村役場 |
千葉市 | 届出人(当事者である夫と妻)の本籍地、または所在地の区役所市民総合窓口課・市民センター |
東京都中央区 | 夫の本籍地または住所地(所在地)
妻の本籍地または住所地(所在地) |
東京都渋谷区 | 届出は、夫になる人・妻になる人どちらかの本籍地または所在地の市区町村役所・役場に行います。 |
東京都新宿区 | 夫または妻の本籍地もしくは所在地(住民登録地) |
東京都北区 | 夫または妻の本籍地の区市役所・町村役場
夫または妻の所在地の区市役所・町村役場 |
東京都豊島区 | 夫になるかたまたは妻になるかたの本籍地または所在地の区市町村 |
東京都中野区 | 夫または妻の本籍地、もしくは所在地の区市町村 |
東京都江東区 | 夫または妻の本籍地あるいは住所地(所在地)の区市役所・町村役場 |
東京都品川区 | 夫または妻の本籍地
夫または妻の所在地 |
東京都大田区 | 次のいずれかの区市町村で届出ができます。
夫になる方又は妻になる方の本籍地 夫になる方又は妻になる方の住所地 |
東京都目黒区 | 夫または妻の本籍地あるいは所在地の区市町村の戸籍係 |
東京都葛飾区 | 夫または妻の本籍地
夫または妻の所在地 のいずれかの区市町村役場 |
東京都文京区 | 夫、妻の本籍地又は所在地の市区役所・町村役場の戸籍窓口 |
東京都千代田区 | 夫または妻の本籍地あるいは所在地の区市町村の戸籍係
千代田区は末尾記載の※参照 |
東京都台東区 | 夫妻どちらかの住民登録地または
夫妻どちらかの本籍地の市区町村窓口 |
東京都荒川区 | 夫または妻の本籍地
夫または妻の所在地 上記いずれかの市区役所・町村役場 |
東京都足立区 | 夫または妻の本籍地あるいは所在地の区・市役所、町村役場 |
東京都世田谷区 | 夫または妻の本籍地あるいは所在地の区市役所・町村役場 |
横浜市 | 夫になる人と妻になる人の「本籍地」、もしくは「所在地(住所地)」の区役所(市町村) |
神奈川県大和市 | 1.夫または妻の本籍地
2.夫または妻の所在地 上記のいずれかの市区町村役場 |
神奈川県横須賀市 | 夫または妻になる方の本籍地、所在地(住所地)のいずれかの市区町村役場 |
神奈川県川崎市 | 住所地・本籍地 |
千葉市 | 届出人(当事者である夫と妻)の本籍地、または所在地の区役所市民総合窓口課・市民センター
「所在地」とは、住所地のほか、旅行先などの一時滞在地も含みます。「所在地」とは、住所地のほか、旅行先などの一時滞在地も含みます。 |
市川市 | 住所地、所在地の市区町村役場 |
大阪府大阪市
|
夫あるいは妻の本籍地又は所在地、または挙式場所、旅行等の訪問地、勤務地等の一時滞在地(大阪市総合コールセンター) |
北海道美瑛町 | 婚姻届は一般的に夫・妻の本籍地または住所地で届出をすることとなりますが、その他にも結婚式を挙げたところ、旅行などで訪れた一時滞在地でも届け出ることができます。
美瑛町へ新婚旅行や結婚式を挙げるため訪れた場合、届出人の一時滞在地として受付することとなります。 |
京都府京都市 | 所在地とは,住所地に限らず一時的な滞在地を含みます。例えば,本籍も住民票も京都市にない場合でも,京都市内のホテルで結婚式を挙げられる場合等は,そのホテルがある区の区役所に届け出ることができます。 |
沖縄県 恩納村 | 夫もしくは妻の本籍地・夫または妻の所在地の役場
リゾートウェディングとして宿泊ホテルのある市町村において一時滞在地としての届け出をすることができます |
(2020年10月現在公開されている各自治体のサイトから引用)
婚姻届けが提出できるのは、「本籍地」もしくは「所在地」と記載している自治体が23区では多いですね。
所在地とは
では「所在地」とは何でしょうか。詳しく記載している自治体もありますね。
その前に、婚姻届に関する法律を確認しましょう。
戸籍法
日本国の戸籍法では以下のように規定されています。
婚姻届は当事者の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。(戸籍法25条1項)
4つの提出先
つまり法律から、婚姻届けの提出先は大きく4つにわかれることになります。
- 夫の本籍地
- 夫の所在地
- 妻の本籍地
- 妻の所在地
もう一度民法で確認してみましょう。
「婚姻届は当事者の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない」
「本籍地」または「届出人」の所在地となっています。
所在地とは
「届出人」は夫または妻となる方です。
では「所在地」とは……
届出人の所在地には、一時滞在地も含みます。
住所地だけではなく、居所や一時滞在地も含まれるのです。
なんだか、ややこしくなってきましたね。
まず、住所地と居所について分けましょう。
- 住所地 生活の本拠としている所(民法22条) 住民登録をしている所
- 居所 生活の本拠ではないものの、今そこで生活している所
単身赴任などで暮らしているところが居所になります。
ざっくり、このような違いです。
一時滞在地
では、一時滞在地とは、どういったところでしょうか。
まさしく、実家やホテルなど一時的に滞在する場所なのですね。
整理してみましょう
所在地 | 住所地 |
居所 | |
一時滞在地 |
こんな区分けととなります。
先ほどの婚姻届けの提出先で、23区の場合多くの自治体が
「住所地」「所在地」という記載だけでした。なんだかややこしく感じるますね。何だか住民登録をしている場所と混同してしまいそうですね。
ところが、結局のところ婚姻届けは出そうと思えば日本国内のどの自治体にも提出は可能という事になりますね。
国際結婚の場合の婚姻届について
どこへ出してもいいとは言え、国際結婚に関しての婚姻届けにあまり事例がなく慣れていない自治体もあります。
提出書類が異なる場合もあります。特に婚姻要件具備証明書が何らかの事情で出せない場合、代わりの書類で受理いただけるかは確認が都度必要です。
当事務所でこれまで数多くの自治体と確認していますが、自治体を管轄する法務局によっても、判断が異なる場合があるようです。
国際結婚の場合は婚姻届けを出す前に提出予定の自治体と事前に相談することは特に重要です。
特に法務局などに確認などがあるなどの場合、どこに出しても良いとはいっても非常に役所の負担がかかります。地域の住民へのサービスが優先するとweb上で記載している自治体もあります。
婚姻届けのあとの戸籍謄本などの取得に時間がかかる場合もありますのでよく提出する市区町村役場とご相談することが大切です。
配偶者ビザの手続き | フィラール行政書士事務所 (firstbase.info)
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部所属 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー
|
https://www.moj.go.jp/isa/index.html