中国人が離婚後に再婚したときの配偶者ビザ更新|届出から申請までを行政書士が解説


最終更新:2026年7月更新 / 執筆:行政書士 山川鬪志(フィラール行政書士事務所 代表)

配偶者ビザ(日本人の配偶者等)で日本に暮らしている中国人の方が、離婚を経て新しいパートナーと再婚する——このとき、「いま持っている在留資格はどうなるのか」「次に何をすればいいのか」で不安を感じる方は少なくありません。

実は、つまずきやすいのはあらたな婚姻の届出そのものよりも、入管に対して現在の配偶者ビザについて、これからどんな手続きが必要かという部分です。
離婚した時点で必要になる届出、放っておいた場合の在留資格の取消し、そして再婚後の在留期間更新許可申請——
ここを問題なく進められるかどうかが、今後の日本での生活を左右する可能性があります。

この記事では、ビザ(在留資格)の手続きの流れに絞って、離婚時の届出から再婚後の更新申請、再婚のときに特に確認されるポイントをQ&A形式で整理します。
中国側・日本側の婚姻手続き(証明書の取り方など)の詳細は離婚歴のある中国人と再婚するときの婚姻手続きにまとめていますので、あわせてご覧ください。

この記事でわかること

離婚したときに入管へ必要な「配偶者に関する届出」(14日以内)
離婚後、配偶者としての活動をしないまま6ヶ月経つと生じる取消リスク
再婚後の在留期間更新許可申請の進め方と必要書類
再婚のとき、離婚から再婚までの期間が短い場合に注意したいこと
前婚の子ども(連れ子)を日本へ呼ぶ場合の在留資格の考え方

離婚したとき、配偶者ビザはどうなるのか

Q. 配偶者ビザを持つ中国人が離婚したら、ビザはすぐに無効になりますか?

離婚した瞬間に在留資格が自動的に失効する、ということはありません。在留カードに記載された在留期限までは、在留資格そのものは残ります。

ただし、離婚後は次の2点に注意が必要です。放置すると在留に支障が出ることがあります。

やること 期限・目安
配偶者に関する届出(入管への離婚の届出) 離婚した日から14日以内
再婚の予定を踏まえた在留の見直し できるだけ早く(6ヶ月が一つの区切り)

Q. 「配偶者に関する届出」とは何ですか?

「日本人の配偶者等」など、配偶者としての身分にもとづく在留資格を持つ方が、離婚または死別した場合には、その事実を出入国在留管理庁へ届け出る義務があります(出入国管理及び難民認定法 第19条の16)。届出の期限は離婚した日から14日以内です。

届出は、地方出入国在留管理官署の窓口に持参するほか、郵送、または電子届出システムからも行えます。難しい書類は不要で、届出書に必要事項を記入して提出する形です。

この届出を正当な理由なく行わなかったり、事実と異なる届出をしたりすると、その後の在留期間更新などの手続きで不利にはたらくことがあります。手間のかかるものではありませんので、忘れずに済ませておきましょう。

なお、届出は電子届出システムを利用してオンラインで行えるほか、窓口への持参や郵送でも受け付けています。いずれの方法でも、期限は離婚した日から14日以内です。また、この届出が必要になるのは離婚が「成立した時点」ですので、離婚調停中の段階では届出義務は生じません。ただし成立後14日以内という期限がありますので、離婚が確定したら速やかに手続きしてください。

Q. 離婚後6ヶ月で在留資格が取り消されると聞きましたが、本当ですか?

「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ方が、正当な理由がないのに、配偶者としての活動を継続して6ヶ月以上行わないで在留している場合、在留資格の取消しの対象になり得ます(同法 第22条の4第1項第7号)。離婚後、配偶者としての実態がないまま長く経過すると、この規定に該当していく、というイメージです。

この「正当な理由」は法律上の文言ですが、具体的に何が該当するかを列挙した条文はなく、個々の事情に応じて判断されます。実務上は、離婚後に別の在留資格への変更を準備している、再婚に向けて具体的に動いている、といった事情が説明材料になり得ると考えられます。逆に、何の手続きもとらずに時間だけが過ぎていくと、在留の実態について説明がつかなくなっていきます。

再婚の予定がある方は、この6ヶ月を一つの区切りと考え、離婚後は早めに次の手続きへ動き出すことをおすすめします。

将来を見据えて、配偶者ビザ申請を進めたい方へ
国際結婚に関する在留手続きは、現在の許可取得だけでなく、その後の更新・永住申請まで視野に入れた準備が重要になります。
当事務所では、永住申請を視野に入れたサポートを行っています。
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再婚したときのビザ手続き

Q. 再婚したら、いまの配偶者ビザはそのまま継続できますか?

新しい配偶者との婚姻が成立したら、次の更新時(今の在留期限の三カ月前から申請可能)に、新しい日本人の配偶者での在留期間更新許可申請を、行う必要があります。
申請書は更新ですが、新しい日本人配偶者との関係性を示す書類を提出しますのでほぼ新規の申請と準備する書類は同じです

手続きの順序としては、まず新しい配偶者との婚姻を中国側・日本側の双方で成立させ、その婚姻を証明する書類を整えたうえで、在留期間満了のおよそ3か月前に更新申請を行えるように準備を行います。
婚姻手続きそのものの流れや必要書類は離婚歴のある中国人と再婚するときの婚姻手続きで詳しく解説しています。

なお、この記事は「日本人と再婚する場合」を前提にしています。
再婚相手が日本人ではなく別の外国籍の方の場合は、「日本人の配偶者等」ではなく、相手の在留資格に応じた別の在留資格(家族滞在など)を検討することになり、真正手続きの内容やタイミングが変わります。この場合は個別にご相談ください。

Q. 再婚後の更新申請は、初回より書類が軽く済みますか?

いいえ。むしろ初回の申請と同じくらいの立証が求められるとお考えください。入管にとって、新しい配偶者との関係は「初めて見る関係」だからです。すでに配偶者ビザを持っているからといって、簡単な更新で通るわけではありません。

再婚後の更新申請で一般的に必要になる主な書類は次のとおりです。

書類 ポイント
在留期間更新許可申請書 所定様式に記入
質問書 再婚に至った経緯・交際の流れを記載
新しい配偶者との婚姻を証明する書類 戸籍謄本・結婚公証書(中国側)など
交際・生活の実態を示す資料 写真・やり取りの記録・同居の状況など
日本人配偶者の住民票・収入を示す資料 住民票(世帯全員)・課税証明書など

※実際に必要な書類は、離婚から再婚までの経緯やご夫婦の状況によって変わります。上記は代表的なものであり、ケースに応じた追加で資料を用意します。

再婚のとき、確認されやすいポイント

Q. 再婚のときは、どんなところが厳しく見られますか?

再婚のケースで丁寧に見られるのは、その再婚が真実の結婚であるかどうかという点です。
前婚の離婚と今回の再婚が近い時期にあると、経緯についてより詳しい説明を求められることがあります。
次のような事情があると、真実性の説明をしっかり用意しておく必要があります。

丁寧な説明が求められやすい事情
離婚から再婚までの期間が短い
交際期間が短いまま婚姻に至っている
前婚期間に交際期間が重なっている
前婚も含めて離婚・再婚を繰り返している

これらはいずれも「該当したら許可されない」というものではありません。大切なのは、時系列を正直に整理し、なぜこの時期にこの相手と再婚したのかを、資料とともに合理的に説明できることです。
事実を隠したり、つじつまを合わせようとした説明は、かえって信頼を損ないます。

Q. 離婚してすぐ再婚した場合、不利になりますか?

離婚から再婚までの期間が短いこと自体が、直ちに許可を妨げるわけではありません。人生の事情はさまざまで、短期間で再婚に至ることも現実にあります。

ただし、期間が短いほど「本当に生活を共にする結婚なのか」という点について、より具体的な説明が期待されます。
出会いから再婚までの流れ、離婚に至った事情、これからの生活設計などを、時系列に沿って整理しておくと、更新申請の際に落ち着いて臨めます。

当事務所でも、離婚後すぐの再婚で許可を得られた事例があります。
期間の短さそのものよりも、経緯を正直に整理し、資料とともに合理的に説明できるかどうかが結果を左右します。

Q. 前の結婚が続いているうちに知り合った相手との再婚(いわゆる不倫からの再婚)は、配偶者ビザで不利になりますか?

日本では不貞行為は当事者間の民事上の問題ではありますが、それとは別に、前婚と交際が重なる再婚については厳しめに見られやすく、その前提は最初に踏まえておく必要があります。

遊び心での不倫とは言えないまでも、交際が始まった時期が前の結婚の解消前と重なっている場合、更新申請での説明により丁寧さが求められます。前婚・新しい交際・離婚・再婚それぞれの時期に重なりがあると、「前の結婚がいつ、どのような事情で解消に至ったのか」「今回の再婚が真実で継続的な生活を伴うものか」を、資料とともに順を追って示す必要が出てきます。

前婚の解消前に交際が始まっていた背景には、さまざまな事情があります。
前の結婚がすでに実質的に破綻していた、といったやむを得ない経緯のなかで新しい出会いがあった、というケースは少なくありません。そうした事情があるのであれば、それを隠さず正直に伝えたうえで、今回の結婚が真正な気持ちにもとづくもので、これから続いていく実体のある結婚であることを、具体的な事実と資料で示していくことが大切です。

逆に言えば、更新申請で力を持つのは巧みな言い回しではなく、二人の生活の実体そのものです。
実際に一緒に暮らし、これからの人生を共にしようとしている——その事実の積み重ねが、真正さを示すうえで何よりも重要になります。

経緯を隠したり、つじつまを合わせるために実際と異なる時系列をつくったりすることは絶対に避けたいことです。
前婚の離婚届の受理日や新しい婚姻の成立日などは戸籍等の書類から容易に照合され、事実と合わない説明はかえって信頼を損ないます。
前の配偶者との慰謝料などの係争が続いている場合も、それ自体が在留資格の判断に直結するわけではなく、隠す必要はありません。

当事務所でも、交際の始まりが前婚の解消前と重なっていたケースで許可を得られた事例があります。
事実を正直に整理し、二人の結婚が真剣なものであることを合理的に説明できるよう準備しておくことが、結局は近道になります。

前婚の子ども(連れ子)を呼び寄せたい場合

再婚を機に、中国にいる前婚のお子さん(連れ子)を日本へ呼び寄せたいというご相談も多くいただきます。
この場合、お子さん自身の在留資格として、配偶者ビザとは別に「定住者」などが検討されます。
中国では離婚後も父母双方が子どもに対する権利義務を負うため、離婚協議書・監護権に関する資料・必要に応じてもう一方の親の同意書など、親権を踏まえた準備が実務上重要になります。

この点は在留資格も必要書類も配偶者ビザとは別系統の論点となるため、別記事で詳しく解説します(連れ子の呼び寄せをご検討の方は、お気軽にご相談ください)。

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行政書士 山川鬪志 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士会連合会 東京都行政書士会新宿支部所属
登録番号 19082576
専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請
保有資格:申請取次行政書士
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