(2024年6月更新)
スリランカの方が日本で暮らす配偶者ビザなどの在留資格申請サポートを行っている東京・新宿区・新宿2丁目にあるフィラール行政書士事務所が解説します。
スリランカの方との御婚約おめでとうございます。スリランカの婚姻手続きは日本を先に進める場合、準備する資料が比較的多いので計画的に進めていく必要があります。
いろいろとWebをご覧になっていると思います。ひとりで調べていくと、手続きが思った以上に大変だと感じていらっしゃるかもしれませんね。どちらの国で結婚手続きを進めるにしても、多くの準備が必要で、調べるほどに面倒だなと感じることもあるでしょう。
でも、ご安心ください。手続きに慣れた専門家が丁寧にポイントを押さえた記事を順を追って確認していけば、きっとスッキリ理解が深まると思います。
では、婚姻手続きについて、日本が先行して行う場合とスリランカから先に行う場合、それぞれの手続きの流れを詳しくご説明いたしましょう。
婚姻要件具備証明書とは
婚姻手続きについて重要な書類です。国際結婚の手続きを進める時に、まず準備を考えなくてはならない書類が「婚姻要件具備証明書」です。「何それ?」と疑問に思う方もきっといらっしゃるかと思います。確かになかなか聞くことがない書類だと思います。お互いが日本人の場合は、婚姻届を書いて役所に提出すると、婚姻手続きは完了しますが、国際結婚となると話が違ってきます。
日本人の方は戸籍謄本をみれば、結婚の要件が役所の方にも容易に判断がつきますが、いきなり外国の方が婚姻届をもって役所に行っても役所の人は、「何々、この人。一体どういう方。結婚出来る方?」をなるわけです。
国際結婚手続きにおいて、これを法的に証明するのが「婚姻要件具備証明書」なのです。たとえば日本人の証明書には「独身であって、かつ婚姻能力を有し相手方と結婚するにつき、日本国法上何等の法律的障害のないことを証明する」といった記載があります。
それでは、手続きについて順に確認していきましょう。
日本から先に結婚手続きを行う場合
スリランカ人の婚姻要件具備証明書の取得
日本にあるスリランカ大使館へ、スリランカの方が行き婚姻要件具備証明書を取得します。郵送でも可能です。日本人とお二人で行く必要はありません。また日本人だけでは取得できません。
大使館で取得できるのは長期滞在ビザを持っている方が対象となります。短期ビザで日本に来て婚姻手続きを行う方は、事前にスリランカ大使館に可能かどうか確認してください。
必要な書類
日本人が用意するもの
- 日本人の戸籍謄本
- パスポート
- 日本人の婚姻要件具備証明書
- 上記の英訳文書
英訳文については、公認の翻訳者及び翻訳会社となります。日本翻訳連盟 www.jtf.jpから選びます。
日本人の婚姻要件具備証明書について
日本人に関する婚姻要件具備証明書は,法務局若しくは地方法務局で発行しています。 最寄りの法務局については法務局ホームページの「管轄・取扱事務一覧」で確認できます。また、「法務局・地方法務局所在地一覧」で最寄りの法務局の住所電話番号を確認できます。 日本人の婚姻要件具備証明書取得に必要な書類 ・日本人の戸籍謄本 ・印鑑(認印) ・本人確認書類 運転免許証,パスポートなど 必ずご本人が法務局に赴き申請,受領することになります。 ・相手方の国籍,生年月日,氏名,性別を正しく記載した書類(証明書を提出する必要はありません)
取得した「婚姻要件具備証明書」を外務省で認証します。 |
スリランカ人が用意する書類
- パスポート
- 出生証明書原本または認証されたコピー
- 在留カード
- 宣誓供述書
宣誓供述書は、スリランカ人の父母どちらかによる「申請者」が未婚であるという証言です。弁護士(このあと最高裁判所による認証が必要)もしくは治安判事による認証(このあとスリランカの法務省から認証が必要)を戴き、さらにその後スリランカの外務省で認証が必要
申請するスリランカの方の両親がすでに亡くなっている場合は、御兄弟の方の宣誓供述書を発行してもらいます。その場合は、宣誓する御兄弟の方の出生証明書もしくは認証されたコピーを併せ提出します。併せご両親の死亡証明書の現本もしくは認証されたコピーも提出します。
結婚したことがある方に関して、配偶者と死別された方は、その旨を明記した宣誓供述書と死亡証明書原本、認証されたコピーを一緒に提出します。離婚された方は、コロンボの外務省・領事部の認定を受けた地方裁判所が発行した離婚仮判決と離婚判決謄本を提出します。
以上の書類を日本にあるスリランカ大使館に提出し、スリランカ人の「婚姻要件具備証明書」を入手します。非常に用意する書類が多く複雑ですね。
ここは、お二人の頑張り所ではないでしょうか。
日本側の婚姻手続き
スリランカ人の婚姻要件具備証明書を入手したら、次はいよいよ婚姻手続きです。日本の市町村役所へ行き婚姻届を提出します。
用意する書類
- 婚姻届
- スリランカ人の 婚姻要件具備証明書と日本語訳文
- スリランカの方の国籍を証明する書類:出生証明書と日本語訳文
市町村役場によって必要な書類が異なる場合がありますので、事前に市町村役場に確認してください。
スリランカ側の婚姻手続き
日本で婚姻届の提出が完了しましたら次はスリランカ側の手続きです。日本にあるスリランカ大使館へスリランカの書式で婚姻届を提出します。証人2名が必要です。1名はスリランカ人です。在留カード、パスポートで本人確認があります。届出後12日営業日以降3カ月以内に婚姻登録がなされます。
結婚証明書を取得してスリランカ側の婚姻手続きも完了です。
スリランカで先に結婚手続きを行う場合
日本人の婚姻要件具備証明書について
日本で取得することも、現地スリランカの日本大使館で取得することもできます。
日本で取得する場合
日本で取得する場合は、日本の法務局もしくは地方法務局で「婚姻要件具備証明書」を取得できます。最寄りの法務局については日本の法務局ホームページの「管轄・取扱事務一覧」で確認できます。また、「法務局・地方法務局所在地一覧」で最寄りの法務局の住所電話番号を確認できます。
必ずご本人が法務局に赴き申請,受領することになります。取得した「婚姻要件具備証明書」を外務省で認証します。
必要な書類
- 日本人の戸籍謄本
- 印鑑(認印)
- 本人確認書類 運転免許証,パスポートなど
- 相手方の国籍,生年月日,氏名,性別を正しく記載した書類
証明書を提出する必要はありません
スリランカにある日本大使館で取得の場合
スリランカにある日本大使館に行き申請します。
必要な書類
- 証明書発給申請書
大使館に備え付けてあります:1通
- 戸籍謄(抄)本
3ヵ月以内発行されたのもの:1通
- 申請者のパスポート
- スリランカ人のパスポート
- スリランカ人の出生証明書謄本
Birth Certificateといわれる書類です。
- 両親等法定代理人の婚姻同意書
これが必要なのは、未成年者の場合です。
なおスリランカ人の出生証明書謄本は、スリランカの地方登記事務所(Divisional Secretariats of Sri Lanka)で発行されます。
婚姻要件具備証明書は、申請の翌営業日に交付されます。申請が午後のばあいは、次の日の午後となります。申請と受領は申請本人のみです。代理は不可です。
また、この時に大使館で出生証明書(結婚の経験がある方は離婚・死亡証明書も)を併せ取得しておきます。
スリランカ側での婚姻手続き
婚姻手続きは結婚登録所で行います。まず結婚登録所へ行き、結婚の意思の通知(届出)をします。この時に婚姻登録日が決まります。
結婚の意思を結婚登録機関に通知するその前に、少なくとも4日間(3泊)をスリランカで過ごすことが義務付けられています。
また婚姻が法的に認められるには、結婚登録機関の事務所(Marriage Registrar’s Office)あるいは部局事務局(the Divisional Secretariat)で登録されなければなりません。登録機関に通知した後、さらに結婚登録日まで14日間の待期期間があります。ただし地区の登録機関の権限で、婚姻登録所の事務所にて即日の婚姻登録を申請することも、条件によっては可能な場合があります。この場合は婚姻証明書を、即日取得ができます。
お二人ともに用意する書類
- 出生証明書 原本
- パスポート 原本とコピー
- 写真
日本人が必要な書類
- 婚姻要件具備証明書 原本
- 離婚証明書あるいは死亡証明書 以前に結婚したことがある方はいづれかの証明書が必要 原本
日本側での手続き
スリランカにある日本大使館もしくは日本の市町村役場に婚姻届を提出します。
必要な書類
- 婚姻届 2通
- 戸籍謄(抄)本 3ヵ月以内に発行 原本1通、写し1通
- スリランカ人配偶者の出生証明書 原本1通、写し1通
スリランカの地方登記事務所(Divisional Secretariats of Sri Lanka)で発行されたものです。
- 上記出生証明書(または国籍証明書)の日本語訳文 原本1通、写し1通
- 婚姻証明書 原本1通、写し1通
スリランカの地方登記事務所(Divisional Secretariats of Sri Lanka)で発行されたものです。
- 上記の婚姻証明書の日本語訳文 原本1通、写し1通
- 婚姻要件具備証明書 コピー1通
- 写真付きの身分証明書 旅券,運転免許証など
- 印鑑 ない場合は拇印で可能です。
手続きは日本人だけでも構いません。これで日本側の手続きも完了します。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 ファーストベース行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |