ネパール人との国際結婚|手続きの流れと必要書類・配偶者ビザまで行政書士が解説

本文作成:ビザ専門行政書士 山川 鬪志(申請取次行政書士・登録番号19082576)

(2026年7月更新)

ネパール人との国際結婚は、「ネパールで先に結婚する」「日本で先に結婚する」のどちらから進めるかで手続きの順番が変わります。ネパール側の婚姻登録はなるべく早い段階で、申請先に必要書類等を確認しながら進めることが重要です。

このページでは、ネパール先行方式・日本先行方式の両方の流れ、必要書類、婚姻証明書の取得、そして結婚後の配偶者ビザ申請までを、全体像がつかめるように整理しました。

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ネパール人との国際結婚|手続きの全体像

まず、2つの方式の違いを確認しましょう。どちらの国で先に婚姻を成立させるかで、進め方が変わります。

方式 特徴 向いているケース
ネパール先行方式 ネパールの地方裁判所(District Court)で先に婚姻を成立させ、婚姻登録証明書を取得してから日本側へ届出。証人2名・15日間の居住が必要。 二人ともネパールに渡航できる/ネパールで挙式する
日本先行方式 日本の市区町村役場に先に婚姻届を提出。ネパール人配偶者の独身証明書等が必要。役場により求める書類が異なる。 ネパール人配偶者がすでに日本に在留している

以下では、検索の多いネパール先行方式を中心に、婚姻証明書の取得から日本側の届出、配偶者ビザまでを順に解説します。

ネパール側の婚姻手続き(ネパール先行方式)

手続きを行う場所は「地方裁判所」

ネパール人と外国人の婚姻は、現行のネパール民法(Muluki Civil Code 2074/2017年施行)に基づき、ネパールの管轄地方裁判所(District Court)で登録婚(marriage by registration)として手続きを行います。婚姻を成立させる主体は裁判所です。婚姻成立後、Ward Office(地方自治体)で婚姻登録証明書を取得します。

【法改正のポイント】CDOオフィスでの婚姻手続きは現行制度と異なります

インターネット上には「CDOオフィス(District Administration Office)で婚姻手続きを行う」という古い案内が残っていることがあります。しかしCDO(Chief District Officer)は本来、市民証(Citizenship)・身分証明・未婚状態の確認などを扱う行政機関で、婚姻成立の主体ではありません。2017年の民法施行前後で実務が変わり、現在は外国人との婚姻は地方裁判所(District Court)で行うのが原則です。古い情報に注意してください。

日本人がネパールに住んでいない場合、民法77条により、当事者の一方または双方が管轄地区に最低15日間居住していることが申請の要件です。二人でそれぞれ書類を用意し、管轄の地方裁判所へ申請します。

婚姻手続きの流れ

1
管轄地区に15日間居住(申請要件)
当事者の一方または双方が、申請する地方裁判所の管轄地区に最低15日間居住していることが必要です。
2
地方裁判所へ婚姻登録を申請
申請書には、両当事者の氏名・年齢・住所・職業、父母・祖父母の氏名、婚姻歴(あれば離婚の詳細)、そして少なくとも2名の証人の氏名を記載して提出します。
3
婚姻成立日に裁判官の前で署名
婚姻成立日には、当事者と証人2名本人が裁判所へ出頭し、婚姻証書(Manjurinama)や婚姻登録簿に署名します。証人が実際に出頭・署名するのはこの日です。
4
婚姻登録証明書を取得
婚姻成立後、Ward Office(地方自治体)で婚姻登録証明書を取得します。これでネパール側の手続きは完了です。

※旧制度では証人3名を求める規定がありましたが、現行民法では「少なくとも2名」とされています。手続きの詳細は管轄の地方裁判所・在ネパール日本国大使館の最新案内でご確認ください。

ネパール側で必要な書類

必要書類は状況によって異なる場合があります。申請先の地方裁判所に、どの書類が何部必要かを前もって確認してください。

提出先
ネパールの地方裁判所
ネパールで婚姻を成立させるための書類
 
婚姻申請書(婚姻届)

地方裁判所所定様式
婚姻要件具備証明書(独身証明書)と翻訳文

取得方法は下記で解説
パスポート

写しの提出を求められることがある
ナガリタ(身分証明書)
出生証明書
写真

枚数は裁判所に確認
離婚証明書/配偶者の死亡証明書

再婚の方のみ
提出先
ネパールの地方裁判所

ネパールで婚姻を成立させるための書類
日本人 
ネパール人 
お二人共通

日本人の婚姻要件具備証明書の取得

ネパールでの婚姻登録には、日本人側の婚姻要件具備証明書(独身であることの証明)が必要になるのが一般的です。取得方法には主に次のルートがあります。

  • 在ネパール日本国大使館で取得する:戸籍謄本などを用意し、大使館で英文の婚姻要件具備証明書の発給を受ける方法。
  • 日本国内の法務局で取得する:本籍地を管轄する法務局で発行を受け、外務省でアポスティーユを付す方法。

具体的な必要書類・様式・アポスティーユの要否は、申請先の地方裁判所と在ネパール日本国大使館の最新の案内で必ず確認してください。取扱いが変わることがあります。

日本側の婚姻手続き

ネパールで婚姻証明書を受領したら、日本側の届出を行います。方法は2つあります。

在ネパール日本国大使館に届け出る場合

提出先
在ネパール日本国大使館
日本側に婚姻を届け出るための書類
 
婚姻届

2通
婚姻登録証明書(原本)

原本+日本語訳文
ネパール人の国籍証明書(パスポート等の原本)

日本語訳文2通
日本人の戸籍謄本または抄本

3か月以内発行・2通
提出先
在ネパール日本国大使館

日本側に婚姻を届け出るための書類

※大使館で申請した場合、戸籍に反映されるまで時間がかかります。

日本に持ち帰り、市区町村役場に届け出る場合

日本の役場に婚姻届を提出する場合、自治体によりネパール人配偶者の証明書など提出書類が異なります。渡航前など早い段階で、届出先の役場に確認してください。

これで日本側の婚姻手続きも完了です。次は、ネパール人配偶者が日本で暮らすための配偶者ビザの準備に進みます。

日本で先に婚姻届を出す場合(日本先行方式)

ネパール人配偶者がすでに日本に在留しているケースなどでは、日本の市区町村役場に先に婚姻届を提出する日本先行方式で進められます。この場合、ネパール人配偶者の「婚姻要件を満たしていること(独身であること)」を示す書類が必要になります。

ネパール人配偶者の「独身証明書(未婚証明書)」

ネパールには、日本と同じ名称の「婚姻要件具備証明書」という書類は確認できません。代わりに、独身であることを証明する公文書として未婚証明書(अविवाहित प्रमाणपत्र/Certificate of Singleness)が運用されています。

この未婚証明書は、次のルートで取得・認証されます。

1
ネパールの住所地を管轄する地方自治体(Ward Office 等)が未婚証明書を発行
2
ネパール外務省(Department of Consular Services)が認証
3
駐日ネパール大使館が認証(※大使館は発行ではなく認証のみ)

※駐日ネパール大使館は未婚証明書を「発行」するのではなく、地方自治体・ネパール外務省の認証を経た書類を「認証」する運用です。

婚姻要件具備証明書が発行されない場合の代替書類

ネパールでは日本と同名の婚姻要件具備証明書が発行されないため、日本の役場では、これに代わる書類の組み合わせで婚姻要件を確認します。一般的には次の書類で対応します。

提出先
日本の市区町村役場
婚姻要件具備証明書の代わりに用意する書類
 
独身証明書(未婚証明書/Certificate of Singleness)

上記ルートで認証を受けたもの
出生証明書

身分関係を示す書類として
申述書(宣誓供述書)

婚姻要件具備証明書が得られない事情と、婚姻の要件を満たしている旨を申述する書面
提出先
日本の市区町村役場

婚姻要件具備証明書の代わりに用意する書類

役所によって運用が異なるため、渡航前・準備前の早い段階で届出先の自治体に相談・確認してください。

日本の市区町村役場に婚姻届を提出する

必要書類がそろったら、住所地または本籍地の市区町村役場に婚姻届を提出します。婚姻届には成人の証人欄への記入が必要です。ネパール人配偶者側の書類(未婚証明書・出生証明書・パスポート等)は、外国語のものに日本語訳文を添えます。受理されると婚姻が成立し、日本人側の戸籍に婚姻の事実が記載されます。必要に応じて婚姻届受理証明書を取得しておくと、次のネパール側への届出で使います。

ネパール側への報告的届出(大使館でMarriage Letterを取得し、District Courtで登録)

日本で婚姻が成立しても、それだけではネパール側に婚姻が反映されません。ネパール国内では未婚のままとなり、後の各種手続きで支障が生じることがあります。ネパール側の婚姻登録は、地方裁判所(District Court)で行います。

そのための最初のステップが、在日本ネパール大使館で「Marriage Letter(婚姻に関する証明書/विवाह सम्बन्धी पत्र)」を取得することです。日本で婚姻したネパール国民に対して、大使館がこの証明書を発行します。大使館は婚姻登録そのものを行う機関ではなく、ネパール国内での登録に必要な証明書を発行する窓口という位置づけです。

提出先
在日本ネパール大使館
Marriage Letterを取得するための書類
 
婚姻届受理証明書(原本)と英訳

日本の市区町村役場が発行したもの
国籍証明書・パスポート・在留カードの写し

ネパール人配偶者のもの
パスポート・運転免許証等の写し

日本人配偶者の身分を示す書類
所定の申請書

大使館ウェブサイトの申請フォーム
手数料

8,000円(変更されることがあります)
提出先
在日本ネパール大使館

Marriage Letterを取得するための書類

このMarriage Letterは、配偶者ビザの申請でも使う書類です。ネパール側の登録のためだけでなく、その後の在留手続きでも必要になりますので、取得しておいてください。

Marriage Letterを取得したら、ご夫婦でネパールへ渡航し、管轄の地方裁判所(District Court)で婚姻登録を行います。ここから先の流れは、この記事の前半で解説したネパール先行方式の婚姻手続きと同じです。管轄地区への15日間の居住、証人2名、婚姻成立日の出頭・署名といった要件も同様ですので、前半の「ネパール側の婚姻手続き」をあわせてご確認ください。

登録が完了すると、ネパール側でも婚姻が正式に反映され、婚姻登録証明書(विवाह दर्ता प्रमाणपत्र)が得られます。なお、必要書類・手数料・手続きの詳細は変わることがありますので、事前に在日本ネパール大使館および管轄の地方裁判所の最新の案内でご確認ください。

結婚の次のステップ|ネパール人配偶者の配偶者ビザ

婚姻手続きが完了しても、それだけでネパール人配偶者が日本で暮らせるわけではありません。日本での生活には「日本人の配偶者等」の在留資格(配偶者ビザ)の取得が必要です。

配偶者ビザの審査では、婚姻の信ぴょう性や生計の安定性などが確認されます。国際結婚は、目の前の婚姻登録だけでなく、その後の配偶者ビザ・更新・永住申請まで見据えて準備することで、後の手続きがスムーズになります。

配偶者ビザの必要書類や審査のポイントは、こちらで詳しく解説しています。
▶ 配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の申請ガイドはこちら

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よくある質問(ネパール人との国際結婚)

ネパール人男性と日本人女性でも手続きは同じですか?

基本的な流れは同じです。ネパール先行方式では地方裁判所での婚姻登録、日本側での届出という順序になります。どちらが男性・女性でも必要書類の考え方は変わりませんが、婚姻要件具備証明書は日本人側が用意します。

ネパール人女性と結婚する場合、待婚期間はありますか?

再婚の場合、日本の民法上の待婚期間の考え方や、ネパール側での離婚証明書の提出が問題になることがあります。前婚がある方は、離婚証明書を準備し、事前に役場・地方裁判所へ確認してください。

ネパール人同士ではなく、日本人との結婚でも証人は必要ですか?

はい。現行のネパール民法では、地方裁判所での登録婚に少なくとも2名の証人が必要です。申請書に証人の氏名を記載し、婚姻成立日には証人本人が裁判所へ出頭して婚姻証書・婚姻登録簿に署名します。なお、以前は証人3名を求める案内もありましたが、これは旧制度に基づくものです。

ネパールに行かずに結婚できますか?

ネパール人配偶者がすでに日本に在留している場合は、日本先行方式で日本の役場に婚姻届を提出する方法があります。この場合、ネパール人配偶者の独身証明書(未婚証明書)が必要で、婚姻要件具備証明書が発行されないときは出生証明書・申述書などの代替書類で対応します。受理できる書類は役場により異なるため、届出先の自治体に事前確認してください。

将来を見据えて、配偶者ビザ申請を進めたい方へ

国際結婚に関する在留手続きは、現在の許可取得だけでなく、その後の更新・永住申請まで視野に入れた準備が重要になります。当事務所では、永住申請を視野に入れたサポートを行っています。

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行政書士 山川鬪志 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士連合会 東京都行政書士会 新宿支部
登録番号 19082576
専門業務:ビザ(在留資格)・帰化申請
保有資格:申請取次行政書士/認定コンプライアンス・オフィサー

本記事は、法務省出入国在留管理庁外務省および在ネパール日本国大使館の公開情報等に基づき作成しています。行政書士は法律により守秘義務がありますので、安心してご相談ください。

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