フィンランド人との国際結婚手続・婚姻に必要書類を行政書士が解説

本文作成:ビザ専門行政書士 山川 鬪志(申請取次行政書士・登録番号19082576)

フィンランドは行政手続きのデジタル化が進んだ国ですが、日本人との国際結婚となると話が変わります。2020年以降、フィンランド側の手続き窓口がDVV(デジタル人口データ庁)に一本化されたことで、それ以前の情報は古くなっている場合があります。

フィンランド人はオンラインで完結できる手続きも、日本人が絡む場合は書類の持参や郵送が必要になり、婚姻要件具備証明書・アポスティーユ・DVVへの届出と、準備がいくつか増えます。

この記事では日本で先に婚姻届を出すルートとフィンランドで先に挙式するルートの2通りを、必要書類・届出先・審査期間ごとにフロー図で整理します。婚姻手続き完了後に日本で生活するための配偶者ビザについては末尾のFAQもあわせてご確認ください。

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国際結婚に必要な「婚姻要件具備証明書」とは

国際結婚の手続きで最初に準備を考える書類が婚姻要件具備証明書です。日本人同士の結婚と違い、外国籍の方が役所の窓口に来ても「この方が結婚できる状態かどうか」を戸籍から即座に確認できません。そのため、独身であり法律上婚姻に支障がないことを公的に証明する書類が必要になります。

💡 フィンランド人の婚姻要件具備証明書に相当する書類
フィンランドでは 婚姻状況証明書(Marital status certificate) がこれにあたります。未婚・離婚・配偶者死亡を証明するもので、DVV(デジタル人口データ庁 / Digi- ja väestötietovirasto)のウェブから申請できます。なお2020年1月、それまで窓口となっていた地方登録事務所(maistraatit)はDVVに統合・廃止されました。

日本から先に婚姻手続きを進める場合

日本の市区町村役場に先に婚姻届を提出し、その後フィンランドに届け出るルートです。日本在住のカップルにとってもっとも一般的な流れです。

1
フィンランド人の婚姻状況証明書を取得する

フィンランド側

DVV(デジタル人口データ庁)のウェブから申請します。必要書類はフィンランド人の身分証明書(運転免許証等)です。

2
婚姻状況証明書の和訳を用意する

日本側

婚姻状況証明書の日本語訳文を作成します(翻訳者の氏名・住所を訳文末尾に記載)。翻訳は当事者でも可能ですが、正確さが求められます。

3
日本の市区町村役場に婚姻届を提出する

日本側

婚姻届・婚姻状況証明書(原本)・和訳文・戸籍謄(抄)本・出生証明書(原本と和訳)・旅券を窓口に提出します。

⚠ 市区町村役場によって求める書類が異なる場合があります。事前に窓口へ確認してから書類を揃えてください。

4
婚姻が記載された戸籍謄本を取得する

日本側

婚姻届が受理されたら、婚姻が記載された戸籍謄本を市区町村役場で取得します。この戸籍謄本にアポスティーユを付けてフィンランドへの届け出に使用します。

5
DVVへ婚姻を届け出る(フィンランド側への登録)

フィンランド側

DVV(デジタル人口データ庁)へ郵送、または在日フィンランド大使館に持参して転送を依頼する方法があります。大使館経由の場合は手数料が発生する場合があります。詳細は在日フィンランド大使館へご確認ください。

書類名 備考
海外で成立した婚姻の届出フォーム DVVウェブからダウンロード
戸籍謄本(婚姻が記載されたもの) アポスティーユ付き
戸籍謄本の翻訳文(英語・フィンランド語・スウェーデン語のいずれか) アポスティーユ付き・公証役場での公証が必要。フィンランド国内の認定翻訳者による翻訳は公証不要
お二人のパスポートのコピー

⚠ アポスティーユは外務省(本省)または大阪分室で取得できます。事前に外務省のウェブサイトで手順をご確認ください。

✦ アポスティーユ取得代行サービス・料金はこちら

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フィンランドから先に婚姻手続きを進める場合

フィンランドに入国して現地で先に婚姻を成立させるルートです。フィンランド側では「婚姻障害確認(Examination of impediments to marriage)→ 挙式」の2ステップが必要になります。

1
日本人の婚姻要件具備証明書を取得する

日本側

在フィンランド日本大使館で取得します。必要書類は日本人のパスポートと戸籍謄本です。

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2
DVVに婚姻要件の審査を申請する

フィンランド側

婚姻要件の審査(Examination of impediments to marriage)とは、重婚などの婚姻の障害がないことをDVVが確認する手続きです。現在の申請先はDVVのみで、申請は挙式より前に完了させなければなりません。

日本人はフィンランドの住民情報システムに登録がないため、オンライン申請は利用できません。DVVへの書類郵送またはDVV窓口への持参(要予約)で申請します。

書類名 備考
婚姻要件の審査申請フォーム(PDF) DVVウェブからダウンロード
日本人の婚姻要件具備証明書(原本) 発行日から4か月以内のもの。アポスティーユ付き
婚姻要件具備証明書の翻訳文(英語・フィンランド語・スウェーデン語のいずれか) 日本国内で翻訳した場合は翻訳文にもアポスティーユが必要。フィンランド国内の認定翻訳者による翻訳は不要
日本人のパスポートのコピー

⚠ 外国人が含まれる場合の審査期間は3〜5週間。挙式日から逆算して早めに申請してください。

DVVへの婚姻要件の審査申請について(日本人を含むカップルの場合)
渡航前にまずDVVに電話で以下を確認することをお勧めします。
・申請に必要な書類の確認
・書類の窓口持参か郵送かの確認
・窓口持参の場合は予約方法の確認

詳細はDVV公式サイトでご確認ください。

3
婚姻状態の確認証明書を受け取る

フィンランド側

審査の結果として、婚姻状態の確認証明書(The impediment examination certificate)が郵送で届きます。この証明書は挙式当日に必ず持参します。

4
フィンランドで挙式・婚姻を成立させる

両者

民事婚の場合、DVV(デジタル人口データ庁)のウェブシステムまたは電話で挙式の日時を予約します。挙式当日は婚姻状態の確認証明書とお二人の身分証明書を持参してください。15歳以上の証人2名が必要です。証人も身分証明書を持参してください。

挙式後、後日婚姻証明書(フィンランド語:vihkitodistus / 英語:marriage certificate)が発行されます。

5
日本の市区町村役場または在外公館に婚姻を届け出る

日本側

日本に戻った後、市区町村役場または在フィンランド日本大使館に婚姻届を提出します。

書類名 備考
婚姻届書
戸籍謄(抄)本 日本人につき
婚姻証明書(原本) 和訳文を添付
外国人の婚姻時の国籍を証する書面(旅券等) 和訳文を添付

フィンランド人との国際結婚 よくある質問【行政書士が回答】

Q. 婚姻状況証明書はどこで取得できますか?

A. フィンランド人は、DVV(デジタル人口データ庁)のウェブから申請できます。必要書類はフィンランド人の身分証明書(運転免許証等)です。

Q. アポスティーユはどこで取得できますか?

A. 日本の公文書へのアポスティーユは、外務省(本省)または大阪分室で取得できます。外務省本省では窓口申請と郵送申請のいずれも受け付けています。詳細は外務省のウェブサイトでご確認ください。

Q. 婚姻手続きはどちらの国から先に始めた方が良いですか?

A. 一般的に、日本在住のカップルは日本先行ルートが手続きを進めやすい傾向があります。フィンランドに渡航する予定がある場合や、フィンランド在住のカップルはフィンランド先行ルートが現実的です。

Q. 婚姻要件の審査にどのくらい時間がかかりますか?

A. 外国人が含まれる場合、審査期間は3〜5週間です。DVVが日本の婚姻要件を確認するプロセスが入るためです。挙式の日程が決まっている場合は、日程から逆算して余裕をもって申請を開始してください。

Q. 婚姻手続き完了後、日本で暮らすにはどうすれば良いですか?

A. フィンランド人配偶者が日本で暮らすためには、配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の取得が必要です。婚姻が成立したら早めに準備を始めることをお勧めします。ビザの審査では交際の経緯・生活基盤・交流の実態などが確認されます。

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行政書士山川鬪志 この記事の執筆者
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士連合会 / 東京都行政書士会 新宿支部
登録番号:19082576
専門業務:ビザ・帰化申請 / 申請取次行政書士 / 認定コンプライアンスオフィサー

法務省出入国在留管理庁外務省の公開情報等に基づき作成

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