中国人との国際結婚の手続きを進めていくと、いろいろと不安なことが出てきます。
中国人との国際結婚で日本人が無職の場合
この記事は、全国対応の配偶者ビザの申請サポートをおこなっている行政書士が、無職の場合の国際結婚や配偶者ビザの申請について解説します。
- 日本人女性のTさんからのご質問
わたしは現在中国に住む中国人の彼がいますが、先日彼から、私が無職だと国際結婚ができないといわれました。どうやら友人から聞いたようです。それって本当でしょうか? |
Tさんと行政書士とのQ&Aで解説します。
Tさん:結婚する予定なのですが、彼は中国人です。誰か彼の友達から聞いたみたいなのですが日本人の私が無職だと結婚できないと言われたのですがそれって本当でしょうか?
Y行政書士:日本で一緒に暮らすのですか?
Tさん:はい。
Y行政書士:Tさんは今お勤めではない?
Tさん:無職です。それで結婚できないのではと彼が心配しています。
Y行政書士:そんなことはありません。国際結婚は両方の国で婚姻手続きを行います。日本でも中国でも必要な手続きを行えば結婚は成立します。
Tさん:あーよかった。心配になってしまって。
Y行政書士:彼はどんな仕事をしているのですか
Tさん:中国語の先生です。
Y行政書士:日本で仕事はどうするのですか
Tさん:はい。何とか見つかるのではと言っています。
Y行政書士:え~。それは厳しいかもですよ。
Tさん:どういうこと?
Y行政書士:では順番に説明しますね。中国籍の彼と結婚するということは国際結婚ですよね。
そして彼と結婚して日本で暮らす場合、彼には在留資格が必要です。一般的にビザといっています。たとえば配偶者ビザなどです。
Tさん:はい……
Y行政書士:配偶者ビザの取得のためには、まず両方の国で結婚が法的に成立していなくてなりません。これはお互い収入が無くても必要な書類を用意して提出すれば成立します。ところが、
Tさん:ところが、何でしょうか?
Y行政書士:配偶者ビザを取得のためには、ある程度の収入がないと許可は厳しくなります。。全くないとなると……
Tさん:無理でしょうか。
Y行政書士:あきらめないで。何とか一緒に考えましょう。
配偶者ビザの場合、夫婦で結婚生活が続けられるだけの収入が必要です。つまり日本人のTさんの収入と中国人の彼の収入です。今はどうやって生活しているのですか。家賃はどうやって?
Tさん:親と一緒に同居しています。
Y行政書士:そうですか。持ち家ですか。ご両親はどんなお仕事でしょうか。
Tさん:持ち家です。両親は不動産で収入を得ています。
Y行政書士:なるほど。ではご両親と同居して生活のサポートを受けるということですね。
Tさん:はい、そうする予定です。
Y行政書士:ご両親とお二人、計4人が生活していける収入が,ご両親にあれば可能性が出てきます。つまり世帯収入で考えればいいです。
Tさん:なんとかなりそうですか。
Y行政書士:必ず許可が出るとは言えません、また収入があるということだけで許可・不許可の判断がなされるということではありません。マイナス要因を消していくようなイメージで考えてください。お二人が安定した収入を得るために、仕事を探すことが大事ではないでしょうか。
Tさん:はい。ハローワークに相談に行ってきます。
ここまでのふりかえり(まとめ)
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行政書士がさらに詳しく解説
国際結婚をおこなって日本で暮らす場合、外国人の日本での収入はきまっていない、まだ仕事も決まっていない場合があります。その時に日本人の方の収入が無い場合、配偶者ビザの不許可リスクが高くなります。
生計が維持できるだけの収入について、日本人のご両親や親族からの経済的援助があるかということも考慮されます。持ち家があるか、たとえば両親の家にしばらく同居するということになれば、生活に必要な収入額も低くなります。
収入は会社からの給料だけではなく、不動産収入や年金収入も含むことができます。
継続的な収入があるかどうかで生活の継続性と安定性を審査されると考えてください。少しでもプラス要素を増やすために、Tさんのようにハローワークなど求職活動を進めるべきです。
こんな時は専門家に任せることをお勧め
世帯の収入はどれほどあればいいのでしょうか。いちがいには言えませんが、おおよその目安としては夫婦ふたりで200万~300万程度は必要です。
くり返しになりますが経済的基盤が不足していることだけで不許可になることはありません。経済基盤が不足していることは婚姻生活の継続性と安定性の裏付ける一つの要素にすぎません。
経済的基盤が不足しているのなら何か他でリカバリーできないかを検討します。
この点が、なかなか自分たちで進める場合は難しいところです。専門家に任せた方がよいところだと思います。
次の記事は、フィラール行政書士事務所の配偶者ビザの申請サポートの手続きの流れなどを記載した記事です。
よろしければご検討してみてください。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンスオフィサー |