(2024年6月更新)
この記事はフィリピン人との国際結婚で在留資格認定証明書(COE)を取得してからフィリピンを出国までの流れを説明します。
フィリピン人との国際結婚で日本に呼び寄せる場合、フィリピン人はCFOセミナーに必ず出席しなくてはなりません。
手続きに慣れていないフィリピン人の方の場合は、案外ここがCOE取得後の手続きで面倒な所になるかもしれません。
在留資格認定証明書が取れた後の手続きの流れ
◆フィリピン人の奥様Aさんと結婚した日本人Yさんは、奥様Aさんの在留資格資格認定証明書を取得しました。Yさんはその後の手続きの流れについて、とても心配していらっしゃいます。以降はQ&Aの形式で手続きを解説します。オレンジ色がYさんの質問です。
Yさん:ではこの認定証明書を妻に送るのですね。
はい。追跡ができるEMSやDHLなどでAさんに送ってください。早めに送ってくださいね。
Yさん:もちろんです。妻は認定証明書を受け取ったら、どうすればいいのですか。
実は、このあとAさんが行う事たくさんあります。あとで資料を渡しますね。
まず、日本大使館でビザ(査証)へ申請を行います。申請はフィリピンの場合は大使館へ直接行かないで、大使館指定の旅行代理店が窓口となります。
Yさん:在留資格認定証明書があれば日本へ入国できるのではないのですか?
在留資格認定証明書は、大使館でのビザ(査証)の発給が速やかに行われるための書類なのです。したがって在留資格認定証明書が発行されたからといって、ビザ(査証)がないと入国できません。入国の時はビザ(査証)と在留資格認定証明書、パスポートを一緒に提示します。
Yさん:ビザ(査証)を入手したら、日本に来れますよね。
いえ。フィリピン人が外国で暮らす場合はセミナーに参加しなくてはなりません。
Yさん:えー。それは何ですか?
歴史や文化が異なる日本での生活について、結婚生活、配偶者の権利、1対1での面接などがあります。セミナーは6時間くらいかかる場合もあるようですよ。
Yさん:大変そうですね。面接もあるのですか?
おふたりの結婚の経緯といったことや、Yさんの家族のことも聞かれるようですよ。
Yさん:だいじょうぶかなぁ。Aちゃんは、きちんと説明できるかなぁ?
結婚を装った人身売買や偽装結婚を抑止するのがセミナーの目的です。みなさん緊張されるようですが、お二人に真実の愛があれば。頑張ってください。
セミナーを修了したら証明書が発行されます。参加した証明のシールをパスポートに貼られます。出国のときにこのシールがパスポートに貼られて無いと出国できないのです。
Yさん:これでフィリピンから出発できるのですね。
気を付けなければならいことをお伝えします。
まず在留資格認定証明書は有効期限があります。発行日から3ヵ月です。その間に日本へ入国します。
Yさん:入国できないと……?
はい。在留資格認定証明書は失効します。この場合は、また一から申請する必要があります。
つまり発行した日から3ヵ月の間に査証(ビザ)の申請および発給とセミナーを受講しなくてはなりません。日程があまりないですね。ここが案外つまずきやすい所かもしれませんね。
Yさん:セミナーどうやって申し込むのでしょうか
オンラインで申込します。マニラ、セブ、ダバオ、クラークで行われています。曜日がきまっていて枠数が決まっているようです。
Yさん:では、早めに申し込む必要があるのですね。
そう。査証(ビザ)取得前にセミナーに参加できる場合もあるようですが、その場合はシールはセミナー後にもらえず、査証(ビザ)取得後にもう一度査証を提示してシールをもらうことになるようです。
Yさん:そりゃあ大急ぎで妻に確認します!さっそく在留資格認定証明書を送らなくては。
Yさん急いで帰っていっちゃいました☆
行政書士がさらに詳しくCFOセミナーについて説明
CFOは、在外フィリピン人委員会(Commission on Filipinos Overseas)の略で、フィリピン大統領府の直下に設置され、フィリピン人海外移民の登録を行い、出国前にオリエンテーションセミナーを行うのが主な担務です。
CFOが実施している出国前オリエンテーションセミナーとは、(PDOS:Pre-Departure Orientation Seminar) ガイダンスとカウンセリングプログラム (GCP:Guidance and Counseling Program )の2つのセッションで構成されます。異文化の外国での婚姻生活、配偶者の権利のセミナーや1オン1での面接などが実施されます。最低4時間以上かかるとの情報があります。
セミナーに修了すると証明書(GCC:the Guidance and Counseling Certificate)がもらえます。この証明書には有効期限はありません。パスポートには、CFO移民登録ステッカー(the CFO sticker)が貼られます。これが大事です。これがないと出国審査時に審査官に止められ出国できなくなります。
出国前オリエンテーションセミナー参加の予約はオンラインで行います。出国先によってセミナーの開催日がちがいます。今のところ週に一回、日本向けの曜日が開催会場ごとに決まっています。
会場のキャパシティから人数が決まっています。早めに予約手続きを行うと良いでしょう。セミナーの会場ですが、マニラ、セブ、ダバオなどで行われています。
査証(ビザ)取得まえに出国前オリエンテーションセミナーを受講した方もいらっしゃるようですが、この場合受講修了の時にパスポートに貼るステッカーはもらえず、査証取得後に、ステッカーをもらいに行くことになったようです。
地方など開催場所から離れた地域に住んでいると、あらためてステッカーをもらいに行くのはとても手間がかかります。出国までのスケジュールからうまく計画して出国前オリエンテーションの予約を行うことが重要です。
◆いくつか略語が出てきましたので次に整理しておきますね。
PDOS | Pre-Departure Orientation Seminar | 出国前オリエンテーションセミナー |
GCP | Guidance and Counseling Program | ガイダンスとカウンセリングプログラム |
GCC | Guidance and Counseling Certificate | ガイダンスとカウンセリング証明書 |
CFO | Commission on Filipinos Overseas | 在外フィリピン人委員会 |
次に日本で暮らす配偶者ビザについて当事務所の申請サポートの内容を説明しています。よろしければご検討してみてください。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンスオフィサー |