離婚歴があるベトナム人との国際結婚に必要な判決書とは

(2024年6月更新)

日本での国際結婚手続きにおいて、ベトナム人の離婚歴がある場合、その証明として必要となる裁判所の判決書や決定書について詳しく解説します。

これらの文書は、ベトナム国内での法的手続きだけでなく、日本での婚姻届を提出する時にも重要な役割を果たします。

特に、ベトナム人の婚姻要件具備証明書取得には、身分証明書や居住証明書と共に、離婚歴がある方は判決書が必ず必要です。

ベトナム人との国際結婚における離婚歴の記載書類の重要性

ベトナムの離婚手続きは、必ず裁判所を通じて行われます。

判決書や決定書は離婚が法的に成立した証明として、離婚のときの手続きの他、再婚するときや資産の取引においても使用されます。

日本での国際結婚をスムーズに進めるためにも、これらの書類の重要性と取得方法をこれから結婚するお二人が理解し、適切な準備を行うことは大事なことです。

  • ベトナム人の婚姻要件具備証明書取得に必要な書類
  • ベトナム人の身分証明書
  • 居住証明書
  • 配偶者と死別された方は、死亡証明書の写
  • 配偶者と離婚した方は、裁判所の法的な強制力がある判決書、決定書

ベトナムでは離婚は必ず裁判所が関与します。判決書や決定書と記載があると、何だか書類をそろえるのも大変なように思うかもしれません。

じつは判決書や決定書は当事者にも渡されています。

ではどんな書類なのでしょうか。

ベトナムの裁判所の法的な強制力がある判決書、決定書について

ベトナムの離婚に関しての基本的は解説と裁判所の役割や判決書・決定書の内容について解説します。

判決書についての基本情報

日本では多くの場合、離婚は協議離婚の形式で行われています。

夫婦が離婚について合意した場合、離婚届を役所に提出することで離婚の手続きが完了します。合意離婚の場合は日本では裁判所は関与しません。

一方ベトナムの離婚は、①協議離婚、➁夫婦どちらか一方の請求による離婚の2通りがあります。

どちらも裁判所が必ず関与して、裁判所から判決書、決定書が出されます。

ベトナムの離婚の手続きで裁判所から、この書類が発行されると関係機関に送達され、民事台帳(登記)に離婚が登録されます。

申請した夫婦など関係者にも判決書・決定書が送達されます。

ベトナムにおいて、離婚の判決書、決定書は、不動産取引(対象資産が個人所有か共同所有か)、所有している資産を寄付するときなどに使われます。唯一の法的証明となる書類です。

QUYẾT ĐỊNH

CÔNG NHẬN THUẬN TÌNH LY HÔN

VÀ SỰ THỎA THUẬN CỦA CÁC ĐƯƠNG SỰ

協議離婚と関係者による合意に係る決定書

離婚手続きにおける裁判所の役割

離婚手続きにおいては、夫婦関係の清算、親権やそれぞれの養育の義務といった子供の関係、共同財産の分割といった財産関係を離婚調停のプロセスによって当事者の合意により取り決めていきます。

離婚の当事者双方が離婚に同意し、夫婦の関係するすべての内容を解決することに合意した場合、裁判所は決定の形で判決を行います。

紛争を抱えている、つまりお二人がもめている場合は、裁判所は判決の形で判決を出します。

判決書・決定書に記載される内容

次のような内容が記載されています。

  • 当事者の名前、生年月日、住所などの情報
  • 結婚の情報や離婚の理由
  • 子育てについて
  • 直接の親権者、養育費かんすること
  • 共有財産について
  • 共有債務について
  • 裁判費用について

 

 

ベトナムの離婚手続き

 

第55条 離婚の合意

夫婦が離婚を共に求め、かつ、両者が本当に自発的に離婚を希望し、財産の分与、監護、養育、教育に関して妻と子供の正当な権利を確保した合意がある場合、裁判所は離婚の合意を認める。合意がない場合または合意があっても妻と子供の正当な権利が保障されていない場合、裁判所が離婚を決定する。(ベトナム 結婚と家族法 2014年)

協議離婚の手続き

1.離婚請求の提出

夫または妻、または両方は、裁判所に離婚を請求できます。

2.離婚に関する要件

・心理的苦痛または家庭内暴力による離婚請求

・配偶者が精神疾患に苦しんでいるか、他の病気で自己を認識できず行動をコントロールできない場合、または自分たちの家族内の暴力により、生命、健康、精神に深刻な影響を受けている場合、配偶者、親、他の親戚は離婚を請求できます。

・妊娠中または子育て中の離婚禁止

妻が妊娠中、子供を産んでいるか、または12か月未満の子供を育てている場合、夫は離婚を請求できません。

この場合妻の方からは要求できます。

3.裁判所での和解について

裁判所は離婚請求書を受理した後、民事訴訟法に基づいて和解を勧めます。

4.協議離婚

夫婦が共に離婚を希望し、財産分割、子供の世話や教育について同意が得られた場合、裁判所は協議離婚を認めます。合意がないか、権利が保障されていない場合、裁判所が解決します。

夫婦どちらか一方からの請求による離婚の手続き

1.どちらか一方からの請求による離婚の要件

・夫または妻が離婚を請求し、裁判所での調停が成立しない場合、裁判所は離婚を認定し解決します。

・裁判所は、配偶者が家庭内暴力の行為を犯したり、配偶者の権利義務を著しく侵害したりして、結婚が深刻な状況に陥る原因となる理由がある場合

・配偶者が失踪宣告を受けた場合、配偶者は離婚を請求できます。裁判所はこれを認めます。

・配偶者が家庭内暴力を行い、それが相手の生命、健康、精神に深刻な影響を与える場合、離婚を請求できます。

離婚手続きの終了と判決書の送付

裁判所の判決書が法的効力を持ち、結婚関係が終了します。裁判所は判決書を婚姻登録機関に送り、離婚を記録します。両当事者や他の関係機関にも通知されます。

この後に再婚する場合、婚姻手続きを行う上で、前婚が解消されている証明となります。

万が一紛失した場合は、裁判所で写しの発行申請を行います。

日本での婚姻届にも必要?

日本から先に結婚するとき届出る市区町村役場によっては、離婚歴のあるベトナム人の場合婚姻状況証明書に加えて判決書を婚姻届に求める場合があります。

日本の役所に提出が必要な場合は、ベトナム語でかかれた判決書、決定書の日本語訳も提出が必要です。

当事務所では市区町村役場への提出する婚姻状況証明書やベトナム裁判所の判決書の日本語訳を行っています。ご相談はお問い合わせフォームから

 

ベトナム人との国際結婚についての手続きの記事こちらから

ベトナム人の配偶者ビザの申請サポートのフィラール行政書士事務所のご案内の記事はこちらから。よろしければご検討してみてください。

 

※離婚ついてのご相談については、弁護士業務にあたる可能性があり、弊所では一切受けておりませんので何卒ご理解ください。(国際離婚に関する手続きのお問い合わせも受けていません)

[この記事の執筆者]

行政書士 山川鬪志

フィラール行政書士事務所 代表

専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請

保有資格:申請取次行政書士

認定コンプライアンス・オフィサー

https://www.moj.go.jp/

https://www.moj.go.jp/isa/index.html

 

ベトナム 婚姻家族法はこちらから(ベトナム語)

Luật Hôn nhân và gia đình 2014 số 52/2014/QH13 mới nhất (thuvienphapluat.vn)

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