(2024年6月更新)
こんにちは。東京・新宿区新宿2丁目の外国人の結婚ビザのフィラール行政書士事務所です。
カンボジアの方との御婚約おめでとうございます!カンボジアの国際結婚の手続きは、カンボジアは婚姻要件具備証明書を発行しない国であること、カンボジアが報告的届出を受付けないことで、手続きが複雑で、時間がかかり準備する婚姻手続きの書類が多くなります。
それでは、詳細の流れを婚姻の手続きについて日本が先行して行う場合とカンボジアから先に行う場合と、それぞれを説明していきます。
婚姻要件具備証明書について
国際結婚の手続きを進める時に、まず準備を考えなくてはならない書類が「婚姻要件具備証明書」です。「何それ?」と疑問に思う方もいると思います。確かになかなか聞いたことがない書類だと思います。お互いが日本人の場合は、婚姻届けを書いて役所に提出で手続きは完了ですが、国際結婚となると、かなり話が違ってきます。
日本人の方は戸籍謄本をみれば、結婚の要件が役所の方にも容易に判断がつきますが、いきなり外国の方が婚姻届をもって役所に行っても役所の人は、「この人、一体どういう方なの。結婚出来る方?」をなるわけです。国際結婚手続きにおいて、これを法的に証明するのが「婚姻要件具備証明書」なのです。この証明書には「独身であって、かつ婚姻能力を有し相手方と結婚するにつき、日本国法上何等の法律的障害のないことを証明する」といった記載があります。
日本から先に結婚手続きを行う場合
カンボジア人の婚姻要件具備証明書ついて
長々と婚姻要件具備証明書について解説しましたが、カンボジアは婚姻要件具備証明書を発行していません。しかし日本の婚姻手続きには婚姻要件具備証明書が必要です。存在しないので代わりの書類を用意します。代わりの書類は、カンボジア人の出生証明書と独身証明書となります。
これを現地より入手して日本語に翻訳したものと合わせて提出します。
日本側の婚姻手続き
日本の市町村役場に婚姻届を提出します。
用意する書類
- 婚姻届
- カンボジア人の 独身証明書
原本です。カンボジア外務省で認証つけます。
- その日本語訳文
- カンボジア人の国籍を証明する書類: 出生証明書
原本です。こちらもカンボジア外務省の認証をつけます。
※国籍(カンボジア)の記載があるかを確認してください。
- 出生証明書の日本語訳文
- 申述書
※婚姻要件具備証明書がカンボジアから取得できないことについて記載した書類です。
市町村役場によってカンボジア人について必要な書類が異なる場合がありますので、婚姻要件具備証明書の発行が無い国であることと、それに代わる必要な書類は何かを、ご結婚が決まったら、なるべく早い段階で市町村役場に相談してください。
以上で日本側の婚姻手続きは完了です。
カンボジア側の婚姻手続き
カンボジア側の婚姻手続きは、報告的届出を認めていませんので、現地での婚姻手続きをおこなうことになります。
従い以降に記載の「カンボジア」で先に婚姻手続きを行う場合と同じ手順となります。そちらで確認してください。
カンボジアで先に結婚手続きを行う場合
日本人の独身証明書等
プノンペンの日本大使館で独身証明書または婚姻証明書(日本で先に婚姻が成立している場合)を入手します。
日本大使館で取得する書類
- 日本人の戸籍謄本
または
- 配偶者の記載がある戸籍謄本(日本で先に婚姻が成立している場合)
戸籍謄本は3カ月以内の発行のものです。
- パスポート
カンボジア側での婚姻手続き
カンボジア外務省法務領事局(Legal & Consular Department, Ministry of Foreign Affairs and International Cooperation)から婚姻手続きがはじまります。
手続きの大きな流れを図にすると、このようになります。
外務省での手続き
お二人で、カンボジア外務省法務領事局に申請書を提出し、面接を受けます。
申請書の提出から5営業日内に領事局は面接と結婚申請の裏書処理行い申請者に返却されます。
内務省での手続き
カンボジア外務省法務領事局によって発行された書類と婚姻で用意した外務省から返却された書類とともにカンボジア内務省に提出します。内務省で5営業日以内に審査します。
※内務省:National Committee for Counter Trafficking (NCCT)の事務所で手続きを行います。
地方役場での手続き
結婚申請者は返却された結婚書類をカンボジア人が住んでいる役場へ提出します。
10日間の公示の後、地方の役場が結婚を承認します。拇印・結婚登録のためにおふたりで出席し、結婚証明書は発行されます。
これでカンボジア側の婚姻手続きが完了します。
外務省での提出書類
日本人が用意する書類
- 独身証明書または婚姻証明書(日本で先に婚姻成立した場合)
- 記載済み婚姻許可申請書 写(様式は法務領事局にあり)
- 日本の警察証明書(無犯罪証明)
警察証明書は現地の日本大使館で取得可能ですが、およそ2カ月かかります。日本で取得の場合は本人がお住まいの県警(東京都は警視庁)に行き取得します。指紋採取があるため本人でないと証明書は取得できません。なお、日本の警察の警察証明書は、渡航証明書、犯罪経歴証明書、無犯罪証明書と同一の証明書です。
また、カンボジア在留歴の長い方(5年以上)は日本側の証明書では無く、カンボジアの警察証明書が必要になります。
- パスポート
顔写真ページとビザ記載ページ
- 健康診断書
カンボジアの国立病院が発行したもの 英語で書かれたもの
- 在職証明書
所得額が記載されたものと英訳
- 日本大使館が発行したレター
※外務省への書類がそろったらプノンペンの日本大使館へ行き、日本大使館からレターを発行してもらいます。レターとともに、結婚の書類に大使館のスタンプを押してもらってください。
カンボジア人の用意する書類
- 出生証明書(地元の行政区が発行)
- 独身証明書(地元の行政区が発行)
- 健康診断書(カンボジアの国立病院が発行)
- 家族登録書
これでカンボジア側の婚姻手続きが完了です。
※すでに日本国内で婚姻が成立している場合は、カンボジアの婚姻成立でそれぞれの国での婚姻手続きは完了です。
日本側での婚姻手続
地元の役場で婚姻証明を取得し,婚姻成立した日より3ヶ月以内にカンボジアにある日本大使館または日本の市町村役場に提出します
必要な書類
- 婚姻届 2通
- 日本人の戸籍謄本 2通
- カンボジアでの婚姻証明書 2通
- 婚姻証明書の和訳文(翻訳者名,サイン記載) 2通
- 相手の国籍を証明する文書(パスポートまたはカンボジアID) 2通
- 相手の国籍を証明する文書の和訳文(翻訳者名,サイン記載) 2通
これで日本側の手続きも完了します。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |
https://www.moj.go.jp/isa/index.html