(2024年6月更新)
ベトナム人との国際結婚で日本から先に結婚手続きを行った場合、お相手のベトナム人が日本に住んでいないときは、現在ベトナム大使館では、日本に住んでいないベトナム人に対して婚姻証明書を発給していません。したがいベトナム人が本国で婚姻届を提出し婚姻証明書を入手します。
日本で先に婚姻届を提出して結婚が法的に成立していますので、ベトナム側の届出は報告的届出となります。ベトナム側の婚姻届には、日本側で結婚が成立した書類が必要となります。
戸籍謄本や婚姻届受理証明書のベトナム大使館での認証
多くの場合は次の書類が必要となります。
・戸籍謄本(ベトナム人との婚姻の記載があるもの)
・婚姻届受理証明書
場合によって
・日本人のパスポート全部のコピー
が要求されることもあります。
提出先はベトナム人の居住地の人民委員会です。人民委員会とは仰々しい印象を受けるかもしれませんが、日本の市区町村役場をイメージするとよいでしょう。
以上が通常必要な書類ですが、提出先の人民委員会にあらかじめ必ず必要書類の確認が必要です。地域や担当官によっても異なる場合があります。また急に法改正による制度変更等で書類が変わる可能性もあるからです。
領事認証
戸籍謄本や婚姻届受理証明書をそのまま提出しても、人民委員会は受け取ってくれません。
日本の書類が役所で発行された公文書であっても、その真偽が人民委員会では判断つかないからです。
そのためにベトナム側の機関でそれが真正なものであるという認証をおこないます。この期間の認証が、日本にあるベトナム大使館、総領事館で行われる領事認証というものです。
領事認証を行うためには、日本の外務省で戸籍謄本や婚姻届受理証明書が真正のものであるという手続きが必要です。これが公印確認です。
領事認証とは、日本の外務省で公印確認が本物であることをベトナムの人民委員会といった母国にある機関に対して、ベトナム大使館や総領事館が証明することです。したがい公印確認がない書類に対しては領事認証を行いません。
日本の外務省での公印確認
戸籍謄本や婚姻届受理証明書には公印が押されています。〇〇市長之印とある四角い印鑑です。この印が偽物ではないことの証明を行います。戸籍謄本や婚姻届け受理証明書が本物であることの確認をおこないます。行った結果として、公文書そのものに対し青のスタンプが押されます。
アポスティーユ認証
公印確認と同様のシステムにアポスティーユ認証があります。
大使館での認証が不要とする条約を締結している国の場合、アポスティーユ認証でそのまま母国に機関に提出が可能となります。この条約がハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)といわれるものです。
ベトナムはハーグ締約国ではありません。したがい日本にあるベトナム大使館での領事認証が必要となります。
戸籍謄本や婚姻届受理証明書といった公文書の場合の手続きのながれ
手続きは①市区町村役場⇒➁外務省⇒③ベトナム大使館(総領事館)⇒人民委員会の順番に行います。
- 戸籍謄本や婚姻届け受理証明書といった公文書の手続き
① 市町村役場で戸籍謄本や婚姻届受理証明書などの公文書を取得
➁ 外務省へ行き公印確認をおこないます。
窓口でも郵送でも申請ができます。すぐにもらうことはできません。申請後4日後の午後に発送されます。
③ ベトナム大使館で領事認証を行います。
- ベトナム大使館での翻訳公証
日本で結婚したあと、ベトナムで婚姻を届出る場合は、ベトナム語の翻訳文も必要となります。この場合はベトナム大使館で翻訳公証を行います。これは日本の外務省で公印確認をおこなった書類をベトナム語に大使館で翻訳して公証を行うものです。
ベトナム大使館で領事認証まで行った戸籍謄本、婚姻届受理証明書とその翻訳公証を行った書類をまとめてベトナム人のもとへ送付して、人民委員会に婚姻届出のときに提出します。
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[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |