(2025年8月更新)
日本を一時的に離れて戻ろうとした時、「なにも手続きをしなかったらどうなるか?」ご存知でしょうか?
永住ビザをお持ちの方でも、手続きを怠ると在留資格が無効になり、再び日本に戻るためにはビザの再申請が必要になるケースがあります。
出国前に知っておきたい!再入国許可とは?
日本に住む外国人の方は、特別な手続きをしなくても日本を出国することができます。
しかし 何も手続きをしないまま出国すると、せっかく持っている在留資格(ビザ)が無効になり、「もう日本に戻ってこない」とみなされてしまう のをご存知でしょうか。
この場合、日本へ再入国するためには、再びビザを申請し直さなければならず、大きな手間と時間がかかります。
そこで安心して海外に行き、日本へスムーズに戻るための仕組みが 「再入国許可」と「みなし再入国許可」 です。この記事では両者の違いと注意点をわかりやすく解説し、あなたにとって最適な手続きの選び方をご紹介します。
中国人のRさんからメールがとどきました。
日本人と結婚して配偶者ビザをもっています。中国のお母さんが入院したので身の回りのお世話をするためにしばらく中国に帰りたいのですが…。 |
Q&Aケーススタディ:永住ビザも注意!再入国許可とみなし再入国許可
こからは、弊所に対して、よくあるお問合せ事例をもとに 「みなし再入国許可」と「再入国許可」 の違いを会話形式で解説します。
永住ビザや配偶者ビザをお持ちの方も油断すると在留資格が消滅してしまう場合があります。
ぜひ確認してみてください。
Rさん:出国の手続きは難しいですか? Y行政書士:方法は2通りあります。ひとつは「みなし再入国許可」で出国する方法です。 出国時にEDカード(出国記録)の「みなし再入国許可」欄にチェックを入れるだけで、簡単に利用できます。 Rさん:そんなに簡単なんですか? Y行政書士:はい。ただしチェックを忘れたり、誤って別の欄に記入すると「みなし再入国許可」を受けていない扱いになります。 その場合、在留資格や在留期間が消滅してしまい、日本に戻るには新規にビザを取得し直さなければなりません。 |
✅ ポイント整理
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「みなし再入国許可」は簡単に利用できる。
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ただし チェック漏れ・記入ミス=在留資格消滅 というリスクあり。
Rさん:みなし再入国許可には期限がありますか? Y行政書士:あります。出国期限は原則1年間です。 かつ在留期限が1年以内に到来する場合は、その在留期限までとなります。 Rさん:延長はできないんですか? Y行政書士:残念ながら 延長はできません。 天候不良や航空会社の都合など本人以外の理由でも、期限を過ぎると在留資格が消滅します。 その場合は日本へ戻るためにビザの新規申請が必要になります。 |
✅ ポイント整理
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「みなし再入国許可」は 最長1年。
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延長不可、たとえ不可抗力でも期限切れ=在留資格消滅。
Rさん:いつ日本に戻れるかはまだ決められないのですが…。 Y行政書士:その場合は「再入国許可」の申請をおすすめします。 これは事前に入管で手続きを行う方法で、在留期限まで有効です。 Rさん:再入国許可は永住ビザでも必要ですか? Y行政書士:はい。永住者の方も対象です。 永住ビザの場合は特例があり、最長5年の再入国許可+1年の延長 が可能です。 長期の海外滞在を予定している場合は必ず再入国許可を取得しておくべきです。 |
✅ ポイント整理
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再入国許可は 入管で事前申請が必要。
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有効期限は原則在留期限まで。
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永住ビザなら最長5年+延長1年が可能。
まとめ:みなし再入国許可と再入国許可の使い分け
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短期の出国(1年以内に必ず帰国する予定) → みなし再入国許可が便利。
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1年以上の海外滞在や帰国時期が未定の場合 → 再入国許可を事前に取得すべき。
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永住ビザの方 → みなし再入国許可も使えるが、5年間有効な再入国許可を取っておくと安心。
行政書士が詳しく解説:みなし再入国許可と再入国許可の違い
ここでは「みなし再入国許可」と「再入国許可」の違いを、期間・延長・申請のタイミング という3つの観点から解説します。
期間の違い
みなし再入国許可
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有効なパスポートと在留カードを持っている外国人が対象。
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原則「1年以内」に帰国する場合に利用可能。
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ただし在留期限が1年以内に切れる場合は、その期限までしか有効ではありません。
再入国許可
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出国前に入管で手続きを行う制度。
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有効期間は「現在の在留期間の範囲内」。
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永住ビザを持つ方は最長5年(特別永住者は最長6年)が上限です。
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「1回限りの許可」と「数次許可(期間内なら何度でも出入国可)」があります。
延長できるかどうか
みなし再入国許可
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延長は一切できません。
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航空便の欠航など本人に責任がない理由でも、有効期限を過ぎれば在留資格は消滅します。
再入国許可
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1回に限り、1年間の延長が可能。
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ただし「在留期限の範囲内」でしか延長できません。
申請のタイミング
みなし再入国許可
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出国時に空港で「再入国出国記録(再入国EDカード)」を記入。
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「一時的な出国であり、再入国する予定です」の欄にチェックを入れ、みなし再入国による出国希望を入国審査官に伝えれば利用できます。
再入国許可
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出国前に、居住地を管轄する入管で申請。
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原則その日のうちに発行されます。
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長期出国や帰国時期が未定の場合はこちらを選ぶのが安全です。
再入国許可申請に必要な書類
1 | 再入国許可申請書 |
2 | 在留カード |
3 | 旅券(パスポート)提示 |
4 | 手数料納付書 |
みなし再入国許可と再入国許可の比較表
みなし再入国許可 | 再入国許可 | |
出国から再入国までの期間 | 1年あるいは在留期限まで | 5年あるいは在留期限まで |
期間の延長 | なし | 相当の理由がある時
1年可能 1回かぎり ただし在留期限まで |
申請のタイミング | 出国時に再入国カードにチェックを入れる | 出発前日までに入管に申請、許可をもらう |
入管への手数料 | なし | 一回限り:4,000円(窓口)
数次 :7,000円(窓口
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オンライン申請の場合の手数料は、再入国許可が1回しかできない「1回限り」で申請する場合は3,500円、在留期間内なら何回でも再入国ができる「数次」で申請する場合は6,500円です。
永住ビザを持っている方は特に注意!再入国許可の取り扱い
「永住ビザだから安心」と思って出国してしまう方もいますが、実は注意が必要です。
✅ 永住者も再入国許可が必要です
永住ビザを持っている方が日本を出国する際は、みなし再入国許可または再入国許可のいずれかの手続きを行う必要があります。
- みなし再入国許可:出国前に簡易な申告をすることで、原則1年以内の再入国が可能。手数料は不要です。
- 再入国許可:長期の海外滞在を予定している場合は、事前に申請が必要。許可期間は最大5年、相当な事情がある場合は1年延長も可能です。
注意:再入国許可の期限を過ぎると、永住資格が失効する可能性があります。
🪪 在留カードの有効期限にも注意!
永住者の在留カードには、有効期限が7年間と定められています。これは再入国許可の期限とは別物です。
- 在留カードの有効期限は、カード下部に記載されています。
- 有効期限が近づいたら、住居地を管轄する入管で更新申請(在留カードの有効期間の更新申請)を行う必要があります。
- 更新は原則7年に1度。忘れずに手続きしましょう。
在留カードの有効期間の更新申請に必要な書類など
※ 16歳未満の方は、写真の提出は不要です在留カードの有効期間の満了日が「16歳の誕生日」となっている方は、写真が必要
漢字氏名の併記を希望する場合
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新宿の行政書士が対応:再入国許可申請代行のご案内
東京・新宿・高田馬場にある フィラール行政書士事務所 では、外国人の方の 再入国許可申請の手続き代行 を承っています。
✅ 再入国許可申請代行費用:20,000円+税(税込22,000円)
✅ 交通費:東京近郊の入管(都内23区および周辺市)への交通費は無料です。
※入管印紙代が別途必要です。
※申請者ご本人が日本に滞在している場合に限ります。
※書類のお預かり・お渡しはご本人との直接手渡しとなります。
当事務所に依頼するメリット
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入管への申請をスムーズに代行。
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オンライン面談可能、全国どこからでもご相談いただけます。
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新宿・高田馬場の事務所での 対面相談(完全予約制) にも対応。
📩 お問い合わせ・お申込みはこちら
「自分で手続きできるか不安…」という方は、ぜひ専門の行政書士にご相談ください。
下記フォームから簡単にお問い合わせいただけます。
さらに当事務所では、以下のビザ申請についてもご相談・手続き代行を行っています:
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配偶者ビザ(結婚ビザ)申請
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永住ビザ申請
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就労ビザ申請
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帰化申請
👉 出国前の再入国許可のご相談はもちろん、その他の在留資格手続きについてもまとめてご相談いただけます。
帰化申請:自分で申請を進めるのは難しいでしょうか | フィラール行政書士事務所
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[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部所属 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |
https://www.moj.go.jp/isa/index.html