永住ビザを持っている方も手続き必要!再入国許可とみなし再入国許可

(2023年4月更新)

日本で暮らす外国人が、日本から出国すると、現在もっているビザはどうなるのでしょうか?

ビザに関してとくに手続きを行わなくても、外国人は日本から出国できます。しかし何も手続きをおこなわないで日本から出国すると、お持ちのビザ(在留資格)は有効でなくなります。

もう日本に戻ってこないという扱いとなってしまいます。

この場合、あらためてビザを取得しないと日本へ再び入国することができません。それでは大変不便ですね。

実は出国の前に手続きを行い、現在のビザが有効なまま帰国できる制度があります。これは再入国許可とみなし再入国許可といわれる制度です。

中国人のRさんからメールがとどきました。

日本人と結婚して配偶者ビザをもっています。中国のお母さんが入院したので身の回りのお世話をするためにしばらく中国に帰りたいのですが…。

Q&Aで解説:永住ビザの方も注意して!再入国許可とみなし再入国許可

Q&Aの会話形式のケーススタディーで解説します。

 

Rさん:来週中国に帰りたいのですが。どうすればいいですか?

Y行政書士:Rさんの在留カード見せてください。在留期限はどうなっていますか。

Rさん:はい。配偶者ビザです。来年いっぱいで更新です。

Y行政書士:そうですね。あと1年6ヵ月くらいですね。看護だとしばらくかかりそうですね。

Rさん:そう…。心配です。

 

Y行政書士:まず在留カードを持っていて、パスポートが有効ですと手続きは2通りあります。ひとつは、みなし再入国許可で出国する方法です。出国の時に出国カードに記入個所にチェック入れるだけです。

Rさん:簡単ですね。

 

Y行政書士:はい。でもチェック入れるのを忘れたり、チェックするところを間違えないようにしてくださいね。

Rさん:えー!どうなるの?

Y行政書士:みなし再入国許可をうけていないと在留資格や在留期間が消滅します。

Rさん:それって、また改めてビザを申請しないと日本に入れないということですか。

Y行政書士:はい。そうですね。大変ですから気をつけましょうね。みなし再入国許可のてつづきは空港でEDカードにチェックしたものを出国審査官に提示して、再入国しますと言えばいいです。

 

Rさん:みなし再入国許可では期限があるのでしょうか。

Y行政書士:1年です。延長はできませんよ。1年のあいだに在留期限がくるのでしたら在留期限までです。

 

Rさん:でも飛行機が天気悪くてキャンセルとか…。

Y行政書士:ざんねんですが、たとえ本人以外に責任がある理由であっても、みなし再入国許可の延長はできません。あらためて新規にビザを申請することになってしまうんです。

 

Rさん:でもいつ日本に戻ってこれるか、わからないなぁ。

Y行政書士:Rさんの場合ですと、在留期限はあと1年半あるようなので、もう一つの方法もありますよ。再入国許可の申請という方法です。

Rさん:なんか面倒そうですね

Y行政書士:再入国許可では、有効期限は在留期限までとなります。永住ビザをもっているばあいですと5年間に1年延長が可能なのですが。

Rさん:在留期限よりも早く帰国しても構わないのでしょうか。

Y行政書士:在留期間更新の手続きもありますからね。

Rさん:これも空港で申請するのですか?

Y行政書士:違いますよ。前もって入管に行き申請します。

 

Rさん:日本に戻って、ビザの更新した後にもう一度出国すること、つまり再入国許可を取ることはできますか。

Y行政書士:申請できますよ。

 

行政書士がさらに詳しくみなし再入国許可と再入国許可の違いを解説

みなし再入国許可と再入国許可それぞれの違いを説明します。

  • 期間のちがい

出国してからふたたび日本へ戻って入国までの期間がことなります。

みなし再入国の場合

有効なパスポートと現在ビザをもっている外国人で、短期滞在やビザが

3ヵ月以内の在留期限ではない方に対して、1年以内に日本に戻ってくる場合は、原則通常の再入国許可のとらなくても入国できる制度です。最長1年ですが、その間に持っているビザの在留期限が来るばあいは、1年ではなく在留期限までとなります。

再入国許可

外国人が一時的に日本から出国して再度日本へ入国するときに入国・出国のための手続きを簡略化することを目的に出国の前に許可を与える制度です。

再入国許可には1回限りの有効な許可と有効期間内では何度でも使える数次の許可の2種類あります。

また、有効期間は今持っているビザの在留期間の範囲内になります。したがい5年(特別永住者は6年以内)が最長となります。永住ビザを持っている方は5年となります。

 

  • 期間の延長

みなし再入国許可

延長はできません。

再入国許可

1回かぎり1年の延長が可能です。ただし在留期間の範囲内となります。

 

  • 申請のタイミング

みなし再入国許可

出国のときに空港で出国審査場の近辺などにある「再入国出国記録(再入国EDカード)」の用紙で右側にある再入国出国記録 【DEPARTURE】の「一時的な出国であり、再入国する予定です」の欄にチェックを入れ、入国審査官に、みなし再入国許可による出国を希望することを伝えるます。

再入国許可

出国の前に、居住地を管轄する入管に行き再入国許可の手続きを行います。当日発行されます。

 

  • 必要な書類
1 申請書
2 在留カード
3 旅券(パスポート)

 

まとめると次の表のようになります。

・みなし再入国許可と再入国許可

みなし再入国許可 再入国許可
出国から再入国までの期間 1年あるいは在留期限まで 5年あるいは在留期限まで
期間の延長 なし 相当の理由がある時

1年可能 1回かぎり

ただし在留期限まで

申請のタイミング 出国時に再入国カードにチェックを入れる 出発前日までに入管に申請、許可をもらう
手数料 なし 一回限り:3000円

数次  :6000円

 

再入国許可が1回しかできない「1回限り」で申請する場合は3000円、在留期間内なら何回でも再入国ができる「数次」で申請する場合は6000円です。

永住ビザを持っている方は注意

 

永住ビザを持っている方もみなし再入国許可、再入国許可の手続きを行う必要があります。

永住ビザの場合は期間5年、相当の理由があるときに延長1年が可能ですが、長期になることにより、期限をうっかり忘れてしまわないように注意が必要です。

さらに永住ビザの場合、在留カードの有効期限あることに注意しなければならない。これは再入国許可の期限とは全く別ものです。永住ビザ、在留カードの一番下に記載されている有効期限になる前に更新手続きを行う必要があります。在留カードの有効期間の更新申請といわれるものです。

住居地を管轄している入管に行き、7年に1度更新を行います。

  • 必要書類など
    • 在留カード有効期間更新申請書
    • 写真 1葉

    ※ 16歳未満の方は、写真の提出は不要です在留カードの有効期間の満了日が「16歳の誕生日」となっている方は、写真が必要

    • 在留カード漢字氏名表記申出書

    漢字氏名の併記を希望する場合

    • パスポート(提示)
    • 現に有する在留カード(提示)

ご案内

東京・新宿・高田馬場のファーストベース行政書士事務所では、再入国許可申請についての手続き代行を行っています。

再入国許可申請 ※ 20,000円+税  (税込22,000円)

※申請者が日本に滞在しているときにかぎります。

入管への印紙代 一回限り 3,000円 数次 6,000円が別途必要です。

入管申請についての交通費は請求いたしません。(都内23区および近郊の市に限ります)

よろしければご検討ください。申込などお打合せは末尾にあるお問い合わせフォームからが便利です。

  • オンラインでのお打合せ可
  • 対面でのお打合せはぜひ高田馬場の当事務所へお越しください。(完全予約制)

書類のお預かりとお渡しは申請されるご本人から直接手渡しに限ります。

 

 [この記事の執筆者]

行政書士 山川鬪志

ファーストベース行政書士事務所 代表

専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請

保有資格:申請取次行政書士

認定コンプライアンスオフィサー

 

 

 

 

         

業務に関するご質問や無料相談のご予約は、お電話・メールにて承っております。

メールでのお問い合わせ・相談のご予約

    ご希望の連絡先 (必須)
    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ウェブからの無料相談のご予約は、希望日時をご入力ください。

    ご相談日時(第一希望) 希望時間:

    ご相談日時(第二希望) 希望時間:

    ご相談日時(第三希望) 希望時間:

    ご希望の相談場所

    ★外国人が日本で暮らすビザ(在留資格)についてのご相談は無料相談 有料相談いずれかをご指定ください。(必須)
    ・無料相談:60分 0円  
    当事務所でのサポート内容の説明や料金およびお客様の状況をお伺いして、帰化や在留資格の申請について許可の難易度や可能性について、ご説明いたします。

    ・有料相談:30分 5000円
    申請書類の内容、手続きについて不明点や心配な所を相談したい場合。

    ※先約などでご希望に沿えないときは、新たな日時をご提案させていただく場合があります。

    ご相談内容(必須)
    例:国際結婚について、 帰化について、就労ビザについて、お客様について (私は~が心配です)など

    ページトップへ戻る