在留資格の要件をみたすことができるのであれば、個人事業主も雇用することは可能です。就労までにいくつかの手続きを踏む必要があります。また、雇用者も気を付けなければならないこともあります。
審査については、法人よりも厳しなると考えた方がよいでしょう。
東京新宿のフィラール行政書士事務所の行政書士が、個人事業主が外国人を雇用する場合の就労ビザの手続きについて解説します。
外国人の採用を考える個人事業主へのガイダンス
就労ビザのなかで個人事業主が雇用を考える場合、よくあるケースの在留資格「技術・人文知識・国際業務」で説明します。
就労ビザの審査が厳しくなる理由
法人に比べ審査が厳しくなるのは、つぎの4つの理由からです。
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それぞれを詳しく説明します。
- 個人事業の存在の証明について
個人事業を始める場合
・税務署に個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)
・都道府県税事務所に「事業開始等申告書」 |
を提出すればだれでもいつでも開業できます。個人事業で開業している公的書類はこのような書類です。
法人の場合は登記手続きが必要なのにくらべて個人事業の開業は、容易に事業を行うことができます。
法人では会社の登記事項証明書といった公的に証明書類があるのですが、個人事業ではありません。事業を実際に行っているかどうかの証明が難しくなります。
決算を行い、確定申告を行っていれば、確定申告書類は最低限、事業を証明する書類となります。事業を始めたばかりのばあいは、他の書類を用意して証明しなければなりません。
- 事業の安定性
従業員の数、規模、顧客の数が法人に比べて比較的少ないので、今後継続して事業を行っていけることを説明資料の準備が大変。
- 事業の継続性
売上高、利益、納税の履歴など。これまでの事業の経緯や売上高、利益から事業の継続性を証明していきますが、利益が少ない場合や赤字となっている個人事業主も少なからずいらっしゃいます。このような場合は継続性を証明することが難しくなります。
- 事業の必要性
その外国人を雇用する理由ですが、個人事業のどんな業務にその外国人が必要なのか、それはなぜかを説明が必要です。「技術・人文・国際業務」の在留資格では、外国人の経歴からその外国人が持っている知識がその業務に必要なのかを説明しなければなりません。簡単なように思えますが、実は結構注意して作成すべきところです。
まとめ
就労ビザについては、規模の大きな法人より中小企業の方が準備する書類は多くなります。さらに個人事業の方が多くなります。証明できる公的な書類が少ない場合は、他の説明できる書類を集める必要があります。どんな書類を準備すればいいかは、個人事業主によってことなります。 |
就労ビザの申請手続きのながれ
就労ビザの手続きは、外国人が今日本に住んでいるかどうかで違ってきます。どちらにしても、ビザの申請までに雇用契約書を結んでおきます。
雇用する外国人が日本に住んでいる場合
雇用契約書を結んでから外国人の持っている在留資格から場合によっては在留資格の変更手続きを行います。就労する予定の業務について外国人が現在持っている在留資格で就労可能かどうか不安な方は就労資格証明書交付申請で確認を行うことができます。
雇用する外国人が海外に住んでいる場合
雇用契約書を結んでから日本に呼び寄せる在留資格認定証明書交付申請の手続きを行います。許可がおりると認定証明書をこれから来日する申請人である外国人へ送付して、外国人は在外公館、つまり海外にある日本大使館あるいは総領事館に認定証明書をもちこんで査証申請を行います。
就労ビザについては、入管法の理解が必要です。思わぬところで法律に違反となってしまう可能性もあります。「知らなかった」で済まされないのが入管法のこわいところではないでしょうか。雇用者も処罰の可能性があるということです。
少しでも外国人の雇用について、心配なことがありましたら、雇用を検討するできるだけ早い段階から専門家への相談されることをお勧めします。
就労ビザをさらに詳しく知りたい方は次の記事もお勧めです。
このリンクボタンは、フィラール行政書士事務所の就労ビザについてのサポートの内容です。
よろしければご検討してみてください。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |