技能実習制度が発展的に解消されて、新たに育成就労制度が始まります。
育成就労制度で対象職種が変わる
技能実習制度では90職種165作業の受け入れ対象職種があります。(令和5年10月31日時点)
育成就労制度に代わると、いままでの技能実習制度で対象となった職種は、変わりなく存続されるのでしょうか。
それぞれの目的を確認すると対象職種の在り方について見えてきます。
育成就労制度の目的と技能実習制度の目的の違い
技能実習制度の目的は、発展途上国に技術などの移転を図るという国際協力が目的でした。そのために対象となる職種も技術移転の目的に沿って対象分野がえらばれています。そのために現在大きな課題となっている人材が確保できない分野とは必ずしも一致していませんでした。
一方今後も継続して存続する特定技能制度は、人手不足の分野に対して、ある一定の専門性、技能を持った外国人を即戦力として受け入れる制度です。
これから始まる育成就労制度の目的は、人材確保と人材育成を目的としています。人材育成については、基本的に3年間の育成期間で、特定技能1号の水準の人材に育成するとうものです。つまり育成就労制度は特定技能制度へのキャリアアップへの道筋、キャリアパスを前提とした制度になっています。
新制度での対象分野は、技能実習制度の分野を機械的に引き継ぐのではなく、特定技能制度における「特定産業分野」の設定分野に限定される見込みです。
就労を通じた人材育成になじまない分野は対象外となるようです。また現行の技能実習制度では、90職種165作業と非常に細分化されていて、限られた細かい範囲での実習計画を立てることになります。そのため技能実習生が幅広い経験を積むといった、キャリアが広がりにくいという課題がありました。
育成就労制度は、特定技能へのキャリアアップを目指していますので、特定技能制度の産業分野に合わせることで、幅広く体系的にキャリアアップが目指せるようになっています。
これまで技能実習で受け入れ可能だった分野・職種が育成就労制度では受け入れができなくなる職種が出てきます。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |