日本での生活は、時には新たな住まいへの移動を伴うこともあります。在留カードに記載事項のうち、住所が変更となった場合、住居地変更の届出を行います。
この記事では、在留カードの住所変更に関する基本的な情報と手続き方法について行政書士が詳しく説明します。
住所変更の基本情報
住所変更が必要な場合
日本国内で住んでいる場所を変更、引っ越しを行うと、新しい住所に移転した日から14日以内に住所変更の手続きを行う必要があります。
これは法的義務です。
規定されている法律は次の通りです。
入管法
(住居地の変更届出)
第十九条の九 中長期在留者は、住居地を変更したときは、新住居地(変更後の住居地をいう。以下同じ。)に移転した日から十四日以内に、法務省令で定める手続により、新住居地の市町村の長に対し、在留カードを提出した上、当該市町村の長を経由して、出入国在留管理庁長官に対し、その新住居地を届け出なければならない。
第71条の5 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
二 第十九条の九第一項の規定に違反して新住居地を届け出なかつた者
住居変更の手続きの場所
在留カードに記載の住所からの変更の手続きは、入管ではなく新たに住むことになる役所に行き、届出をおこないます。
住民票の手続きを行うと、在留カードの裏に新しい住所を記載され、役所経由で入管に届出がされます。
役所での手続き
住民票は、その人がそこに住んでいることを公に証明するものです。
引っ越しを行うと、その住民票データを新しい住所に移動する作業が必要となります。
この作業のことを、住民票を移すと言われています。
・同じ市区町村の場合は役所に行き、転居届をだします。
・別の市区町村への移動場合は、移動前の役所で転出届を提出して転出証明書の交付を受けたあと、 新しい住所地の役所で転出証明書と一緒に転入届を提出します。 |
必要なもの
住所変更の手続きを行う際に必要な持ち物は次の通りです。
- 転居する方全員の在留カード
- 本人確認書類(パスポートやマイナンバーカードなど)
マイナンバーカードを持っている方は必ず持っていきます。マイナンバーカードの住所変更の手続きもあります。
転入手続きの場合は、上記に加え、以前住んでいた所で転出届を行った時に、役所で入手した転出証明書
代理人による手続き
代理人に依頼する場合
本人が直接手続きに行けない場合、代理人に依頼することが可能です。この場合、以下のものが必要となります:
– 委任状:本人または同一世帯員以外の方が届出を行う場合
– 代理人の身分証明書(運転免許証など)
代理人の場合 手続きの流れ
代理人が市役所に行き、必要書類と委任状を提出することで手続きが完了します。
在留カードを代理人に預けることになりますので、本人は在留カードのカラーコピーを控えに持っておくと良いでしょう。
14日過ぎたらどうなる?
住所変更の手続きは、新しい住所に移転してから14日以内に行う必要があります。14日を過ぎてしまった場合でも届出はできますが、法律上の規定により20万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
永住者の住所変更
永住者も他の在留資格を持つ外国人と同様に、住所変更の手続きが必要です。手続きの方法や必要書類は基本的に他の在留資格と同じです。
よくある質問
外国人の住所変更手続きでよくある質問です。
住所変更をしないとどうなりますか
住所変更を行わないと、各種手続きやサービスの利用ができなくなるばかりか、法的な罰則が科される可能性があります。
届出を行わないと罰金だけではなく、在留カードの取消の対象となる可能性があります。
第22条の4 法務大臣は、別表第一又は別表第二の上欄の在留資格をもつて本邦に在留する外国人(第六十一条の二第一項の難民の認定を受けている者を除く。)について、次の各号に掲げるいずれかの事実が判明したときは、法務省令で定める手続により、当該外国人が現に有する在留資格を取り消すことができる。
九 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に届け出た住居地から退去した場合において、当該退去の日から九十日以内に、出入国在留管理庁長官に、新住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)。
在留カード 住所変更 どのくらい時間がかかる?
自治体の窓口の混雑の程度によって異なります。目安として20分~30分程度とアナウンスしている自治体もあるようです。特に日本人も入学や就職、転勤など移動が多い3月から4月にかけての最混雑時期には受付するまで90分以上かかる自治体もありますので、余裕をもって役所に行くようにしましょう。
在留カード費用は どのくらいかかる?
手続きにかかる費用は無料です。
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |