建設業 工事現場に入場可能な在留資格(ビザ)とは

在留資格の種類

さて日本で働く外国人は、自由に仕事を選ぶことができるのでしょうか。
出入国管理法では、在留資格は、大きく2つのグループに分類することができます。
「就労ができる資格」と「就労不能の資格」です。
在留資格は一人にそして一つの期間に一つだけ与えられるものです。交付された 「在留資格」によって就労に関し、制限される内容がが異なります。
違法でない仕事であれば、どんな仕事にも就くことができる「在留資格」とはどれでしょうか。また単純労働が出来る出来ないの観点からも確認してみましょう。
まず28種類の「在留資格」とはどんなものがあるのでしょうか

就労できる資格と就労できない資格

就労できる資格

このグループは対象となる業務が限定される資格と職種を限定されないグループにわかれます。
それぞれを確認しましょう。

イ.業務が限定される資格

「教育」、「医療」、「法律・会計業務」、「経営·管理」、「高度専門職」、「研究」、「企業内転勤」 、「技術·人文 ・国際業務」、「興行」、「介護」、「技能」、「技能実習」
「外交」、「公用」、 「教授」、「芸術」、「報道」 、「特定活動」の一部
これらは、一定の範囲に限定されて許可されるものです。それぞれの資格に関し範囲が決められており、その範囲に限って就労が可能であり、それ以外の他の範囲は報酬をもらって活動を行うことは許されません。

ロ.無制限就労可能資格

「日本人の配偶者等」、「永住者」、「永住者の配偶者等」、「定住者」
これらは、身分系(地位等類型)の資格にあたるものです。

就労ができない資格

「家族滞在」、「研修」、「留学」、「短期滞在」、「文化活動」、「特定活動」の一部

上記の(1)イ.と(2)に関してのみ入管法では、違法な就労活動「資格外活動」の取り締まりの対象となります。(1)ロ.の身分系の在留資格は就労にあたり、日本の国籍を持つ方と同様に、自由に職業を選択できます。

資格外活動許可申請

では、就労できない資格の人は絶対に日本で働くことは不可能でしょうか?アルバイトで働いている留学生の方が大勢いらっしゃいます。彼らはすべて不法就労となるのでしょうか。彼らは留学中の勉学、生活に係る費用を補う程度での活動が一定の制限を満たす限り、申請によって許可されます。
詳しくは、前の記事「留学生をバイトで雇うときは 」でご確認ください。
さて、この資格外活動許可申請ですが、原則資格外活動許可が認められない在留資格があります。「短期滞在」、「技能実習」、「研修」の3つについては原則資格外活動許可が認められません。

次に、この就労ができない資格のうちで「留学」「家族滞在」「特定活動(継続就職活動若しくは内定後就職までの在留を目的とする者又は、これらの者に係る家族滞在活動を行う方、要は卒業後就職活動している方)についてはこの資格外活動許可は包括許可ですが、「文化活動」については勤務先、業務内容が指定された個別許可と
なっています。

資格外活動許可でも就けない仕事

・風俗営業等が含まれる営業所で行われる業務はだめです。風俗営業関連は(ロ)の身分系の在留資格保有者のみに許されています。

・単純労働はだめです。
例外として「家族滞在」、「留学」、「文化活動」、「特定活動」の一部(継続就職活動若しくは内定後就職までの在留を目的とする者又は、これらの者に係る家族滞在活動を行う方)については、一定の制限満たすと、包括的に許可されます。これがコンビニで留学生が働いている根拠です。

例えば、工場労働(組立等現場ライン他)、飲食業 フロアスタッフ(接客、配膳、レジ、清掃、簡単な調理他)、小売業 販売スタッフ(接客 レジなど)、ホテル フロントや客室清掃、ドライバー、清掃員といった業種が、単純労働みなされています。このほかにもたくさんあります。
「技能実習」「特定技能」について制度趣旨により、単純労働が認められています。

建設事現場にはどの在留資格で入れますでしょうか

工事現場もいろいろなパターンがありますので、まず一概には言えない所があると思います。
一般的に想定できる場合として、さきに述べた、単純労働が認められるかどうかの観点で可能性を検討すると良いです。
ホワイトカラーの方が、工事設計者、管理者として現場に立ち入るとして「技術・人文・国際業務」の在留資格を考えるのであれば、絶対に現場作業など単純作業を本人が行わないことを証明できなければなりません。実務で考えるとハードルが高いかもしれません。
次に「技能」で考えるのであれば、その外国人が行う工事が日本にない建築様式ではないと許可がおりません。これは実際のところ、それほど事例がないのではないでしょうか。
現実的に単純作業となると、フルタイムで可能性があるのは、上記の(1)イ.では「技能実習」「特定技能」あたりに可能性が限られてくると考えられます。あとは、(1)ロ.無制限就労資格の「日本人の配偶者等」、「永住者」、「永住者の配偶者等」、「定住者」です。
こちらもフルタイムで働くことが可能です。
アルバイトとして「留学生」「家族滞在」の方が単純作業を行うことは可能ですが、週28時間の制限がありますので注意してください。「留学生」の場合は長期休暇には週40時間までが可能です。「家族滞在」の場合には一年を通し、週28時間です。

違反すると

外国人だけではなく、雇用者も不法就労助長罪として 3年以下の懲役・300万円以下の罰金となる可能性があります。

元請責任もあります。

下請けの会社で違反行為があった場合、元請の事業者も責任が問われる場合があります。外国人が適正に就労資格を持っていることを在留カード、パスポートで確認するなど管理体制をきちんと整備する必要があります。

 

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