アメリカ人のパートナーと日本で結婚しようとして、役所の窓口で「婚姻要件具備証明書を出してください」と言われた。ところが、これまで取得できていたアメリカ大使館の公証済み宣誓供述書は、もう発行してもらえない。
「アメリカ大使館のサイトに書かれている書簡(PDF)を持って行ったのに受け取ってもらえなかった」という声も伺いました。
どこで何を取ればいいのか、はっきりした案内がどこにも見当たらず、途方に暮れてしまう方が多い手続きです。
2025年9月1日の変更から時間が経ちましたが、日本の役所側の運用も含めて、いまだに共通の運用がなされていない感じをもっています。
この記事では、公的に確認できる情報にもとづいて、アメリカ人の婚姻要件を満たしている証明を日本の役所に出すために、何を確認して、どう進めていくのかの手がかりをまとめました。
記事の後半では、宣誓供述書の文面サンプル(英文・和訳)も掲載しています。
|
アメリカ人との国際結婚をお考えの方へ
当事務所では、国際結婚の手続きから、その後の配偶者ビザ申請までを一貫してサポートしています。全国オンライン対応です。 個別相談対応/全国オンライン対応/完全予約制 |
2025年9月1日に何が変わったのか
2025年9月1日以降、在日米国大使館および領事館は、宣誓供述書(Affidavit of Competency to Marry)への公証を行っていません。
ここで押さえておきたいのは、大使館はもともと、婚姻要件具備証明書そのものを発行していたわけではないということです。
これは大使館の運用方針の話ではなく、制度上の前提です。米国務省の規程には、婚姻に法的な障害がないことを政府機関が発行した書面で証明するよう外国政府が求めることがあるものの、米国にはそうした文書も、それを発行する権限を持つ政府機関も存在しないと明記されています。
領事官は、婚姻適格性について公的な証明を行うことができないとも定められています。
大使館が行っていたのは、本人が作成した宣誓供述書に公証を与えることだけでした。
その公証済みの宣誓供述書を、日本の役所が婚姻要件具備証明書の代わりとして受け取っていた、という関係です。
今回なくなったのは、この公証です。宣誓供述書という書類がなくなったわけではありません。
公証を受ける場所が、大使館から米国各州の公証人に移ったと考えるとよいでしょう。
日本の市区町村役場は、外国人が婚姻届を出すとき「本国法上、その婚姻に必要な要件を備えていること」を証明する書類を求めます。
単に独身であることではなく、法律上その相手と結婚できる状態にあることの証明です。
アメリカにはこれを国として発行する制度がないため、これまでは大使館の公証がその役割を代わりに担っていました。
大使館が案内している2つの方法
在日米国大使館は、公証の廃止にあわせて次の2つを案内しています。
在日米国大使館の案内を要約しています。①②の番号は当事務所で付しました。 |
書簡(PDF)だけで受理されるとは限らない
ここが最初の分かれ道です。
①の書簡は、「米国政府はそのような証明書を発行していません」という事実を伝える文書です。
裏を返せば、その人が結婚できる状態にあることを証明する文書ではありません。
役所が確認したいのは後者ですから、書簡だけでは判断材料にならない、という整理になります。
実際、市区町村が公開している案内を見ると、この点がはっきり表れています。
大阪市北区は、アメリカ人と婚姻する場合の必要書類として「米本国の官憲が発行する婚姻要件具備証明書」を掲げ、その具体例として米国各州の公証人が認証した宣誓供述書を挙げています。
藤沢市も同様に、州の公証人が認証した宣誓供述書、または州が発行する独身証明書などを求めています。
いずれの案内にも、大使館の書簡(PDF)は選択肢として登場しません。
もちろん、これは2つの自治体の案内にすぎず、全国すべての役所が同じとは限りません。書簡で足りる役所もあるかもしれません。
ただ、書簡だけを前提に準備を進めると、あとから宣誓供述書が必要になってしまうと、二度手間になる可能性があります。
役所が確認したいことは、ひとつだけ
確認すべきことがいくつもあるように見えますが、役所が知りたいことはひとつです。
「この人が結婚するのに、法的な障害がないこと」——それだけです。
書類がいくつも出てくるのは、その一つの証明を3つの層で組み立てているからです。自分がどの層でつまずいているのかが分かれば、誰に聞けばよいかも決まります。
|
婚姻要件具備証明書は何でできているか
▼ これを3つの層で組み立てます
|
独身証明書だけでは足りないと言われることがあるのは、中身の3点目「法的な障害がない」が書かれていないためです。
また、公証人もアポスティーユも、書かれている内容が真実かどうかを証明しているわけではありません。どちらも裏づけの層の話です。
アポスティーユを付ければすべて解決する、というものではない点にご注意ください。
アメリカに「独身証明書」という書類はありません
先に用語を整理しておきます。ここが分かっていないと、アメリカ側に問い合わせても話が通じません。
アメリカには日本のような戸籍制度がなく、全国共通の独身証明書も存在しません。婚姻の記録は郡(county)単位で保管されており、全国を横断して検索する仕組みがないためです。
独身であることを示す書類として使われているのは、性質の異なる次の2つです。
|
アメリカ側に請求するときは、「独身証明書がほしい」ではなく、上の名称でお問い合わせください。「Single Status Certificate」という呼び方も使われますが、これは総称であって、実際に発行されるのは上の2つのいずれかです。
この記事に出てくる用語は、記事末尾の「この記事で使う用語」にまとめています。
読み進めていて分からなくなったら、そちらをご覧ください。
代わりとなる書類の道は2つあります。
|
まず確認したい道 婚姻記録不存在証明書 + 申述書
藤沢市は、婚姻要件具備証明書として州が発行する独身証明書などを選択肢に挙げ、そこに米国法上の婚姻障害がない旨が記載されていない場合に申述書で補う取扱いを、公開の案内に明記しています。 この形で足りるなら、州の公証人による認証もアポスティーユも不要になる可能性があります。 ただし、郡によって発行の可否や扱いが異なります。 |
|
上記で足りない場合 米国各州の公証人が認証した宣誓供述書
現在独身であり、米国法上の婚姻障害がない旨を宣誓する書類です。州の公証人(Notary Public/ノータリー・パブリック)に認証してもらいます。 大阪市北区・藤沢市とも、可能な限りアポスティーユ認証を取得するよう案内しています。 |
表の下のルートは、州の公証人による認証、アポスティーユ、国際郵送と工程が重なります。
先に上段のルートのやり方を確認しないまま下段のやり方を進めると、本来なら不要だった手間と時間を使うことになりかねません。
申述書について
申述書は「婚姻要件具備証明書が取得できない旨」を申し立てる書類です。
作成するのは申請者ご本人と日本人配偶者です。多くの役所が独自の様式を用意していますので、窓口で確認してください。
宣誓供述書を取得するまでの流れ
|
アメリカ側で書類を整えるまで
|
2から5までは、いずれもアメリカ側での手続きです。日本にいながら進めるには時間がかかります。だからこそ、1を飛ばさないことが重要になります。
公証やアポスティーユは、何を証明しているのか
公証人が証明しているのは、本人が面前で宣誓し署名したという事実です。
書かれている内容が真実かどうかは証明していません。アポスティーユも同じで、その公証人が本物であることを州が証明するものです。
つまり、どちらも「その人が独身であること」を保証しているわけではありません。アポスティーユを付ければ内容が認められる、というものではない点にご注意ください。
|
結婚後の在留手続きまで見据えて
婚姻が成立したあと、日本で一緒に暮らすには配偶者ビザの申請が必要です。 個別相談対応/全国オンライン対応/完全予約制 |
州の公証人・オンライン公証について
日本に住んでいる方にとって、次の問題は「州の公証人にどうやって認証してもらうのか」です。
大使館は、役所が書簡(PDF)を受け入れず公証済みの宣誓供述書を求めた場合、一部のアメリカの州が提供する電子公証サービスが選択肢となる可能性があると案内しています。
ビデオ通話などを通じて、州の公証人にオンラインで認証してもらう仕組みです。
ただし、すべての州が対応しているわけではありません。
たとえばカリフォルニア州の公証人ハンドブックには、現行法は音声・映像による遠隔オンライン公証を行う権限を公証人に与えておらず、公証行為には本人が物理的に公証人の面前に出頭することを求めている、と記載されています。
映像や非物理的な形での立会いは、出頭とは認められません。オンライン公証法(SB 696)は2030年1月1日まで開始されないとされています。
また、書類を郵送して公証してもらうこともできません。宣誓認証は、署名者が面前に出頭し、宣誓し、公証人の面前で署名した文書にしか付すことができないとされています。
お住まいの州が対応しているかどうかは、州によって異なります。
まずはご自身の州の制度を確認してください。そのうえで、日本の役所がその形式を受理するかどうかも別途の確認が必要です。
大使館自身も、受け入れられるかどうかを必ず市区町村役場に確認するよう案内しています。
なお、日本国内の公証役場(日本の公証人)で認証を受けても、これはアメリカの州の公証人による認証とは別のものです。
役所が求めているのが後者である場合、代わりにはなりません。
アポスティーユの取得先
アポスティーユは、公証を受けたその州の州務長官室(Secretary of State)に申請します。
日本の外務省が発行するアポスティーユとは、別の制度・別の窓口です。
ここで注意したいのは、州をまたげないことです。オハイオ州務長官室は、同室がアポスティーユを付与できるのはオハイオ州の公務員が発行した文書またはオハイオ州の公証人が公証した文書に限られる、と説明しています。テキサス州でも、州内の公文書を国外で使用するために認証できるのは州務長官室だけとされています。
つまり、A州の公証人に認証してもらった書類は、A州の州務長官室でしかアポスティーユを取得できません。他州や、ワシントンD.C.の米国国務省認証室(Office of Authentications)に持ち込むことはできません。
国務省が扱うのは、連邦機関が発行した文書です。
州務長官室が証明する内容も、限定されています。コロラド州務長官室は、認証証明書によって証明するのは文書上の公証人または公務員の署名の真正性と、署名した個人の資格である、と説明しています。
カリフォルニア州の例
カリフォルニア州務長官室では、郵送または窓口での申請が案内されています。
手数料は1通あたり20ドル、窓口申請の場合は認証する公務員の署名ごとに6ドルの特別取扱手数料が加算されます(郵送申請には加算されません)。
公証を受けた州の州務長官室(Secretary of State)にアポスティーユを申請します。多くの州では本人以外でも申請できるため、アメリカに住む家族や知人に手続きを依頼することも可能です。なお、申請方法や必要書類は州によって異なるため、事前に州務長官室の案内を確認しましょう。
婚姻届に必要な書類
市区町村役場に婚姻届を提出する際の、一般的な必要書類です。求められる範囲は役所によって異なります。
|
提出先 市区町村役場(戸籍担当窓口) 日本の方式で婚姻を成立させるために
日 日本人が用意
|
日本人の戸籍謄本は、令和6年3月1日の戸籍法改正により、婚姻届の提出時に添付が不要となりました。
ただし届書には本籍・筆頭者の氏名を正確に記載する必要があるため、本籍が分からない場合は、本籍地記載の住民票などで事前に確認しておいてください。
書類の有効期限
有効期限は、通常、日本側で発行される書類について問われるもので、発行から3か月以内とされるのが一般的です。
アメリカで発行された書類にも期限を求められることがあります。
すでに取得済みのものが手元にあっても、そのまま使えるとは限りません。
書類を集め始める前に、市区町村役場の窓口で、それぞれの書類の有効期限を確認しておいてください。
取り寄せてから期限切れが判明すると、再度アメリカに依頼することになります。
書類を集め始める前に、役所で確認する
ここまで見てきたとおり、求められる書類は役所によって少し異なります。
出生証明書を求める役所もあれば、求めない役所もあります。
これは役所の対応の良し悪しの話ではありません。婚姻要件を満たしているかどうかを判断するのは役所の戸籍事務であり、提出された書類から判断できるかどうかで、必要な追加資料が変わってくるためです。
問題は、アメリカから取り寄せる書類は時間がかかるということです。
宣誓供述書の公証、アポスティーユ、国際郵送を重ねれば、数週間から数か月かかることもあります。
揃えたつもりで窓口に行き、そこで別の書類を求められると、予定が大きく狂います。
必要書類をすべて揃えて、婚姻届を提出します。
結婚する日を決めている方は、早めに動き始めてください。
大阪市北区も藤沢市も、必要書類が揃った段階や婚姻届を記載した段階で窓口に来庁し、事前の審査を受けることを勧めています。
当事務所でも、どの国の方との国際結婚であっても、書類の準備を始める前に提出先の役所を訪問して必要書類を確認することをお勧めしています。
どう確認すればよいか
日本の市区町村役場は、窓口で直接ご相談ください。この手続きは個別の事情によって必要書類が異なる可能性があります。
実際に窓口で相談すれば、担当者が確認してくれます。
相談のときは、ご自身の状況を先に伝えます。アメリカ人と結婚予定であること、相手の出身州、離婚歴の有無。ここが分かると、役所も具体的に答えられます。
アメリカ側への問い合わせは、州務長官室や州の記録部門のサイトに記載されている連絡先をご確認ください。窓口や受付方法は州によって異なります。
あわせて確認しておきたいこと
提出した書類が返却されるかどうかは、確認しておく価値があります。藤沢市は、パスポートを除きすべて原本を提出することとし、提出書類は返却しないと明記しています。
アメリカから取り寄せた書類を1通しか持っていない場合、婚姻届で使い切ってしまうと、そのあとの手続きで再度取り寄せることになりかねません。
返却されない運用であれば、はじめから複数通を取得しておくほうが安心です。
翻訳文にも書き方や注意点があります。日本語訳は原本に直接書き込まず、コピーか別紙に作成してください。
翻訳者の氏名・翻訳日・翻訳者住所を明記します。要約文では足りず、証明書の内容すべてを訳す必要があります。
確認リスト
この手続きが分かりにくいのは、現在決まっていることと決まっていないことが入り混じっているからです。整理すると、制度としての骨格は決まっていて、個別に確認が必要なのは7つです。
制度として決まっていること
|
確認が必要な7つのこと
ここから先は、役所や州によって答えが変わります。
日 日本の市区町村役場に聞く
米 アメリカ側に聞く
日本側の4つを先に確認してください。そこが決まらないと、アメリカ側に何を頼めばよいかが決まりません。
|
役所に最初に聞くべきことは、確認1です ここで「対応できる」と言われれば、州の公証人による認証も、アポスティーユも、それに伴う国際郵送も不要になる可能性があります。先に他のことを聞いてしまうと、本来なら通らなくてよかった重い手続きに進んでしまうことがあります。 |
|
日 確認1 まずこれを聞く 独身証明書(婚姻記録不存在証明書)と申述書で対応できますか
なぜ聞くか これで足りるなら、州の公証人による認証もアポスティーユも不要になる可能性があります。工程が大きく減るため、いちばん最初に確認すべきことです。藤沢市はこの取扱いを公開の案内に明記しています。 対応できると言われたら 郡や州の記録部門に、婚姻記録不存在証明書の発行を依頼します。申述書の様式が役所にあるか、出生証明書もあわせて必要かも確認してください。 あわせて聞くこと 「現在の居住州の記録で足りますでしょうか」。アメリカは州ごとに婚姻記録を管理しているため、請求先の範囲を先に確認しておくと無駄がありません。 対応できないと言われたら 州の公証人が認証した宣誓供述書が必要になります。確認2以降に進んでください。 |
|
日 確認2 アポスティーユは必要ですか
なぜ聞くか あとから求められると、書類をアメリカに送り直すことになります。往復で1か月以上かかることもあります。 必要と言われたら 公証を受けた州の州務長官室に申請します。公証と同じ州でしか取得できません。 あわせて聞くこと どの書類に必要か。書類ごとに扱いが異なる場合があります。 |
|
日 確認3 出生証明書や離婚証明書は必要ですか
なぜ聞くか 求める役所と求めない役所があります。いずれもアメリカから取り寄せる書類で、時間がかかります。 必要と言われたら 早めに取り寄せを始めます。離婚歴がある場合は、離婚日が確認できるものかどうかも確認してください。 不要と言われたら 念のため、後から求められる可能性があるかも聞いておくと安心です。 |
|
日 確認4 それぞれの書類に有効期限はありますか
なぜ聞くか 日本で発行される書類は発行から3か月以内が一般的です。アメリカで発行された書類にも期限を求められることがあります。 期限があると言われたら 取り寄せの順番を組み直します。先に取りすぎると、揃った頃に最初の書類が切れていることがあります。 注意 すでに手元にある書類が使えるとは限りません。取り寄せる前に確認してください。 |
|
米 確認5 郡書記官・州の記録部門(County Clerk/Vital Records など) 婚姻記録不存在証明書は発行されますか
なぜ聞くか 発行している郡・州と、そうでないところがあります。取得までの期間は、全体のスケジュールを左右します。 発行されるなら 取得までの期間、手数料、日本へ直接郵送できるかを確認します。州によっては、検索する年数に応じて手数料が加算されます。本人以外が代理で請求できる場合もあります。アメリカにご家族や知人がいれば、依頼できるか聞いてみてください。 発行されないと言われたら 行き止まりではありません。州の公証人が認証した宣誓供述書という方法があります。日本の役所に戻り、その形で足りるかを聞いてください。 |
|
米 確認6 州・公証サービス 遠隔(オンライン)での公証は利用できますか
なぜ聞くか 利用できれば、日本にいながら公証を受けられます。ただし州によって可否が分かれます。 利用できるなら 必要な本人確認書類を確認します。米国発行の運転免許証などを求められる場合があります。あわせて、日本の役所がその形式を受理するかも確認してください。 利用できないと言われたら 対面での公証が必要です。渡米の予定に合わせるか、次に帰国する際にまとめて済ませる段取りを検討してください。 |
|
米 確認7 州務長官室(Secretary of State) アポスティーユの取得にどのくらいかかりますか
なぜ聞くか 処理期間は州や時期によって変動します。ここが読めないと、全体のスケジュールが立ちません。 あわせて聞くこと 郵送申請ができるか、本人以外が代理で申請できるか、日本へ返送できるか。代理申請が可能なら、アメリカにいるご家族に依頼できます。 注意 公証を受けた州の州務長官室に申請します。別の州や米国国務省では受け付けられません。 |
行き詰まったときは、日本の役所に戻る
この手続きでいちばん多い行き詰まり方は、アメリカ側で「できない」と言われた時点で止まってしまうことです。
州に制度がない、遠隔公証に対応していない。そうした回答が返ってきたとき、次にすべきことは日本の役所に戻って「では、代わりに何であれば足りますか」と聞くことです。
役所が判断するのは「婚姻要件を備えていると確認できるかどうか」です。書類の名前が最初から決まっているわけではありません。
手に入る書類の組み合わせで足りるかどうかは、役所と相談しながら詰めていく部分があります。
アメリカ側と日本側をなんどかやりとりが往復することになるかもしれません。
それは遠回りではなく、この手続きの現状だとお考えください。
宣誓供述書の文面サンプル(英文・和訳)
州の公証人に相談するとき、あるいはご自身で文面を作成するとき、どういう内容の書類が必要なのかを説明する参考として、文面をご紹介します。
以下は、2025年8月まで在日米国大使館が公証していた宣誓供述書(Affidavit of Competency to Marry)で用いられていた、おおむね次のような内容の文面です。決まった様式があるわけではありませんが、日本の役所が確認したい事項が過不足なく含まれています。
|
英文 I, the above-mentioned person being duly sworn, do declare that, according to the laws of my domicile, I am of legal marriageable age, that I have not been married before / I have been married before and divorced, and that there is no hindrance, legal or otherwise, to my uniting in marriage with 和訳 私は上記の本人であり、宣誓のうえ、以下のとおり宣言いたします。私の居住地の法律に基づき、私は法定婚姻年齢に達しており、これまでに婚姻歴がない/以前に婚姻していたが離婚していること、そして、法的またはその他の障害がなく、婚姻することに支障がないことをここに宣言いたします。 |
この文面が押さえている3つのこと
この短い文面には、日本の役所が確認したい事項が3つ含まれています。
|
末尾の「法的またはその他の障害がなく、婚姻することに支障がない」——役所が確認したいのは、まさにこの部分です。文面をご自身で作成される場合も、この3点が含まれているかをご確認ください。
なお、公証人は本人が面前で宣誓し署名したことを認証する立場であり、文面を用意してくれるわけではありません。あらかじめご自身で準備してお持ちください。
宣誓供述書(Affidavit of Competency to Marry)は、単に独身であることを述べる書類ではありません。
法的に結婚できる要件を備えていることを宣誓するものです。
大使館が公証していた時期の文面は、おおむね次のような内容でした。
州の公証人に相談するとき、どういう内容の書類が必要なのかを説明する参考になります。
ポイントは末尾です。「法的またはその他の障害がなく、婚姻することに支障がない」——役所が確認したいのは、まさにこの部分です。
独身であることだけを証明した書類では足りないとされる場合があるのは、この一文が欠けているためです。
この記事で使う用語
アメリカの手続きは、同じものが複数の名前で呼ばれます。読み進めていて分からなくなったときに、こちらをご確認ください。
|
よくある質問
Q. 大使館が出している書簡(PDF)を役所に持って行けば足りますか。
(参考問合せ英文:I showed them the official statement from the U.S., however they wouldn’t accept that)
足りない可能性があります。大阪市北区・藤沢市が公開している案内には、この書簡は選択肢として記載されておらず、いずれも州の公証人が認証した宣誓供述書などを求めています。書簡は「米国政府がそのような証明書を発行していない」ことを伝える文書であって、婚姻要件を備えていることの証明ではないためです。書簡だけを前提に準備を進めると、二度手間になる可能性があります。
Q. 宣誓供述書はどこで作ればいいのですか。
(参考問合せ英文:Where can I get an affidavit done?)
文面はご自身で作成し、米国各州の公証人(Notary Public)に認証してもらいます。役所によっては、郡や州が発行する婚姻記録不存在証明書と申述書の組み合わせでも対応できる場合があります。いずれの形で足りるかは、提出先の役所に事前に確認してください。
Q. 自分の州には独身を証明する制度がないと言われました。
(参考問合せ英文:I’m pretty sure my state doesn’t provide any documents related to this)
アメリカに「独身証明書」という全国共通の書類はなく、郡や州が婚姻記録を検索して発行する婚姻記録不存在証明書が、これにあたります。発行している郡・州と、そうでないところがあります。取得できない場合でも、州の公証人が認証した宣誓供述書というルートがあります。藤沢市の案内では、州発行の証明書で婚姻障害がない旨が証明できない場合について、申述書で補う取扱いが示されています。まずは提出先の役所に、どの形であれば足りるかを確認してください。
Q. アポスティーユは必要ですか。
(参考問合せ英文:you didn’t need to get an apostille or anything like that?)
大阪市北区・藤沢市とも「可能な限りアポスティーユ認証をご取得ください」としています。推奨されています。あとから求められると書類をアメリカに送り直すことになり、時間の損失が大きくなります。取得できる状況にあるなら、はじめから付けておくほうが確実です。
Q. 宣誓供述書の文面は、誰が作るのですか。
(参考問合せ英文:I could write a self statement declaring that I’m single)
ご自身で作成します。公証人は、本人が面前で宣誓し署名したことを認証する立場で、文面を用意する役割ではありません。大使館が公証していた時期も同じで、本人が作成した宣誓供述書に公証を与えていました。
ただし、記載すべき事項が漏れていると、日本の役所で足りないと判断される可能性があります。この記事の「宣誓供述書の文面サンプル(英文・和訳)」に、大使館が公証していた時期の文面を掲載していますので、ご参照ください。
結婚したあとの配偶者ビザ
婚姻届が受理されれば、日本の方式での婚姻は成立します。アメリカ側に特に報告する必要はありません。
ただし、結婚したからといって日本で一緒に暮らせるわけではありません。アメリカ人の配偶者が日本で生活するには、「日本人の配偶者等」の在留資格(配偶者ビザ)が別途必要です。
すでに就労や留学の在留資格で日本にいる方は在留資格変更許可申請、アメリカにいる方は在留資格認定証明書(COE)の交付申請から始まります。婚姻の成立と在留資格の許可はまったく別の審査で、結婚が成立していれば自動的に許可されるものではありません。
手続きの流れや必要書類は配偶者ビザ申請サポートのページで解説しています。短期滞在で来日中のパートナーとの手続きをお考えの方は短期滞在から配偶者ビザへの変更もあわせてご覧ください。
アメリカ人との国際結婚手続き全体の流れは、アメリカ人との婚姻手続きで解説しています。
|
将来を見据えて、配偶者ビザ申請を進めたい方へ
国際結婚に関する在留手続きは、現在の許可取得だけでなく、その後の更新・永住申請まで視野に入れた準備が重要になります。当事務所では、永住申請を視野に入れたサポートを行っています。 個別相談対応/全国オンライン対応/完全予約制 |
国際結婚や配偶者ビザ申請で役立つ記事
|
この記事の情報について この記事は、作成時点で確認できた公的情報にもとづいています。2025年9月1日の変更以降、日本の市区町村役場の運用にばらつきが見られ、今後自治体や米国各州・各郡の取扱いは変更される可能性があります。 実際の手続きにあたっては、必ず提出先の市区町村役場および該当する州・郡の窓口にご確認ください。本記事の情報にもとづく手続きの結果について、当事務所は責任を負いかねます。 個別のご事情に応じたご相談・書類作成は、業務として承っております。 |
![]() |
[この記事の執筆者] 行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |
当事務所は、新宿区・高田馬場の行政書士事務所です。配偶者ビザ、特定技能など就労(働く)ビザ、永住・帰化申請を専門に、全国オンライン対応でサポートしています。






