(2026年5月更新)
「ベトナム人の家族や恋人を日本に呼びたいが、この内容で本当にビザが通るのか不安」
このようなご相談は非常に多く寄せられています。
短期滞在ビザは、観光・親族訪問・恋人との面会・短期商用など幅広く利用されますが、
実際の審査では「書類が揃っているか」「記載内容に整合性があるか」だけで判断されるわけではありません。
- 来日の目的に無理がないか
- 申請人と呼び寄せる人との関係性に信ぴょう性があるか
- 滞在後に帰国するか
といった点を総合的に見られるため、
一見同じように見えるケースでも、結果が分かれることがあります。
たとえば、
- 来日の目的に不自然な点がある
- 招へい人と申請人の関係性を裏付ける説明や資料が不足している
- 滞在中の行動や帰国の見込みについて問題ありそう
といった場合、慎重に審査される要因になります。
実際のご相談でも、
- 招へい理由や滞在予定の書き方に迷う
- 呼び寄せる外国人との関係性の説明や準備する資料について不安になる
- この内容で申請してよいか判断できない
といった「申請前の準備段階」でつまずくケースが多く見られます。
この記事では、ベトナム人の短期滞在ビザについて
・審査で見られているポイント
・不許可リスクを避けるための考え方
を、実際の経験をもとに分かりやすく解説しています。
「このまま申請して問題がないか」について参考として、申請前の確認としてご活用ください。
ベトナム人を短期滞在ビザで日本に呼ぶには
ベトナムにいる方を日本へ短期間招へいする場合、「短期滞在ビザ」を取得する必要があります。
短期滞在ビザは、観光や親族訪問だけでなく、恋人・婚約者との面会、短期商用(商談・視察など)といった目的でも利用される在留資格です。
短期滞在ビザでできること・できないこと
できること
短期滞在ビザでは、以下のような活動が認められています。
短期間日本に滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習または会合への参加、業務連絡その他これに類似する活動が可能です。
滞在できる期間
短期滞在ビザの在留期間は、以下のいずれかとなります。
- 15日以内
- 30日
- 90日
※個別の審査により決定されます
短期滞在の主な種類
短期滞在ビザは、目的に応じて大きく以下に分かれます。
・観光
・親族・知人訪問
・短期商用
親族・知人訪問
日本に住んでいる家族に会う場合や、日本人の恋人・婚約者と会う場合などが該当します。
短期商用
ベトナムの企業に所属する方が、日本で商談や会議、市場調査などを行う場合です。
できないこと(重要な注意点)
就労はできない
短期滞在ビザでは、日本で報酬を伴う活動(いわゆる就労)は認められていません。
短期商用の場合でも、日本国内で雇用される形で働くことや、日本での活動の対価として報酬を受け取ることはできません。また、海外の会社から支払われる給与であっても、その内容が日本での活動の対価とみなされる場合には、実質的な就労と判断される可能性があります。
一時的な出国と再入国
短期滞在ビザは、いわゆる再入国制度の対象外です。
そのため、在留期間中に一度日本を出国すると、再度入国する際には新たに査証(ビザ)を取得する必要があります。
※複数回の入国を予定している場合は、数次査証(滞在期間:15日又は30 日、査証の有効期間:最長5年)があります。
短期滞在ビザ申請の基本|登場人物は3人
短期滞在ビザの申請では、以下の3つの立場を理解しておくことが重要です。
・申請人(ベトナム側)
実際に日本へ渡航する本人です。ベトナム国内で申請手続きを行います。
・招へい人(日本側)
ベトナム人を日本に呼ぶ人です。必要書類を準備し、申請人へ送付します。
・身元保証人
申請人の滞在費や帰国費用などについて保証する立場の人です。招へい人と同一人物でも問題ありません。
身元保証人の役割と注意点
身元保証人は、申請人の滞在に関する一定の事項を保証する立場ですが、一般的な民法上の保証人とは性質が異なります。
たとえば、保証内容が履行されなかった場合でも、法的責任(損害賠償など)が発生するものではありません。約束の履行を保証人が指導するにとどまります。
ただし、その後のそれ以降の入管申請、更新申請などについて身元保証人の適格性を欠くことになります。社会的な信用を失うことから道義的な責任を求めていることになります。
ベトナム人の短期滞在ビザ申請の流れ
短期滞在ビザの申請は、日本側(招へい人)とベトナム側(申請人)が連携して進める必要があります。
全体の流れを事前に把握しておくことで、手続きの抜け漏れや不備を防ぐだけでなく、日本側で作成した書類の内容を共有しながら進めることで、不許可となるリスクを抑えることにもつながります。
step1 招へいを計画する
まず日本に来る目的と計画を立てましょう。何日間日本に滞在するのでしょうか。
計画に従い滞在予定表を作成します。
step2 日本側の必要書類を準備
まず、日本にいる招へい人が必要書類を準備します。
短期滞在ビザの申請に必要な書類
| [日本側が用意する書類]
■親族訪問・知人訪問の場合
親族訪問:戸籍謄本や出生証明書・結婚証明書など 知人訪問:写真、e-mail、LINE等のチャットアプリのやり取りの記録
直近の課税証明書または納税証明書(様式その2) 預金残高証明書
■短期商用の場合
[申請人が準備する書類]
|
■この段階で特に注意すべきポイント
申請準備の段階では、書類の収集や確認に想定以上の時間がかかることがあります。
また、申請する国や地域によって、求められる書類や提出方法が少し異なる場合もあるため注意が必要です。
これまでの私の経験上、特に重要なのは、来日計画が決まった時点で、申請人が現地の日本大使館(ベトナムは指定の代理申請機関)に対して、最新の必要書類や申請方法を事前に確認しておくことです。
事前確認を行うことで
・必要書類の不足や誤りを防げる
・申請のやり直しを回避できる
・全体のスケジュール遅延を防げる
といったメリットがあります。
また、実際に窓口を訪問することで、個別の事情に応じた申請内容について直接相談や確認できる点も大きなメリットです。
必要書類の細かな要件や提出方法は変更されることもあるため、「過去の情報だけで準備を進める」ことは避け、最新情報を確認したうえで進めることが重要です。
step3 書類を作成する
必要書類で
- 招へい理由書
- 身元保証書
- 滞在予定表
については必要事項を記入します。また招へい理由書の詳細を別紙で招へい人が作成します。
■この段階で注意すべきポイント(記入時のコツ)
記入が必要な書類は、役所関係の証明書などがすべて揃ってから、一度に作成することが重要です。
短期滞在ビザの申請書類には、氏名・住所など共通する項目が含まれているため、バラバラに作成すると内容の不一致が生じる可能性があります。すべての書類を作成した後は、各書類の内容を見比べながら、必ずチェックを行ってください。
チェックするポイント
・住所や滞在期間の不一致
・招へい理由や訪問目的の記載内容
これらの転記ミスや不整合があると、審査において不信感を持たれる可能性があります。
step4 書類をベトナムへ送付
作成した書類一式を、申請人(ベトナム側)へEMSやDHL等で送付します。
原本提出が必要な書類もあるため、送付方法や日数も考慮して準備することが重要です。
step5 ベトナム側の書類を準備
申請人は、日本側から送られてきた書類に加えて、自身で準備する書類を揃えます。
主に、査証申請書やパスポート、証明写真、職業や収入に関する書類などが必要となります。
申請書については、所定の様式をダウンロードし、申請人本人が記入します。
■ この段階で注意すべきポイント
申請書の記載項目には、日本側(招へい人)の住所や勤務先などの情報を記入する欄があります。
そのため、日本側でも事前に申請書の様式(英文)を確認し、記載が必要となる情報を正確に申請人へ伝えておくことが重要です。
チェックするポイント
・住所や会社名の表記(英語表記を含む)
・日本側書類との記載内容の不一致
これらの情報に誤りがあると、書類全体の整合性が取れず、信ぴょう性を疑われる場合があります。
step6 現地の申請機関へ提出
書類が揃ったら、申請するベトナム人がベトナム国内の申請窓口へ提出します。
通常は、大使館指定の代理申請機関で申請します。
step7 審査
提出された書類をもとに日本大使館で審査が行われます。
問題なければ申請受理翌日から最短で6業務日でビザが発給されます。
step8 ビザ発給・来日
審査に通過すると査証(ビザ)が発給されます。
短期滞在ビザ(査証)は、原則として1回の入国に限り有効です。
また、査証の有効期間は発給された翌日から3か月間となっており、この期間内に日本へ入国する必要があります。
■ この段階で注意すべきポイント
・ここで言うビザは「入国のためのもの」であり、入国後の滞在期間とは別です
・ビザの有効期間(3か月)を過ぎると、そのビザでは入国できません
・短期滞在ビザでは、一度日本を出国すると、原則として同じビザで再入国はできません
そのため、ビザの有効期間を踏まえたスケジュール管理が重要です。
・渡航日程がある程度決まってからビザを申請する
・来日フライトは予約にとどめ、査証の発給結果が出るまで航空券の購入は控える
このように、審査期間とビザの有効期間の両方を意識して準備を進めることで、無駄な再申請や費用の発生を防ぐことができます。
短期滞在ビザが不許可になる本当の理由
短期滞在ビザの不許可理由についてネットで調べてみると、「書類の不備」や「記載内容の不一致」といった説明が多く見られます。
もちろんこれらも重要な要素ですが、実際の審査ではそれだけで判断されているわけではありません。
本質的には、審査において「この申請内容で日本に入国させても問題がないか」という観点から総合的に判断されています。
- そのため、書類が形式的に揃っていても、
- 滞在目的が不自然ではないか
- 申請内容に信頼性があるか
- 滞在後に帰国するか
といった点に疑義が生じた場合、不許可となる可能性があります。
ベトナム人の短期滞在ビザでよくある疑問
Q. 短期滞在ビザは誰がどこで申請するのですか?
実際に申請を行うのは、日本に来るベトナム人本人(申請人)です。
申請はベトナム国内にある日本大使館・総領事館が指定する代理申請機関を通じて行います。
一方で、日本側の招へい人は、日本側の書類、招へい理由書や滞在予定表、身元保証書などの書類を準備し、それらを申請人へ送付する役割を担います。ベトナム人に関する書類はベトナム人が準備します。
このように、短期滞在ビザは「日本側とベトナム側で書類を準備し、ベトナム側で申請する」という流れになるため、
両者の連携が重要になります。
Q. 短期滞在ビザの準備にはどのくらいの期間がかかりますか?
個々の状況によって異なりますが、書類の収集や作成を含めると、一般的には1か月程度を目安に準備されるケースが多く見られます。
会社勤めの方などで平日に時間を取りにくい場合は、さらに時間がかかることもあります。
また、招へい理由書などの作成にも一定の時間が必要です。
加えて、日本とベトナム間で書類を送付する必要があるため、その分の日数も考慮する必要があります。
短期滞在ビザは、提出後に内容の修正が難しいため、余裕を持って準備を進めることが重要です。
渡航予定日から逆算して、早めに準備を開始することをおすすめします。
Q. ベトナム人の短期滞在ビザは申請した後どれくらいで取得できますか?
A.ベトナムの日本大使館の案内では、通常、申請受理後最短で6営業日程度で審査結果が出るとされています。
ただし、申請内容に確認が必要な場合や書類に不備がある場合には、それ以上の時間がかかることもあります。
Q. 恋人を日本に呼ぶ場合でもビザは取得できますか?
A.はい、可能です。ただし、親族訪問と比べて関係性の説明が重要になります。
交際の経緯や連絡の履歴、写真などを通じて、関係性の信ぴょう性を書類で示す必要があります。
Q. 出会いが一般的ではないのですが、正直に書いた方が良いですか?
A.公序良俗に反していない、真実の恋愛感情からの恋人関係であるならば、実際の経緯に基づいて正直に記載することが重要です。嘘や実態と異なる内容で申請することは虚偽申請に該当するので、決して行ってはいけません。
短期滞在ビザの審査では、書類が揃っているかだけでなく、申請内容全体として不自然な点がないかが確認されます。
そのため、内容を取り繕ったり事実と異なる説明をした場合、かえって信ぴょう性に疑問を持たれ、不許可となる可能性があります。
一般的ではない出会いの場合は、真摯な恋愛感情からの恋人であることの関係性の説明や理由書の書き方が特に重要になります。
詳しくは以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。
リンク:短期滞在ビザ(知人訪問)で恋人を呼ぶのは簡単?不許可リスクと一般的ではない出会いの注意点
個別の状況によって判断が分かれるケースもありますので、不安な場合は申請前に一度ご相談ください。
まとめ
短期滞在ビザは、単に書類の不備や整合性だけで判断されるものではありません。
審査では、「この申請内容で日本に入国させても問題がないか」という観点から、目的・関係性・帰国の見込みなどが総合的に見られています。
そのため、書類を揃えること自体が目的ではなく、申請内容全体として入国の妥当性を説明できているかが重要になります。
一見問題がないように見えるケースでも、
- 滞在目的の説明が十分でない
- 関係性の裏付けが不足している
- 帰国の見込みが疑わしい
といった場合には、審査の中で疑義が生じる可能性があります。
ただし、説明の仕方によって結果が変わるとはいえ、事実と異なる内容や実態と合わない申請が認められるものではありません。
重要なのは、実態に即した内容を、誤解なく伝わる形で準備できているかという点です。
短期滞在ビザは、申請前の段階での準備が結果を左右します。「問題ない内容でも説明が不足していた」というケースもあります。
当事務所では、ベトナム人の短期滞在ビザについて、申請サポートを行っています。
お客様のお話をお伺いし、来日目的や申請人との関係など申請内容の全体像を整えたうえで、個別の状況に応じた申請準備を進めていきます。
主なサポート内容は以下のとおりです。
- お打合せ内容からリスク診断
- 状況に応じた必要書類リストの作成
- 招へい理由書などの書類作成
「この内容で申請して大丈夫か不安」という方は、今すぐ下のお問い合わせフォームから打ち合わせをご予約ください。また以前自己申請を行い、不許可となったケースの再申請を行う方のご相談もお待ちしています。
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[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部所属 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー
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申請書の作成や提出にあたっては、必ず最新の情報や現地在外公館の案内を確認してください。
具体的な申請については、専門家に相談することをおすすめします。





