配偶者ビザは収入いくら必要?無職・低収入でも許可を得るための考え方|無理とあきらめる前に行政書士が解説

本文作成:ビザ専門行政書士 山川 鬪志(申請取次行政書士・登録番号19082576)

「配偶者ビザを申請したくても、無職では許可されないのではないか。」

「貯金はあるけれど、収入がない。こんな状況で申請しても大丈夫なのだろうか。」

インターネットで配偶者ビザについて調べるうちに、不安ばかりが大きくなってしまった方もいるかもしれません。

実際、配偶者ビザの審査では生活の安定性が確認されるため、収入や仕事の状況は重要な審査項目です。そのため、「無職」「低収入」という言葉を目にしただけで、自分は申請しても無理なのではないかと考えてしまう方も少なくありません。

しかし、無職だから、あるいは収入が少ないからという理由だけで、配偶者ビザをあきらめる必要はありません。

入管が見ているのは、現在の給与額だけではなく、夫婦として日本で安定した生活を送ることができるかどうかです。そのため、事情によっては無職や低収入の状態から許可を得られるケースもあります。

この記事では、配偶者ビザの審査で収入がどのように見られているのか、無職や低収入の場合にどのような説明や資料が必要になるのかを、行政書士が整理します。

無料相談を予約する
個別相談対応/全国オンライン対応/完全予約制

入管が見ているのは「金額」の多い少ないだけではない

収入や仕事の状況が審査で見られるのは確かです。ただ、配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)について、「最低これだけ必要」という金額は公表されていません。

ではなぜ収入が問われるのか。入管が確かめたいのは、金額そのものだけではなく、継続して婚姻生活がなりたつのか、つまり――この夫婦が、これから日本で生活を続けていける生計面での見通しがあるかどうかです。

入管が見ているのは、現在どのように生活が成り立っているのか、そして今後も安定した生活を継続できる見込みがあるのかという点です。現在収入が少なくても、その範囲内で生活が成り立ち、これから暮らしをさらに良くするために就職を考えているか。逆に、いま一定の収入があっても、それが不安定だったり説明がつかなかったりすれば、疑問を持たれることもあります。

実際に許可が下りたケースで、理由書に書いたこと

当事務所では、申請時点で無職だった方が許可された事例もあります。ただし、無職であることだけで許可されたわけではなく、預貯金や家族の支援状況、今後の就労見込みなどを含め、生活基盤を具体的に説明したケースでした。そのとき理由書に丁寧に記したのは、おおよそ次の4つの点です。特別な書き方をしたわけではなく、実際にあったことを、順を追って正直にまとめただけです。

理由書で伝えたこと
① なぜ、いま無職・収入が少ないのか
事情があってのことだと、経緯をていねいに説明する。「無職」という事実だけをとらえられないように気を付ける。
② 今の生活は、どう成り立っているか
収入が少なくても、収入の範囲内で支出を行い暮らしは回っているかどうか。
③ 生活を支えているもの(親の仕事・資産など)
当座の生活を支える現実的な裏付け。親の援助が実際にあるのなら書く。
④ これから、どうしていくか(就職の意思・求職活動)
就職活動をしているなら、その事実をそのまま伝える。

大切なのは、この4つを「通すためのテクニック」として作文することではありません。順序が逆です。本当にそうであることを、伝わる形に整える。過去(なぜ)・現在(今の生活と支え)・未来(これからどうするか)を正直につなぐと、収入という一点だけでは見えない、その夫婦の生活の全体像が伝わります。

就職活動についても同じです。「就職する意思があります」という言葉だけでは弱く、実際に動いていることを客観的に示す必要があります。ハローワークの利用記録や求職登録票、応募履歴など、実際に就職活動を行っていることが分かる資料を提出できれば、今後の生活設計を説明するうえで参考資料となります。

「収入が少ない」と一口に言っても、状況はいくつかに分かれる

誰の収入が問題になっているのかで、考え方が少し変わります。

日本人配偶者が無職・収入が少ない場合

「自分に収入がないと、相手を呼べない・在留できないのではないか」という不安ですね。ここは先ほどの4つの点――なぜ今その状況か、今の生活、支え、これからの見通し――を正直に示せるかどうかが中心になります。

外国人配偶者の側が無職の場合

「妻(夫)が働いていないが大丈夫か」という相談もあります。外国人配偶者本人に現在収入がなくても、世帯全体として安定した生活を営める見込みがあるかが審査の対象となります。つまりどちらかがある程度の収入があり、婚姻生活が引き続きこれからずっと行えるかどうかということです。

夫婦のどちらにも、まだ安定した収入がない場合

結婚したばかりで、これから二人で生活の基盤を作っていく段階、というケースです。これからどう収入を得ていくか、就職の活動を具体的に示せるかが問われます。

収入が少ない場合や無職の場合には、ご両親からの経済的支援や同居予定であること、ご両親にも身元保証書を提出していただくことなどを含め、世帯全体として安定した生活を送れることを説明していきます。配偶者ビザでは、日本人配偶者が身元保証人になりますが、それに加えてもう一名を立てるかたちです。望ましいのは、日本人であるご両親です。

では、収入はいくらあればよいのか

もっとも気になるのは、やはり具体的な金額でしょう。ただ、先に書いたとおり、配偶者ビザに「最低これだけ必要」という公表された基準はありません。そのうえで、考え方の目安をお示しします。

一つの参考になるのが、国民年金の老齢基礎年金です。これは、その金額でひとりが最低限の生活を営めるという想定のもとに設計されている金額です。満額は、かつて年78万円ほどと言われた時期もありましたが、現在は年81万円前後です。

この考え方を世帯にあてはめると、本人と扶養される家族の人数分で見ることになります。夫婦二人であれば、単純にはこの満額の2人分、つまり年160万円あまりが、生活が成り立つかどうかの一つの下限の目安と考えられます。

もっとも、これはあくまで制度上の最低限の考え方です。実際の審査に照らした当事務所の経験からは、世帯の年収でおおむね250万円前後が、一つのボーダーラインになりそうだという印象があります。生活には年金の想定にない出費もあり、余裕を見ておく必要があるためです。

ただし、これは「250万円あれば必ず大丈夫」という意味ではありません。逆に、これを下回ると必ず不許可になるという意味でもありません。あくまで一つの目安であって、実際には預貯金、住まいの状況、家族の支援、就労の見込みなど、世帯全体の事情を合わせて見ていくことになります。

収入が同じでも、支出や住まいで見え方は変わる

収入の額だけでは、生活の余裕は測れません。たとえば収入が多くても、支出がとても多かったり、大きな借金を抱えていたりすれば、これからの生計は不安定だと見られることもあります。

逆に、家計の中で大きな割合を占めがちな住居費を抑えられれば、同じ収入でも余裕は変わります。持ち家であったり、ご両親の実家に同居する予定であったりすれば、家賃の負担がない分、必要とされる収入の水準は下がります。都市部と地方でも住居費は異なります。収入の額だけでなく、支出も含めた生活全体で見ていく必要があります。

日本人配偶者が生活保護を受けている場合

日本人の側が生活保護を受けている場合はどうか、という相談もあります。生活保護は、世帯が自力で生計を維持できていない状態に対して支給されるものなので、「安定した生活の見通し」とは正面からぶつかります。そのため、まったく許可が下りないわけではないものの、審査はかなり難しくなるのが実情です。この場合は、就労による収入の回復の見込みなど、状況が変わっていく道筋を具体的に示せるかどうかが重要になります。個別性が高いので、早めにご相談ください。

気をつけたいこと

収入への不安から、事実と違うことを書いてしまう、あるいは不利になりそうな事情を隠してしまう。これは避けてください。事実と異なる説明は、かえって信用を損ないます。

将来を見据えて、配偶者ビザ申請を進めたい方へ

国際結婚に関する在留手続きは、現在の許可取得だけでなく、その後の更新・永住申請まで視野に入れた準備が重要になります。当事務所では、永住申請を視野に入れたサポートを行っています。

無料相談を予約する

配偶者ビザ(日本人の配偶者等)について

配偶者ビザは、日本人や永住者と結婚した外国人が、日本で暮らすための在留資格です。就労の制限がなく、生活の幅が広い一方で、審査では結婚の真実性と生活の安定性が丁寧に見られます。収入の話も、その一部です。制度の全体像や必要書類については、こちらのページで詳しく整理しています。

配偶者ビザ(日本人の配偶者等)の申請について詳しく見る

よくある質問

Q. 収入がいくらあれば必ず通りますか?

確認できる範囲では、配偶者ビザに「この金額なら必ず通る」という公表された基準はありません。考え方の目安としては、国民年金の老齢基礎年金(現在は満額で年81万円前後)を家族の人数分で見る方法があり、夫婦二人なら年160万円あまりが一つの下限の目安になります。実務の印象では世帯年収250万円前後が一つのボーダーラインになりそうですが、これは「あれば必ず通る/なければ必ず落ちる」という線ではなく、預貯金や住まい、家族の支援なども含めた全体で判断されます。

Q. アルバイトやパートの収入でも大丈夫ですか?

雇用の形そのものより、収入がどれくらい継続して見込めるかが見られます。アルバイトやパートであっても、安定して続いていて、世帯として生活が成り立つのであれば、それを正直に示す価値があります。

Q. 貯金だけで、収入がなくても大丈夫ですか?

無職の方でも、一定の預貯金があれば、当面の生活の裏づけと見られる余地があります。貯蓄は生活を支える材料の一つではありますが、それだけで十分と判断されるかは、金額や今後の生活の見通しなど全体で見られます。無職で預貯金もほとんどない場合は、「今後どのように生活していくのか」を説明することが難しくなります。反対に、一定の預貯金があり、就職活動を行っていることや家族からの支援を受けられることを示せれば、生活の見通しを説明しやすくなります。

Q. 親からの援助を受けている場合、それは認められますか?

無職や収入が少ない場合、親などからの援助は、当座の生活を支える現実的な裏付けの一つです。その上で「これから自分たちでどう生活を立てていくのか」という見通しをあわせて示すことも重要です。

Q. 就職活動中でも申請してよいですか?

就職活動をしている段階であっても、申請を検討する余地はあります。大切なのは「就職する意思がある」という言葉だけでなく、ハローワークの利用記録や応募履歴など、実際に動いている状況を、事実に沿って示すことです。どこまで具体的に示せるかは個別の事情によりますので、ご相談ください。

あわせて読みたい

収入以外にも、配偶者ビザの審査で不安に感じやすい事情があります。ご自身の状況に近いものがあれば、あわせてご確認ください。

無料相談を予約する
個別相談対応/全国オンライン対応/完全予約制

短期滞在ビザで呼び寄せたあと、日本で暮らすには

短期滞在(在留カードが交付されない在留資格)で来日したベトナム人は、日本で婚姻届を提出して婚姻を成立させることはできます。
しかし、在日ベトナム大使館・総領事館では、短期滞在者についてベトナム側の婚姻登録手続きが受付対象外となっているため、ベトナム法上の婚姻を日本国内で成立させることはできません。

「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するには、婚姻が日本法だけでなくベトナム法上も有効に成立していることが前提となります。
そのため、日本で婚姻届を提出しただけでは配偶者ビザを申請することはできません。

実務上は、いったんベトナムへ帰国してベトナム側の婚姻手続きを完了させたうえで、日本で在留資格認定証明書(COE)を取得し、「日本人の配偶者等」として改めて来日する流れとなります。

ベトナム人との国際結婚手続きの全体像(3方式の図解)を見る →

行政書士山川鬪志の写真 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部
登録番号 19082576
専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請
保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー

当事務所は、新宿区・高田馬場の行政書士事務所です。配偶者ビザ、特定技能など就労(働く)ビザ、永住・帰化申請を専門に、全国オンライン対応でサポートしています。

法務省出入国在留管理庁外務省(ビザ)の公開情報等に基づき作成

業務に関するご質問や無料相談のご予約は、お電話・メールにて承っております。

メールでのお問い合わせ・相談のご予約

    弊所の同意なく、この問い合わせフォームを使用して営業活動や広告等の特定電子メールを送信することを拒否します。特定電子メール法により規制される場合があります。

    ご希望の連絡先 (必須)

    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ウェブからの無料相談のご予約は、希望日時をご入力ください。

    ご相談日時(第一希望) 希望時間:

    ご相談日時(第二希望) 希望時間:

    ご相談日時(第三希望) 希望時間:

    ご希望の相談場所

    ★外国人が日本で暮らすビザ(在留資格)についてのご相談は無料相談 有料相談いずれかをご指定ください。(必須)
    ・無料相談:60分 0円  
    当事務所へのご依頼をご検討中の方には、サポート内容や料金のご説明、許可の可能性や難易度の診断を無料で行っております。

    ・有料相談:
    1時間 10,000円/税別
    「ご自身で申請を進めるため、特定の不明点だけを確認したい」「条件や手順について単発で質問したい」という場合は、有料相談にて承ります。なお、相談後にご依頼いただける場合は、この相談料を報酬の一部に充当いたします。

    ※先約などでご希望に沿えないときは、新たな日時をご提案させていただく場合があります。

    ご相談内容(必須)
    例:国際結婚について、 帰化について、就労ビザについて、お客様について (私は~が心配です)など

    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    ページトップへ戻る