(2024年6月更新)
中国人とマッチングアプリやSNSがきっかけで友達となり、日本へ呼びよせたい場合や中国人の恋人と日本で一緒に旅行する場合、中国人が日本へ入国するには、どうしたらいいでしょうか。
もちろん飛行機のチケットは必要ですね。あとパスポートも。パスポートは旅券と言います。航空機のチケットと混同しやすいですよね。でもそれだけで大丈夫でしょうか。
全ての外国人は査証の発給を事前にうけていないと日本に上陸できません。国どうしの協定により査証の免除国があります。中国は査証免除国に該当していません。したがい中国人が短期の滞在で日本に来るときは、中国にある日本大使館へ査証の申請を行い審査で許可を受けて来日することになります。短期間の滞在で使われる査証が短期滞在ビザといわれるものです。
東京・新宿のフィラール行政書士事務所が中国人を呼び寄せる短期滞在ビザの申請の方法とこれだけは押さえておきたいポイントついて解説します。
短期滞在ビザとはどんなビザ?
短期滞在ビザを取得して、様々な目的で短期間の滞在目的で中国人が日本に来訪しています。
会社関係では
- 日本で開かれる講習会、会合への参加
- 方針説明会、販売連絡会といった会社の業務連絡会への参加
- 展示会の見学、ものづくりやサービスの現場の見学
また学生の方々では
- 専門学校の入学説明会の参加
- 大学受験のための来日
また観光や保養、日本に暮らしている中国人を訪問するのにも使われます。家族にかぎらず友人や恋人、婚約者の所に訪問する目的にも使われます。
たとえば
- 日本人男性と結婚して日本で暮らしている娘を訪問する場合
- 日本の大学に留学している息子の暮らしぶりをみるため
- 日本の会社に勤める娘がお母さんの湯治のために温泉旅行をする
- 冒頭にあったマッチングアプリで知り合った恋人を日本で思い出づくりなど
短期滞在ビザは目的によって、準備する書類手続きが異なります。また国によって少し手続きが異なる場合があります。
短期滞在ビザは、観光、知人訪問・親族訪問、短期商用と目的で分けられていて、それぞれの目的に応じて、申請に必要な書類を集めます。
また、申請すれば必ず日本に来ることができるというのではなく、審査があります。許可が下りずに入国できない場合もあります。
申請は日本に来る外国人が住んでいる居住する最寄りの日本大使館または総領事館で申請します。旅行などで第三国からの申請は原則できません。
短期滞在ビザで覚えておくべき3つのキーワード
短期滞在ビザの手続きに関して「登場人物」の用語です。3つですので覚えておくと良いでしょう。「申請人」「呼び寄せ人」「身元保証人」この3つです。
- 「申請人」
申請人は誰でしょうか。日本に来る外国人です。外国人が自ら日本大使館、総領事館へ行き申請します。
- 「呼び寄せ人」
日本に住んでいて申請人を日本に呼び寄せる人です。たとえば中国人の恋人を日本に呼ぶ時は日本人が呼び寄せ人となります。
- 「身元保証人」
申請人の日本での滞在が適法に行われることを大使、総領事館に誓約する人です。
身元保証人というと、保証ということで何やら怖いイメージを連想される方がいらっしゃるかもしれません。民法上の保証人のように法的な責任は問われませんが、道義的な責任を負うことになります。滞在費、帰国旅費、法令の遵守が履行されない場合は次回以降身元保証人となった場合には信頼性を失われることになります。
短期滞在ビザを取って日本に来るまでの流れ
短期滞在ビザの申請にあたり、日本側で集める必要書類と中国人が集める必要書類があります。日本側で集めた書類を中国へ郵送して、中国人が集めた書類と一緒にして、中国人の申請者が指定の代理申請機関へ持ち込み申請を行います。
申請書は外国人が記入します。通常、中国の場合は大使館、総領事館が指定する代理申請機関に持ち込みます。大使館や総領事館で直接申請はできません。
ここでは知人訪問の場合で解説を進めていきます。
中国の代理申請機関に必要書類の確認を早めに行う
日本の大使館、総領事館は管轄する区域が決まっています。中国人が居住している省を管轄している大使館、総領事館となります。戸籍が居住している省にない場合は、居住地を管轄する中国公安局から「居住証」あるいは「暫住証」用意します。
管轄の日本大使館、総領事館の指定する代理申請機関は、大使館のホームページに公開されています。そのなかから選ぶことになります。
代理申請機関に連絡して、短期滞在ビザに必要な書類を確認することを行います。日本側の「呼び寄せ人」と必要書類について共有しておきます。
ではいよいよ書類の準備です。先ほどの「申請人」「呼び寄せ人」「身元保証人」それぞれの方が必要な書類を準備していきます。「呼び寄せ人」が「身元保証人」を兼ねることもできます。
短期滞在ビザの申請に必要な書類を集めていこう!
まず日本側の書類をあつめましょう。「呼び寄せ人」「身元保証人」は、それぞれの方に関する日本の役所の書類などを集めます。「呼び寄せ人」は日本に招へいの目的・理由書、滞在計画書を作成します。「身元保証人」は身元保証書の作成により、保証を大使、総領事に対して行います。
日本側で準備する申請に必要な書類
「招へい人」と「身元保証人」がそれぞれ用意する書類です。「招へい人」と「身元保証人」が同一の方となる場合も少なくは無いです。
- 招へい人が用意する書類
① 招へい理由書
② 滞在予定表 ③ 住民票(世帯全員分で続柄記載があるもの) ④ 在職証明書、在学証明書 会社経営者の場合 法人登記簿謄本 個人事業主の場合 営業許可証の写し又は確定申告書控の写し ⑤ 有効な「在留カード」(特別永住者証明書)表裏の写し (呼び寄せ人が外国人の場合) ⑥ 渡航目的を裏付ける資料 招へい人やその家族等と、ビザ申請人との関係を裏付ける資料(email、国際電話通話明細書、一緒に写っている写真、診断書、結婚式場の予約票等 |
- 身元保証人が用意する書類
① 身元保証書
② 住民票(世帯全員分で続柄記載があるもの) ③ 在職証明書、在学証明書 会社経営者の場合 法人登記簿謄本 個人事業主の場合 営業許可証の写し又は確定申告書控の写し ④ 直近の総所得が記載された「課税証明書」(市区町村発行) 又は「納税証明書(様式その2)」(税務署発行) 若しくは「確定申告書控の写し(税務署受理印のあるもの)」のうち、いずれか1点 ⑤ 有効な「在留カード」(特別永住者証明書)表裏の写し(身元保証人が外国人の場合) |
身元保証人と呼び寄せ人が同じ人の場合ですと、身元保証人が用意する書類のうち重複している書類については重ねての提出は不要です。日本側で書類を準備している間に、申請人も書類を準備します。
申請人が中国で集める書類
申請人の中国人が現地で集める書類です。申請書には、招へい人や身元保証人の住所などを記入する欄があります。日本側から情報をあらかじめ伝えておくと良いでしょう。申請人の記入フォームも大使館のwebサイトからダウンロードが可能です。日本側でも目を通しておいてください。
① ビザ(査証)申請書
② 写真((注)6か月以内に撮影したもの) ③ パスポート(旅券) ④ 戸口簿写し ⑤ 居住証又は居住証明書 申請先の日本 大使館/総領事館の管轄区域内に本籍が無い場合 ⑥ 知人との関係を証する書類 写真、手紙等 |
書類がそろったら、日本側の書類が揃ったら中国の申請人へ郵送します。中国人の申請人の方で準備した中国の書類と日本からの書類をそろえて、大使館、総領事館の代理申請機関へ行き申請を行います。不足書類があるとまた申請のやり直しとなります。やり直しの場合、中国は広いので再申請もまた後日となると大変な苦労となります。
上記に記載した必要書類以外にも追加の書類が必要とされる場合もあります。事前に指定代理申請機関と確認をしっかりとって準備する書類を確認しましょう。
中国にいる申請人に日本側から情報をきちんと伝えておく
ここまでのポイントです。日本で作成した書類、「招へい理由書」「滞在予定表」、招へいの目的など記載した内容を申請人によく伝えておくことが大事です。書類を送るだけではなく内容を良く説明してください。申請人が記載する申請書の内容と「招へい理由書」「滞在予定表」に相違点があると信ぴょう性を疑われます。
申請の時に重要なこと
代理申請機関に申請の際に、嘘偽りを行わないということ。適当に話を繕うことも行わないことです。
短期滞在ビザの手続き開始からビザ取得までにかかる時間
申請が受理されると、大使館に代理申請機関から送られ審査が始まります。審査が始まって特に問題ない場合だと、だいたい5営業日、約1週間程度で審査が完了します。中には数週間以上かかる場合もあります。代理機関から結果の連絡があったら短期滞在ビザを取得に行きます。
短期滞在ビザには有効期限があります。3ヵ月以内に日本へ入国しなければなりません。
短期滞在ビザの発給とは
短期滞在ビザが発給されるとパスポートに大きめのシールが貼られます。このシールが短期滞在ビザそのものです。ここに発行日と有効期限が記載されています。また滞在できる期間もありますので発給を受けたらしっかりと確認します。希望通りの日数となっていない場合もあります。
入国許可と在留期限について
パスポート、パスポートに貼られたビザ、チケットを持って日本に入国します。入国許可がおりるとパスポートに四角いシールが貼られます。このシールには在留期限が記載されています。必ずこの日までに帰国しなくてはなりません。
在留期限の延長は基本みとめられていません。
日本に短期滞在ビザで在留している間、報酬を得る活動はできません。
短期滞在ビザが万が一不許可となった場合
ビザ発給拒否の理由は聞くことができません。また同一理由での申請は6カ月たたない申請は受理してもらえません。
短期滞在ビザは、意外と許可の難易度が高いと考えてしっかりと準備を行った方が良いです。慣れない方が申請を行うと、思わぬところに準備の抜けや落とし穴があるかもしれません。慎重に進めていくべきです。
日本での婚姻生活を目的に短期滞在ビザで入国する
国際結婚は中国と日本、それぞれの国で婚姻を法的に成立する必要があります。中国人の方を日本へ呼び寄せ結婚する方も数多くいらっしゃいます。そのまま結婚して日本で暮らす配偶者ビザを取得することは可能でしょうか。
それぞれの国での結婚手続きに関しては、詳しく記載した、次の記事を確認してください。
中国人と国際結婚する方法と日本で暮らす配偶者ビザ申請の完全ガイド@全国対応の行政書士 | フィラール行政書士事務所 (firstbase.info)
短期滞在ビザからは、基本ビザの変更申請はできません。ただし、やむ得ない特別の事情がある場合に限り変更を認められる場合があります。これは、結婚したということがすぐには、「やむをえない」事情に該当するわけではありませんが、しっかりと説明資料を準備して入管に了解を得ることで変更申請が可能となります。「すでに結婚手続を行い一緒に暮らしている」というようなカップルが該当する可能性があります。短期滞在で入国した後に初めて日本人と知り合った。このようなケースでは、不許可リスクが非常に高いでしょう。
事前の準備が不安な方は専門家のサポートを
短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更では、短期滞在ビザで日本に滞在できる期間はとても短く、すぐに出国期限が来てしまいます。婚姻手続きやビザの申請に数多くの書類が必要ですが、手続きの流れをよく理解して、事前に書類をそろえるなど、しっかりと準備が必要です。時間がない方や、調べてみたけど手続きがわからない方は、日本に中国人のフィアンセを呼び寄せる前に専門家のサポートを受けることをお勧めします。
次の記事はフィラール行政書士事務所の短期滞在ビザのサポート内容を記載した記事です。よろしければご検討してみてください。
SNSで知り合ったがお二人が国際結婚を行って、日本で暮らすための中国人の配偶者ビザの申請サポートはこちらをご覧ください。
参考:在中国日本公館の管轄区域
在中華人民共和国大使館 | 北京市、天津市、陝西省、山西省、甘粛省、河南省、河北省、 湖北省、湖南省、青海省、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区、内蒙古自治区 |
在広州総領事館 | 広東省、海南省、福建省、広西壮族自治区 |
在上海総領事館 | 上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省 |
在重慶総領事館 | 重慶市、四川省、貴州省、雲南省 |
在瀋陽総領事館 | 黒龍江省、吉林省、遼寧省 |
在青島総領事館 | 山東省 |
在香港総領事館 | 香港特別行政区 マカオ |
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |
行政書士は法律により、守秘義務がありますので安心してご相談してください。