カーボベルデ人との国際結婚|公示期間15日・婚姻能力証明書についても行政書士が解説

配偶者ビザ・国際結婚手続きを専門とする行政書士 山川鬪志(登録番号19082576)が執筆しています。


カーボベルデ人のパートナーとの結婚を考えている方にとって、「どこから手を付ければいいのか」「日本とカーボベルデ、どちらの国で先に手続きするのか」は最初に直面する大きな疑問です。

カーボベルデ共和国(República de Cabo Verde)は西アフリカ沖の島国で、公用語はポルトガル語。婚姻手続きにはポルトガル語の書類が必要になるため、準備には時間と正確な情報が欠かせません。

また、日本国内にカーボベルデの大使館はなく、日本を管轄するのは在中国カーボベルデ大使館(北京)です。書類の認証をどこでどう進めるかも、手続きを左右する重要な情報です。

この記事では、日本で先に結婚手続きをする「日本方式」と、カーボベルデで先に手続きをする「カーボベルデ方式」の2つのルートを整理し、それぞれの必要書類・手続きの流れ・注意点を解説します。婚姻成立後のカーボベルデへの婚姻転記や、日本での配偶者ビザ申請への接続まで、全体の見通しが立つ内容です。

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【日本方式】日本で先に結婚する手続き

日本方式では、カーボベルデ人パートナーの「婚姻能力証明書(Certificado de Capacidade Matrimonial)」を取得したうえで、日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。婚姻成立後、カーボベルデ側でもその婚姻を有効にするために「婚姻転記(Transcrição de Casamento)」を行います。

1
婚姻能力証明書
の取得
2
日本の役場で
婚姻届提出
3
カーボベルデへの
婚姻転記

Step 1:婚姻能力証明書(Certificado de Capacidade Matrimonial)の取得

カーボベルデの法律では、婚姻の前に「婚姻能力証明書」を取得することが求められています(民法典 Artigo 1578º)。この証明書は、カーボベルデ人パートナーが法律上の婚姻障害(既婚、近親関係など)に該当しないことを公的に証明するものです。

婚姻能力証明書はカーボベルデ政府ポータル(gov.cv)からオンラインで申請することができます。

婚姻能力証明書の申請に必要なもの
カーボベルデ人が準備
カーボベルデ人パートナーの身分証明書
(Documento de Identificação)
日本人が準備
日本人が署名した宣誓書
双方
日本人の出生証明書(戸籍謄本をもとに作成・ポルトガル語翻訳)

参照:gov.cv ― Certificado de Capacidade Matrimonial

取得した婚姻能力証明書は、日本の市区町村役場に提出する際に日本語訳を添付する必要があります。翻訳者の署名・住所・連絡先を記載した翻訳文を用意してください。

Step 2:日本の市区町村役場で婚姻届を提出する

婚姻能力証明書が揃ったら、日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。

婚姻届に必要な書類
1 婚姻届(証人2名の署名入り)
2 カーボベルデ人の婚姻能力証明書(原本)と日本語訳
3 カーボベルデ人のパスポート
4 カーボベルデ人の出生証明書(Certidão de Nascimento)と日本語訳

※ 市区町村によって追加書類を求められる場合があります。事前に届出先の役場へ確認してください。

婚姻届が受理された時点で、日本の法律上は婚姻が成立します。届出後に「婚姻届受理証明書」を取得しておくと、次のStep 3やビザ申請でも使用できます。

Step 3:カーボベルデへの婚姻転記(Transcrição de Casamento)

日本で成立した婚姻をカーボベルデでも法的に有効とするためには、カーボベルデ側の民事登記所(Conservatória dos Registos e Notariado)に婚姻転記の申請を行います。この手続きにより、カーボベルデ国内でも夫婦としての法的な権利と義務が認められることになります。

婚姻転記の必要書類
1 日本で発行された婚姻証明書(有効期間内のもの)
Certidão de Casamento em curso de validade
2 申請者(カーボベルデ人)が署名した婚姻転記申請書
Auto do pedido de transcrição assinado pelo requerente
3 日本人配偶者の出生証明書
Certidão de Nascimento do cônjuge estrangeiro
4 申請者(カーボベルデ人)の身分証明書
Documento de Identificação do interessado
5 日本人配偶者の身分証明書(パスポート等)
Documento de Identificação do cônjuge

婚姻転記の申請は、カーボベルデ国内に在住していなくても、海外在住のカーボベルデ国民(ディアスポラ)が行うことができます。書類はポルトガル語に翻訳のうえ、在中国カーボベルデ大使館(北京、日本兼轄)またはカーボベルデ外務省を通じて認証を受けて提出します。認証手続きの具体的な方法については、事前に大使館へ確認してください。



【カーボベルデ方式】カーボベルデで先に結婚する手続き

カーボベルデ方式では、カーボベルデの民事登記所(Conservatória dos Registos e Notariado)で婚姻手続きを行います。カーボベルデ民法典に基づき、婚姻には「公示期間」と「結婚式(celebração do casamento)」の段階を経る必要があります。日本の婚姻届のように書面のみで完結する方式とは異なり、一定の公的な手順を踏む形式です。

1
書類準備
2
公示請求
(15日間)
3
結婚式
4
婚姻登録
5
日本への
届出

Step 1:必要書類の準備

カーボベルデで婚姻手続きを開始するにあたり、日本人・カーボベルデ人それぞれが書類を準備します。

カーボベルデ方式での必要書類
日本人が準備
1 婚姻要件具備証明書(ポルトガル語訳を添付)
法務局で取得 → 外務省でアポスティーユまたは公印確認 → 宣誓翻訳家(tradutor juramentado)によるポルトガル語翻訳
2 出生証明書(Certidão de Nascimento)
戸籍謄本をもとに作成・ポルトガル語翻訳・認証
3 パスポート(身分証明書として使用)
カーボベルデ人が準備
4 身分証明書(Documento de Identificação)
5 出生証明書(Certidão de Nascimento)
6 婚姻身分証明書(Declaração de Estado Civil)
現在の身分状態(未婚・離婚・寡婦/寡夫)を証明する書類

※ 16歳以上18歳未満のカーボベルデ人が婚姻する場合は、両親または法定後見人の書面による許可が必要です(民法典 Artigo 1567º a)。カーボベルデの成人年齢は18歳、婚姻適齢は16歳です。

書類の翻訳と認証について:日本語の書類をカーボベルデに提出する場合、宣誓翻訳家(tradutor juramentado)によるポルトガル語翻訳が必要です。認証(legalização)は、在中国カーボベルデ大使館(北京、日本兼轄)またはカーボベルデ外務省で行います。日本国内にカーボベルデの大使館はないため、認証手続きには北京への郵送または直接の手続きが必要になる場合があります。具体的な方法・郵送の可否については、事前に大使館へ確認してください。

Step 2:通知の公示請求(Publicação de Proclamas)

書類が揃ったら、新郎新婦がカーボベルデの民事登記所(Conservatória)に出向き、婚姻の意向を届け出ます。登記所は「通知の公示」を行い、婚姻に法的な障害がないかを確認するため、最低15日間にわたり指定場所で結婚予定を公開します。

公示期間中のポイント

・公示期間は最低15日間です。この間、第三者が婚姻に対して異議を申し立てることができます。

・異議がなければ、公示期間終了後に結婚式の挙行が許可されます。

・異議が提出された場合は、法的な審査を経て判断されます。

Step 3:結婚式の挙行(Celebração do Casamento)

公示期間が終了し異議がなければ、結婚許可証が発行されます。結婚許可証の有効期限は15営業日で、この期間内に結婚式を執り行う必要があります。

カーボベルデ民法典(Artigo 1581º)により、婚姻は以下の条件で成立します。

結婚式の法的要件(民法典 Artigo 1581º・1582º)
立会い 民事登記官(conservador do registo civil)の前で行うこと
出席 新郎新婦の双方が出席すること(代理婚も認められている ※後述)
証人 2名の証人が立ち会うこと
場所 登記所またはその他の認可された場所

代理婚(Casamento por Procuração)について:カーボベルデ民法典 Artigo 1582ºでは、一方の当事者が委任状(procuração)による代理人を通じて結婚式に参加することが認められています。委任状には、婚姻に関する特別委任の記載、もう一方の当事者の特定、婚姻形式の指定が必要です。渡航が困難な場合に検討できる選択肢ですが、委任状の有効要件は厳格です。

Step 4:婚姻登録

結婚式が執り行われた後、婚姻を法的に有効とするために民事登記所で正式な婚姻登録を行います。登録後、結婚証明書(Certidão de Casamento)が発行されます。この証明書は日本への届出やビザ申請で使用する重要な書類です。

結婚証明書はカーボベルデ政府ポータル(gov.cv)からオンラインで申請・取得することも可能です。申請時には双方の氏名・書類番号・結婚日の入力が必要です。

Step 5:日本への報告的届出

カーボベルデで婚姻が成立したら、日本側でもその婚姻を届け出る必要があります。カーボベルデの領事業務を兼轄する在セネガル日本国大使館での届出、または日本に帰国してから市区町村役場に届出する方法があります。

報告的届出に必要な書類
1 婚姻届
2 カーボベルデの結婚証明書(Certidão de Casamento)と日本語訳
3 日本人の戸籍謄本
4 カーボベルデ人の国籍を証する書類(パスポート等)と日本語訳

※ 外国で婚姻が成立した場合の届出期限は、届出義務を知った日から3か月以内です。届出が遅れると遅延届出理由書の提出を求められることがあります。

カーボベルデでの宗教婚(Casamento Religioso)について

カーボベルデでは、民事婚に加えて宗教婚にも法的効力が認められています(民法典 Artigo 1584º〜1588º)。カーボベルデはカトリック教徒が多数を占める国であり、教会での挙式を希望するカップルも少なくありません。

宗教婚を法的に有効とするためには、事前に民事登記所で婚姻障害の確認手続き(公示)を経ている必要があります。宗教婚の式後、担当聖職者は式の記録を作成し、8日以内に管轄の民事登記所に送付して婚姻登録(転記)を行います(Artigo 1586º)。この登記手続きを怠ると、宗教婚は民事上の効力を持ちません(Artigo 1587º)。

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カーボベルデ人の配偶者ビザ(日本人の配偶者等)申請

日本方式・カーボベルデ方式のいずれの方法で婚姻が成立した場合でも、カーボベルデ人パートナーが日本で暮らすためには「日本人の配偶者等」の在留資格(いわゆる配偶者ビザ)を取得する必要があります。

配偶者ビザの申請は、カーボベルデ人パートナーの現在の状況によって手続きが異なります。

パートナーの状況 必要な手続き
カーボベルデに在住している 在留資格認定証明書交付申請(日本側で申請 → 認定証明書をカーボベルデに送付 → 在外公館でビザ発給)
日本に別の在留資格で滞在中 在留資格変更許可申請(現在の在留資格から「日本人の配偶者等」へ変更)

配偶者ビザの申請で重視されるのは、婚姻の信ぴょう性と安定した生活基盤です。交際経緯の説明、収入や住居に関する資料、ふたりのやり取りの記録など、丁寧な立証が許可への近道になります。

配偶者ビザの詳しい要件や必要書類については、下記の記事で解説しています。

配偶者ビザ申請の詳細はこちら



よくある質問(FAQ)

Q. カーボベルデ人パートナーの婚姻能力証明書はどこで取得できますか?

カーボベルデ政府のオンラインポータル(gov.cv)から申請できます。申請にはカーボベルデ人の身分証明書、日本人が署名した宣誓書、日本人の出生証明書が必要です。

Q. カーボベルデ方式で結婚する場合、どのくらいの期間がかかりますか?

書類の準備に加えて、公示期間として最低15日間が必要です。公示期間終了後、結婚許可証が発行され、15営業日以内に結婚式を挙行します。書類準備から挙式完了まで、2~3か月程度を見込んでおくのが現実的です。

Q. カーボベルデでは代理婚(本人不在での結婚)は可能ですか?

可能です。カーボベルデ民法典 Artigo 1582ºにより、一方の当事者が特別委任状を作成し、代理人を通じて結婚式に出席できます。ただし、委任状には厳格な要件(相手方の特定、婚姻形式の指定、特別委任の記載)があり、死亡や禁治産宣告により効力を失います(Artigo 1583º)。

Q. 日本にカーボベルデの大使館はありますか?

日本国内にカーボベルデの大使館はありません。日本を管轄するのは在中国カーボベルデ大使館(北京)です。書類の認証(legalização)やカーボベルデ側の手続きに関する問い合わせは、こちらが窓口になります。

在中国カーボベルデ大使館(日本兼轄)

所在地:No.5-1-71, Ta Yuan Diplomatic Compound, No.1, Xindong Road, Chaoyang District, Beijing, China

電話:(86-10)6532-7547

なお、カーボベルデ在住の日本人に対する領事業務は在セネガル日本国大使館が兼轄しています。カーボベルデ渡航時の在留届や緊急時の連絡先として確認しておくと安心です。

Q. 配偶者ビザの申請は自分でもできますか?

ご自身での申請は可能です。ただし、交際経緯の立証や書類の整合性など、入管審査では細かな点が問われます。書類作成に不安がある場合は、国際結婚に詳しい行政書士に相談することで、手戻りを防ぐことができます。

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国際結婚に関する在留手続きは、現在の許可取得だけでなく、その後の更新・永住申請まで視野に入れた準備が重要になります。当事務所では、永住申請を視野に入れたサポートを行っています。

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行政書士 山川鬪志 [この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志(やまかわ たけし)
フィラール行政書士事務所 代表
日本行政書士連合会 東京都行政書士会 新宿支部
登録番号 19082576
専門業務:ビザ申請・帰化申請
申請取次行政書士/認定コンプライアンスオフィサー

※ この記事で紹介している手続き・必要書類は、制度の変更により予告なく変わる場合があります。最新の情報は、カーボベルデ政府ポータル(gov.cv)、在中国カーボベルデ大使館、在セネガル日本国大使館、届出先の市区町村役場など関係当局に直接ご確認ください。

本記事は、法務省出入国在留管理庁外務省の公開情報等に基づき作成しています。

 

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