入国前結核スクリーニングとは
入国前結核スクリーニングとは、対象となっている国の人が、日本に入国する前に指定された医療機関で胸部レントゲン検査を受け、結核を発病していないことを証明する資料、「結核非発病証明書」を提出する制度です。
対象となる方は、スクリーニング対象国から来日し、3か月を超えて日本に滞在する中長期在留者です。
在留資格認定証明書交付申請のとき、「結核非発病証明書」を提出します。
入国前結核スクリーニングの流れ
指定検診医療機関で、問診、身体検査、胸部レントゲン検査を受診して、結核の疑いが無い場合は結核非発病証明書が発行されます。
結核の疑いのあると診断された場合は、さらに喀痰(かくたん)検査を行い、その結果結核発病が無いと診断されると、結核非発病証明書が発行されます。
入国前結核スクリーニングの受診の留意点
・身元確認の際には、パスポートの提示が必須です。
・スクリーニング費用は申請者が負担します。
・スクリーニングを受診後、「結核非発病証明書」が発行されるまでの日数や費用は、医療機関によって異なります。したがい入国予定までの日程を考慮して受診します。
・「結核非発病証明書」証明書には有効期間があります。胸部レントゲン撮影日から原則180日間となっています。
・入国時にも提示を求められる場合があります。来日するときは、必ずこの「結核非発病証明書(本人控え)」持参して入国します。
入国前結核スクリーニングの背景と目的
なぜ結核スクリーニングが必要になったのでしょうか
日本では、結核患者の発生率(人口10万人あたりの新規発病患者数)および患者数は年々減少傾向にあります。しかし、年間約1,500人が結核で命を落としています。
近年、特に外国生まれの方の、結核患者が増加しています。
令和5年の新登録結核患者数10,096人のうち、外国生まれの患者は1,619人に上りました。
この中には、結核の発症率が高い国の出身者が日本滞在中に発病する例が多く含まれています。
こうした状況を踏まえ、日本では結核患者が多い国から中長期間滞在するために渡航する人々に対し、結核を発病していないことを証明する、入国前のスクリーニング制度を導入することになりました。
これにより、結核の発病リスクを減らし、国内での感染拡大を抑制することが、スクリーニング制度の目的です。
入国前結核スクリーニング制度対象国
- フィリピン、ベトナム、ネパール、ミャンマー、インドネシア、及び中国
これらの国籍を持つ方が日本に
- 中長期在留者として、
- デジタルノマドビザとして
(特定活動告示第53号及び同第54号:デジタルノマド及びその配偶者又は 子)
日本に入国して、在留しようとする方を対象としています。
既に日本に中長期の在留資格を持つ方で再入国許可を持っている方、みなし再入国許可を持っている方は対象とはなりません。
したがい、この制度は、新規で入国を希望する、在留資格認定証明書交付申請(COEの申請)を行う方が対象となります。
対象国籍の方でも、現在の居住地が対象国以外の国又は地域である場合は、滞在許可証等により、対象国以外の国等に住んでいると確認されると対象外になります。
対象国となる理由
対象国となる理由は、日本に滞在中に結核と診断された外国出身の患者の中で、これらの国々の出身者が多くを占めるためです。
入国前結核スクリーニング実施スケジュール
各国毎の開始スケジュールです。
中国、インドネシア、ミャンマーについては現在開始に向けて、調整中となっています。
対象国籍の方で本国に住んでいる方でも対象とならない方がいます。
対象とならない方もいます。別の制度でレントゲンなどの健康診断が義務付けられている方です。
「結核非発病証明書」の提出は必要でない方
入国前に結核検査を目的とした胸部レントゲンを含む健康診断が義務付けられている制度に該当する方については、しばらくの間、このスクリーニングの対象外となります。
具体的には、JETプログラム参加者、JICA研修員(長期・短期)、JICA人材育成奨学計画(JDS)留学生、大使館推薦による国費留学生、外国人留学生の教育訓練の受託事業、当該国とのEPAに基づく看護師・介護福祉士、特定技能外国人、家事支援外国人材受入事業(特区法第16条の4)の制度に該当する方です。
これらの制度に該当する方は、「結核非発病証明書」の提出は当面のあいだ、必要としません。
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[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部所属 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー
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https://www.moj.go.jp/isa/index.html