配偶者ビザ申請時に提出が求められる納税証明書や課税証明書は、安定した収入を証明するための重要な書類です。しかし、引っ越しをしている場合、注意が必要です。
なぜなら、引っ越し時期や証明対象年度によって、現在の住んでいる市区町村ではこれらの証明書が発行されないことがあるためです。
この記事では、引っ越し後の納税証明書の取得に関する注意点や、会社員が転職したときに前の自治体から納税証明書が送られてきた場合、さらにビザ申請時に押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。申請をスムーズに進めるために、納税に関する重要なポイントを確認しておきましょう。
引っ越し後の納税証明書の取得方法
住民税は毎年1月1日時点の住民票がある市区町村で課税されます。そのため、たとえ引っ越しをしていても、その年の住民税は1月1日に住んでいた場所の自治体に支払う義務が生じます。
例えば、
2024年1月1日 大阪市に在住
2024年1月15日 神奈川県川崎市に引っ越した場合 2025年1月1日 引き続き 川崎市に在住 |
この場合2024年の住民税は大阪市に支払うことになります。
翌年の2025年1月1日に川崎市に住んでいれば、2025年の住民税は川崎市に支払うことになります。
このように、住民税が課税される場所が変わるため、納税証明書は現在住んでいる市区町村ではなく、以前住んでいた市区町村から取得する必要があります。
以前の自治体から納税通知書が届く方がいる
会社員の多くは、給与から住民税が天引きされる「特別徴収」で支払われます。そのため、どの市区町村に住民税を支払っているか意識しないことも多いでしょう。
しかし、転職などで納税方法が「普通徴収」に切り替わると、以前の市区町村から納税通知書が引っ越し後の住所に送られてきます。
普通徴収と特別徴収の違い
- 特別徴収: 会社の給与から毎月住民税が天引きされる方法。
- 普通徴収: 自分で住民税を年4回(6月、8月、10月、翌年1月)または一括で支払う方法。
転職後に納税通知書が届いた場合の対処法
転勤や転職後に引越し前の自治体から納税通知書を受け取った場合は、普通徴収に切り替わっています。
この場合は、給与からの天引きで再び「特別徴収」に戻すことができます。
勤務再起の給与担当者に相談して手続きを依頼しましょう。
担当者が手続きに不安がある場合は、直接市区町村役場に確認するようにしましょう。
ただし、納期限が過ぎている分や前年以前の住民税については、特別徴収への切り替えはできません。
ビザ申請に必要な納税証明書が発行されない場合
引っ越し後に、現在の市区町村役場で課税証明書や納税証明書が発行されない場合は、以前住んでいた市区町村役場から必要な証明書を取得します。
配偶者ビザ申請で気をつけるべきポイント
特に普通徴収の場合、自分で住民税を支払う場合、支払期日を忘れやすくなります。支払が遅れ未納が発生すると、納税証明書に未納額が記載されます。ビザ申請に影響を与えることがあります。
未納分がある場合は、必ず滞納分を納付してから証明書を申請するようにしましょう。
また、納付後すぐに証明書が発行されるわけではなく、自治体によっては納付データが反映されるまでに時間がかかることがあります。たとえばデータが反映されるまで2週間程度かかる自治体もあります。急いで証明書が必要な場合は、市区町村役場に直接相談し、対応を確認することをおすすめします。
まとめ
– 配偶者ビザ申請には安定した収入の証明として納税証明書が必要。
– 住民税は毎年1月1日の住民票がある市区町村で課税されるため、引っ越し後の納税証明書は前住所の市区町村から取得する必要がある。 転勤や転職した場合 -納税通知書が届いた方は住民税が「普通徴収」となっている場合がある このときは – 「特別徴収」と「普通徴収」の違いを理解し、会社員は「特別徴収」に変更の手続きを行う。 配偶者ビザの申請の時 -税の未納があると納税証明書に滞納額が記載されるため、普通徴収の場合は、納付を忘れないように注意。 – 納付データが反映されるまでに時間がかかる場合があり、急ぎで証明書が必要な際は市区町村役場に相談する。 |
配偶者ビザの手続き | フィラール行政書士事務所 (firstbase.info)
[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部所属 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー
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