扶養している子供の家族滞在ビザは高校卒業後どうなる?就労ビザへの変更手続きを行政書士が解説

日本にいる外国人夫婦のお子様は、多くの場合「家族滞在」という在留資格をもって日本で暮らしています。

家族滞在ビザで日本の学校に通学している外国人女子高生の画像

「家族滞在」ビザとは、定められた「在留資格」を持っている外国人がその外国人が扶養する配偶者とか子供を日本に受け入れるためのビザです。

扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動

(入管表別表第1の4の表 家族滞在より抜粋)

 

子供ついては、扶養者に監護・養育されており、経済的に依存していることが要件となります。

その親については経済的に扶養する資金の裏付けと扶養の意思があることが要件となります。

日常的な活動は、家事などの家庭で日常行われる活動、教育を受ける活動などが該当します。就労活動は含まれません。この場合には資格外活動許可を取得する必要があります。

 

日常的な活動が家族滞在ビザの対象ですが、成人間近の子供を日本に呼び寄せることは、来日の目的が「日常的な活動」ではなく、「就労活動」ではないかと入管審査で判断される可能性が高くなります。

また日本に親と同時に子どもが来日しないで、親の来日後、何年も後に呼び寄せる場合も同様に「日常的な活動」といえない、「就労活動」目的ではないかと疑義を入管に持たれる可能性が高く、説得力のある説明資料を用意する必要があります。

では入国した後、、扶養している子供は、子供の成長と共にどんなビザが必要になってくるのでしょうか。子供は成長し、やがて親の扶養をはなれ、経済的に独立します。

入管法、ビザの観点から就職に制約はあるのでしょうか。高校を卒業して進学をしない場合就職するためのビザはどんなものがあるのでしょうか。

子供がいつ来日して、日本での教育の期間、学歴で取得できる在留資格が異なっています。

家族滞在ビザで日本の高校を卒業して就職する子女のイメージ画像

この記事では、大学進学を行わない、家族滞在ビザをもった子供の就労に関するビザについて解説します。

家族滞在ビザから就労ビザへの変更に向けて

扶養している子供は、いつまで家族滞在ビザで更新できるでしょうか?

親の扶養がある場合

親の扶養がある場合は、成人しても更新が可能です。しかし就労に関して週28時間以内の制限があり、就職することが困難です。

高校卒業後、就職することを考えている子供の場合

すでに親と一緒に来日して暮らしている子供は、高校卒業後に就労を考えている場合、「技術・人文・国際業務」といった就労ビザの取得は要件を満たしません。

この場合は、一定の条件のもとで、定住者もしくは特定活動への変更の対象となります。

この「一定の条件」の大事なポイントは、子供の来日がいつか、という事と子供が日本で学んだ学校歴です。これらによって在留資格が異なります。

以下のそれぞれの場合についての内容と次の図を見て、確認してください。

来日の時期と日本で学んだ学校歴(家族滞在から就労できるビザへ)

図1:来日の時期と日本で学んだ学校歴(家族滞在から就労できるビザへ)

家族滞在ビザから定住者ビザへの変更となる場合

  • 小学校卒業前に来日、日本の小学校、中学校、高等学校を卒業

この場合は就職が内定した時点で、「家族滞在」ビザから「定住者」のビザへの変更が可能となります。(図1 ①のケース)

 

特定活動への変更となる場合

17歳までに日本に入国(18歳未満)で

  • 日本の中学校、高等学校を卒業した場合 (図1 ②のケース)
  • 高校に入学して(編入ではない)、高等学校を卒業した場合 (図1 ③のケース)

この場合は就職が内定した時点で、「家族滞在」ビザから「特定活動」のビザへの変更が可能となります。

いずれのケースも、就労目的の「特定活動」あるいは就労ビザを持って5年以上在留した場合、「定住者」ビザへの変更が可能となります。

17歳までに日本に入国(18歳未満)で

  • 高校に途中から編入して、高等学校を卒業した場合(図1 ④のケース)

この場合は、就職の内定と共に

  1. 日本語能力に関する試験 日本語能力検定試験N2以上
  2. BJTビジネス日本語能力テスト400点以上

いづれかの合格が必要です。

家族滞在ビザからの変更要件について

対象となる方については、次に記載のそれぞれの場合において、すべてに該当する方が対象となります。

定住者の場合

  • 日本での義務教育を終了している
  • 高等学校を卒業・卒業見込みである
  • 来日後引き続いて「家族滞在」ビザを保有していること
  • 来日時に18歳未満であること
  • 就職先決定・内定していること
  • 住居地の届出等公的義務を果たしていること

特定活動の場合

  • 高等学校を卒業・卒業見込みである
  • 扶養者が身元保証人として在留していること
  • 来日後引き続いて「家族滞在」ビザを保有していること
  • 来日時に18歳未満であること
  • 就職先決定・内定していること
  • 住居地の届出等公的義務を果たしていること

特定活動から定住者への変更の場合

家族滞在ビザから就職して特定活動ビザを取得後、定住者への変更の場合の要件

  • 日本の高等学校以上の学歴があること
  • 就労を目的とする「特定活動」または就労系の在留資格(技能実習を除く)により
  • 5年以上日本に在留していること

(大学、専門学校の期間も参入可能)

  • 申請人に独立生計維持能力があること
  • 申請人に入管法上の届出義務、公的義務を果たしていること

Q&A

Q:中学校の入学の時に日本に来日しました。高校卒業と就職内定したら定住者への要件は満たしますか?

A:定住者の要件は、日本の学校で義務教育を修了していることが必要です。(図1の➁のパターン)

特定活動への申請を行います。

Q:日本の小学校を卒業して、日本の夜間中学を卒業して高校も定時制高校を卒業予定です。定住者の申請となるのでしょうか?

A:日本の中学校には夜間中学も含みます、また日本の高校には定時制高校、また通信制高校も含んでいます。

 

就労ビザ | フィラール行政書士事務所 (firstbase.info)

 

[この記事の執筆者]

行政書士 山川鬪志

フィラール行政書士事務所 代表

専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請

保有資格:申請取次行政書士

認定コンプライアンス・オフィサー

 

https://www.moj.go.jp/

https://www.moj.go.jp/isa/index.html

 

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