短期滞在ビザで日本に来た場合、滞在期間を延長できるのかどうかは、多くの方が気になるポイントです。結論から言うと、原則として延長はできません。特別な事情がある場合のみ例外的に認められるケースがありますが、日本語学校に通いたいとか就職したいなどといった理由での延長はみとめられません。
短期滞在ビザの延長とは?滞在可能な期間と目的
ここでは、「短期滞在ビザ」の延長について、会話形式とわかりやすい解説で丁寧にひも解いていきます。
Aさんと行政書士Yの会話
Aさん:日本人男性会社員。来日したベトナム人女性の友人から相談を受け、行政書士に電話。
行政書士Y:ビザ専門の行政書士。 |
Aさん:
「先生、こんにちは。私のベトナム人の友人が今、日本に来ていまして…。観光目的の短期滞在ビザで、在留期間は15日です。90日以内のビザですが、延長はできるんでしょうか?
このあと日本で働くために、まず日本語をしっかりに学びたいと、語学学校に通いたいそうなんです。短期滞在ビザを延長して、そのまま通うことはできるんでしょうか?」
行政書士Y:
「ご相談ありがとうございます。結論から申し上げますと、短期滞在ビザのまま語学学校に通うことはできません。
また、在留期間の延長については、短期滞在ビザで許可された日数を1日でも超えることは、原則認められていません。
ただし、病気や災害など人道的な事情がある場合のみ、例外的に短期滞在ビザを延長できるケースがあります。」
短期滞在ビザとは?ベトナム人が短期間日本に来る場合、観光や親族訪問を目的とした「短期滞在ビザ」で入国します。 日本での在留期間は 15日・30日・90日 のいずれかとなります。(Aさんの友人は15日間でしたね。) アルバイトも含め就労は認められていません。来日目的外の滞在は認められません。 観光目的の短期滞在ビザで、日本語学校に入学する目的には使えません。 〇ここで重要なのは、「短期滞在」と「留学」はまったく別の在留資格だということです。
短期滞在ビザの延長はできる?原則:できません。 観光や訪問、商用のためのビザなので、学習目的では延長不可。 例外:人道上の真にやむを得ない事情があるとき又はこれに相当する特別な事情
など、人道的配慮が必要なときに限り、延長可能な場合があります。 ⇒ 語学学校入学希望は「人道的理由」に該当しません。 |
短期滞在ビザからの変更は?
短期滞在ビザの変更については、変更後の在留資格によって、変更ができるものとできないものがあります。
短期滞在ビザから留学ビザへの変更はできる?
Aさん
「じゃあ、延長はほぼ無理ってことですね…。彼女は経済的にも余裕があって、きちんと学費も払えるんですけど、それでもダメですか?」
行政書士Y
「そうですね。経済力があっても、目的がビザの趣旨に合わなければ許可されません。ですので、彼女の場合は『留学ビザ』を取得する必要があります。」
Aさん
「なるほど…つまり、短期滞在ビザを延長して学校に通うのは現実的じゃないんですね。
じゃあ、入学手続きに、あわせて留学ビザを取る方向で考えた方がいいってことですね。
ちなみに、短期滞在ビザから直接、留学ビザに変更することはできるんでしょうか?」
行政書士Y
「短期滞在ビザから在留資格を変更して日本国内で留学ビザに切り替えることは、原則としてできません。
留学ビザを取得するには、一度母国に帰国して在留資格認定証明書(COE)を取得し、ベトナムの日本大使館でビザを申請した上で日本に来ることになります。」
解説
この流れを理解して準備を進めることが大事です。 |
まとめ
ベトナム人が短期滞在ビザで来日し、日本語学校に通いたい場合は
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(最後のアドバイス)
行政書士Y:
「Aさんのご友人が安心して日本語を学ぶためには、今の15日の短期滞在の延長ではなく、留学ビザを取得することが正しい方法です。
入学予定の学校と連携しながら、早めに申請準備を進めてください。」
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[この記事の執筆者]
行政書士 山川鬪志 フィラール行政書士事務所 代表 日本行政書士会連合会 東京都行政書士会 新宿支部所属 登録番号 19082576 専門業務:ビザ(在留資格)申請、帰化許可申請 保有資格:申請取次行政書士 認定コンプライアンス・オフィサー |