帰化申請を考えている方にとって、「素行要件」はとても重要なチェックポイントです。
素行要件とは、過去の刑罰や交通違反、税金や年金の未納など、日々の普段の生活において、法律を守り、周りの人から見て問題のない行動をしているかどうかを判断する基準のことです。
法律では「素行が善良であること」と記載があります。
法律の記載はとてもあいまいです。このことは、日常生活で法律を守り、社会の一員としてふさわしい行動をしているかどうかという事を意味しています。
素行要件の3つのポイントとは
この記事では、帰化申請で特に確認される「素行要件」の3つのポイントをわかりやすく解説します。自分の生活を振り返りながら、申請前にチェックしておきましょう。
3つのポイントとは
①過去の刑罰や交通違反、
②税金の支払状況
③年金の支払い状況
これらが素行要件の3つのチェックポイントです。
それでは順番に確認していきます。
①過去の刑罰や交通違反
まず、最初に確認しておくべき要件です。これは「素行要件」の重要なポイントで、日常生活で法律を守ってきたかを判断する材料となります。
過去の刑罰については、前科は無いことです。
よくあるのは、喧嘩や万引きなどで警察に逮捕された経験がある場合です。「前科がついているのでは?」と不安になるかもしれません。
しかし、前科がつくのは「有罪判決を受けた場合だけ」です。
検察官によって裁判を開くべきと判断することを起訴と言います。
起訴されるとほぼほぼ有罪判決となります。
・不起訴処分になった場合
初犯で軽い被害など、裁判にかけられず事件が終わる場合、前科はつきません。
・起訴されて裁判を受け、有罪判決が出た場合
この場合に初めて前科が記録されます。
そのため、警察に事情を聞かれただけでは帰化申請上の前科にはなりません。安心して申請準備を進められます。
もっとも、有罪判決で1年以上の拘禁刑(従前の懲役や禁錮刑)に処せられると入管法の退去強制事由に該当しますので、日本には滞在できなくなってしまいます。
この場合について、在留特別許可を受けた方ですと10年経過してからの帰化申請となります。
交通違反の罰金刑は帰化に影響するか
「以前に、交通違反をおこなって罰金を支払ったのですが、帰化大丈夫でしょうか」と質問を受けることがあります。お金を支払ったことをひとくくりに罰金をはらったと言いますが、実は軽微な違反は、反則金といい反則金を支払うことで刑事上の責任は問われず、前科も付きません。
重大な違反に対しては赤切符が、軽微な違反には青切符が切られます。
比較的軽微な違反に対しては反則金の支払いとなります。赤切符での違反の場合は、略式裁判が行われ、罰金刑や場合によっては懲役刑の判決が下されます。前科が付きます。
この場合は帰化に影響します。交通違反は過去5年間を審査されます。罰金刑の場合は5年以上を経過しないと帰化申請が出来ません。
軽微な交通違反を繰り返しているが影響しますか
交通違反を何度も繰り返す方は、不許可のリスクが高くなります。
過去5年間の運転記録証明書を帰化申請の時に提出しますが、証明書に記載がある5年間の間に
いちおうの目安として
①5年間で4回以上の反則
②直近2年間で3回以上の反則
の場合は不許可リスクが高くなります。該当期間で違反回数を越えないように、しばらく申請を待つようにします。
②税金の支払状況